表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

襲撃~前編~

La Stela Brillante...



君と過ごした1日1日。




煌めく星の様に、輝いていたよ。




たったのイチネンカンだったけど、




あの日々を忘れはしない。


あの日、あの時したこと。

話したこと。全て覚えてる。


今でも鮮明に思い出すよ。君のこと。

鈍い痛みに襲われる。動悸が激しくなる。

けど、忘れてはならない。

君と過ごした、あの輝かしい時間を…。





腐れ縁の笠平凉汰(かさひらりょうた)と隣の席になるという悪夢の席替え日から数日たった。

私、春谷咲奈(はるたにさな)はどこにでも居るような小学6年生だ。女子といるより男子といた方が楽しい派。渾名は咲男。得意科目は体育。毎日変わらない退屈な日常を送っていた。



ある日放送当番が当たった。ペアはなんとあの凉汰。

「よりにもよってなんで咲男となんだよ」

凉汰がぼやいたが全く同感である。

くじ引きで決めるなんて2度と了承するものか、と心の中で密かに決意する。


そんなことを考えているうちに放送室についた。時刻は11:55。放送をかけるのにはまだ早い時刻なので放送室内だけ音楽を流し束の間の時間を楽しむ。咲奈はこの時間が大好きだった。しかし6年生になると早く放送室に行くことが困難になった。

凉汰は音楽が好きな方なので何も言わずに黙っている。


沈黙が不気味に思えたので聞いてみる。

「凉汰って放送担当なったことあるっけ?」

途端に凉汰が噛み付く。

「春谷お前俺がいなかったとでも?」

あ、思い出した。

「あ、去年カラオケ担当だったね。」

余計なことまで思い出さなくていい、と軽く蹴られる。去年月曜日の特集はカラオケ。担当者が歌うというものだったが余りのオンチさに不満の声が続出しPTAにまで抗議され…と、最悪の事態になった。放送委員会の廃止まで検討されたそうだ。

そのため、今年は今までのような自由奔放な特集にはならず、割とまともになっている。


ちなみに咲奈達の提案した特集は

『Quiz Time』である。

その名の通りクイズをする。クイズの出題者は曰く付きの先生。答える児童は毎回くじ引きで選ぶ。そしてリアルタイムでクラスに突撃!…というシステムだ。

毎回好評で最近は質問BOXにお便りが届くこともある。




「ん?運動場に人が集まってるぞ?」

窓を開けようとしていた凉汰に言われ咲奈も運動場を見る。運動場にはほとんどの児童が集まってるように見えた。

「えっ、なんで?」

咲奈は思わず聞く。答えられないとわかってるのに。

咲奈達に気づいた児童の1人が声を上げる。

「先生、誰か放送室にいるよ!」

それを聞き他の児童も放送室の方を向く。

大騒ぎになった運動場に、児童に恐れられている先生の怒声が響く。

「静かに!!」

波打つように静まり返った運動場を見ながら凉汰に尋ねる。

「これ、何?避難訓練?」

「俺が知るかよ!」

凉汰も状況が理解出来ず、唖然としている。

「とにかく異常だね。運動場行く?」

「そうだな。行った方がいいな。」




放送室を出て中央の階段に向かっている途中、階下から破裂音が響いた。咄嗟に音の方向を見ると黒ずくめの男がライフルらしきものを向けている。

「逃げるぞ!」

凉汰に言われ走り出す。走りながら状況を理解しようと頭をフル回転させる。

取り敢えず不審者の名前と名付けた。


3階に上がったところで凉汰に言う。

「作戦あるからちょっと隠れて!」

凉汰は

「は!?逃げるの先だろ!」

と言ったが渋々陰に隠れてくれる。

咲奈も不審者撃退用の竹箒を手に隠れると、ちょうどを銃男が階段を上ってきた。

近くに来たところで咲奈が竹箒で思いっきり

銃男の手を叩く。不意をつかれた銃男がライフルを落としたところで

「凉汰!銃取って!」

と指示する。その頃には凉汰は既に行動に移していた。凉汰が拾ったことを確認し、

「撤収!」

と叫びひたすら逃げる。体育テストA判定舐めるな。そんなくだらないことを考えながら走り続けた。




逃げた先はどうやら先生の休息室の様だった。銃男を撒いたことを確認し尋ねる。

「どう?本物やった?」

凉汰は自衛隊が好きで兵器とかにも割と詳しい。全くもって意外だが。

凉汰は軽く目配せすると銃口にそこらにあったクッションをあて、壁に引き金を引く。

パンッ、と破裂音がして壁に穴が開いた。

「ほらな。」

「ほなって、危なすぎるわ、予告せいっ!」

咲奈は盛大に突っ込んだ。

その後話し合った結果、凉汰が前でライフルを持ち、咲奈が後ろということになった。

今私達がいるのが3階なので取り敢えず滑るように静かに降りる。

途中で帽子をかぶった下っ端っぽい男が襲ってきた。凉汰が銃を1発発射させる。男は横腹を抑えて倒れた。

その横を通り抜けようとした凉汰が不意によろける。破裂音が響く。

咲奈は咄嗟に隠れ、凉汰は男に向かってもう1発撃つ。男は動かなくたった。

ピクリともしない男から目を逸らし、凉汰に尋ねる。

「大丈夫か!?どこ撃たれた!?」

「っ…右足。」

凉汰は右足の足首あたりを撃たれていた。

歩けるか?と聞く前に凉汰が言った。

「先行ってて。後で追いつく。」

「それで行けるわけないでしょ馬鹿。乗れって。」

そう言いつつ背中に乗せる。凉汰は小柄なので重たくはない。銃を片手に隠れることが出来そうな場所を探す。



結局割と近かった2階北校舎の図書室に入り、鍵をかけ机や椅子でバリケードもどきをつくり凉汰を本棚にもたれかける。

「ここで待っといて。私はこのメモ落としてくるから。」

そう言って咲奈はメモを見せた。


『私は6ー2の春谷咲奈です。不審者を避けながらここまで辿り着きましたが、笠平凉汰が足を負傷したためこれ以上逃げることが出来なくなりました。

笠平凉汰は2階北校舎の図書室にいます。私がダミーの放送をかけます。その隙に一気に突入しちゃってください。標的は恐らく放送室になると思うのでこっちにも援軍よろしくお願いします。12:35になったら放送をかけます。』


「ちょい待て。この作戦って…っ!」

咲奈は不敵な笑みを浮かべてみせる。

「うん。かなりの賭けだね。」

「ハァ…やめろって言ってもやるんだろ?」

「当然。流石わかってるじゃん。」

そう言って咲奈は立ちドアの方へ歩く。

「じゃあね。行ってくる。」

不安を隠しきれていない凉汰を見て、振り向き笑いかける。

「大丈夫だって。お前は絶対助かる。というか助けるから…。私は、まぁなんとかなるでしょ。…てことで」

後ろはもう見ない。1歩1歩、ゆっくりと歩を進める。

「バイバイ。」

そう告げると後ろから凉汰の声が追い縋る。

「っ…外で会おう!絶対だぞ!」



咲奈はそろりそろりと歩き出した。

廊下で涙が出そうになったが、負けん気で堪えた。




この学校は私の小学校の時通っていたところをモデルにしています。


母校は平成元年に出来たのでピカピカです。中学とかはボロいですが...(lll-ω-)チーン

何処かわからないと思いますが宜しければコメントくださいm(._.*)m



今回は日常系を書きたくて書かせていただきました。多分読んでも面白くないという方が多いと思います。ごめんなさい。


小学校の時書いてたものを改稿して出させていただいたので無茶苦茶なところが多いと思います。ストーリーが急展開過ぎたり辻褄あってなかったり…。

ただ1人にでも「おもしろい!」と思っていただけたら幸いです。


読んでくださった方に本当に深い感謝を。

本当に本当にありがとうございます。



最後に人物紹介を少し。



春谷(はるたに) 咲奈(さな)

大柄で勉強はクラストップ

柔道を習っている。体育が得意。

とてもパワフル

根は単純ではっきりとモノを言う。



笠平(かさひら) 凉汰(りょうた)

小柄で頭は悪くないが凡ミスの天才。

大雑把な性格。自衛隊が好き。

好奇心旺盛でおもしろい(スベルこと多し)

大切な時は意外と冷静



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ