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当たる おまけ
家に帰ってお茶の間でくつろいでいるとき、花音はお母さんにさっきの宝くじの話をしていた。
「なるほどねぇ。確かに、言えてる。宝くじが当たって働かなくなったら、死んだようなものかもね」
「そうそう。凪ちゃんはよく考えるよ」
と、花音は腕を組んだ。
その横では、凪がテレビの野球中継を観ていた。
普段野球なんて野球アニメしか見ない凪だけど、めずらしくも集中して観戦している。
ここで、実況をしているアナウンサーが言った。
「おーっと! ボールに当たりません! バッター空振り! また打てなかった! これは降格もあるかもしれませんね~」
実況を聞いて、凪はまじめな顔をして誰にともなくつぶやく。
「当たらないと死ぬ人もいるのか。大変だなぁ」
本日4/24から新作の長編『ルミナリーファンタジーの迷宮』の投稿を開始しました。そちらも読んでもらえたら嬉しいです。