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けーちゃんのハンドパワー

 近所に住む(しん)(せき)の男の子、けーちゃん。

 ()(とし)()(さい)になるけーちゃんは、毎日すごい(いきお)いでいろんなことを(おぼ)える。

 (おぼ)えるのは、()らしに必要なことばかりじゃなく、人の(やさ)しさもだ。


 (あけ)()()のお(ちや)()

 ()(のん)がけーちゃんといっしょにミニカーで(あそ)んでやっていると、花音は足を(くず)した。

(いた)たたた。しびれちゃったぁ」

 さっきまで(せい)()していたから、足に来たようだ。

 俺は聞いた。

(だい)(じよう)()?」

「ちょっと(いた)くてだめ」

 すると。

 けーちゃんは花音の足をぽんぽんと(たた)いた。

「よちよち」

「ひぃっ」

 しびれた足を(たた)かれて、花音はいっそう(いた)がった。

 けーちゃんはハッとして、もっと(がん)()って(たた)く。

「よちよちよち」

「ひぇえ。あ、ありがとうけーちゃん! だ、(だい)(じよう)()だから」

 ()きそうになりながら()(がお)を作り、花音はけーちゃんの(やさ)しさに(かん)(しや)する。

 ちょうどそこへ、(なぎ)がやってきた。

「よちよち」

 けーちゃんが花音の足をぽんぽんして、花音がリアクションを取っている。

 そんな様子を(いち)(べつ)して、凪はけーちゃんに聞いた。

「へえ。花音ちゃんが()いて(かん)(しや)するなんて、なにしたんだい? けーちゃん」

「よちよち」

 と、けーちゃんは凪に答える。

 凪は(ほほ)()みうなずいた。

「そうか。けーちゃんは(やさ)しいなぁ。花音ちゃんもあんなに(よろこ)んでる。すごいハンドパワーだ。よかったね、花音ちゃん」

 そう言われて、花音は目の(はし)(なみだ)をためて(ふく)(ざつ)()(がお)()かべた。

「うん、そうだね」

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