みんな脳みそ使いすぎ!
勇者の脳の覚醒率に驚いた魔王は、それが勇者だけなのか、それとも他の人間にも当てはまるのか、調べるために小さな村へと訪れる。
結論。
大体みんな6割は覚醒していた。
近くにあった小さな村で、「祝福を授けるために勇者様と旅をしております。宜しければ、この村の方々に加護を授けたいのですが、いかがですか?」
と聞いたら、行列ができたのだ。もちろん真っ赤な嘘だけど。
勇者の顔は広まっていたらしい。すげー!勇者だ!という声がたくさん聞こえる。
そんな中、適当な呪文っぽいものを呟きながら、並んだ村人一人一人の頭を解析していく。
そして終わるごとに、
「あなたの上に、幸せがありますよう」
と笑顔で次の者を迎えるという寸法で…。
うーむ…脳の構造が違うから魔法が使えるとか…
「それだあああ!!」
「なんだ!?」
宿屋に案内されてからずーっと黙って考え込んでいたボクがいきなり声をあげたから、ベッドで寝ていた勇者は驚いて飛び起きた。癖らしく、立てかけてあった剣も握っている。
「あ、起こしてごめんにゃ…。いやー、あっちの世界にも一応魔法を使うぜ!っていう時代はあってねー魔女狩りが行われてた歴史もあるし。錬金術が研究されてた事もあるし。でも魔法理論の確立まではいかなかったんだ。想像してネットに上げる奴は沢山いたみたいだけど、誰一人として、[灯り(ライト)]の魔法すら使えなかった。それって、脳の活性率によるものだったんだ。……で、勇者、こっちの人間の寿命って何歳くらい?」
「お前は…寝起きの俺にべらべらと…; ああ、もう、お前の性格に慣れることに務める!それでいいんだろう!で、寿命か?平均して50歳だな」
「短っ!?」
「なにっ」
「あっちの世界では100歳超えるとか珍しくなかったにゃー…」
「えぇー…50歳以上の肉体ってどんなだよ…」
「しわしわ、だるだる、カサカサ」
「えぇー…」
更におむつ、と言おうとして気づく。この宿屋、トイレがないのだ。
ていうかボクこっちの世界にきて2年、催したこともないし生理もきてないけど、それは魔王だから、モンスターだからだと思ってた。
けど、どうやら、こっちの世界には「トイレ」を使う必要がない…つまり人間も、催さないらしい。そういえば初めて組んだPTで野宿したけど、誰もそんな様子はなかったな…。
「はい勇者さん、質問がありまーす」
手をあげたボクに、はぁ…なんだ?と勇者が答える。
「子供ってどうやってできるの?」
「ぶへほっ!げほ!げほっげほっ!!と、突然何を言い出すんだ!!」
勇者の顔は真っ赤である。ふむふむ。
「んー、人間の子供はやっぱりアレなコレをして生まれるって事でOK?」
「ああたぶんそのアレやコレだ!詳しく言うな!」
「わかったわかった、なるほど生殖方法は変わらんのか…ちなみにモンスターは単性生殖だからねー、なるほど、もうひとつ質問があります」
勘弁してくれ…と勇者がつぶやくが無視。
「生理の時って女の人はどうしてるの?」
間
「せいり、とは、なんだ?」
間を破ったのは勇者だった。整理?片付け?とまでつぶやいている。
「なんと!これは予想外の反応!…ーと、月1のアレ!」
「は?」
「子宮から血が出るやつ!」
「なんだと!子宮から血が出たら大変じゃないか!」
「でもそれがないと子供産める体にならないじゃんよー!」
「どんな仕組みなんだお前がいた世界の人間はああああ!!こんなのか!実は見た目こんなのか!」
どこから取り出したのか、お絵かき帳に書かれているのは蜥蜴人間。
「違う!見た目はこっちの人間と変わらない!それからリザードマンはボクの配下にいっぱいいます、えっへん!」
「トカゲ従えて嬉しいか…」
「爬虫類かわいい。」
「なるほど趣味の相違だ。で、お前はさっきから何をごちゃごちゃ考えているんだ?」
「うーん…こっちの人間の事をボクはあまりにも知らなさすぎたから、ちょっと知って行くべきだと思ったんだけど…なんかもういいや、色々分かったし。これにて寝る!」
「寝るんかい!って、おい!変身はとくなよ!」
「わかってるよー、この村出てしばらくは巫女さんでいますー」
「ああ、そうしてくれ。厄介だからな、色々と。」
「うん。じゃ、おやすみ。[睡眠]」
「なっ」
思わず癖で身構えてしまったが、聞こえるのは、すーすーという魔王の寝息だけ。
「えぇぇ?自分で自分に使ったのか?」
なんとも不思議な奴だ。
「もしかして、魔王は夜行性で夜に眠れないとかなんだろうか…?…じゃあ、俺にむりやり合わせてくれてる…のか?」
なんとなく申し訳ない気持ちになって、自分のほうの毛布も、そっと魔王にかけてやる。
その寝顔は子供のようにあどけない。
「おやすみ、魔王。また明日な」
「ふむ!勇者、飽きた!」
街道を歩くこと3時間。
天気はいいし、暑すぎないし、お散歩がてらと思っていたのだが……さすがに3時間も似たような景色が続けば飽きる。
「悪いが俺はお前を抱えて高速飛行なんて無理だぞ?できないわけじゃないが、目的地についた頃には魔力がきれてて戦力にならん、じゃ笑い話にもならないだろう」
「別に亜種はボクが殴り飛ばすから構わないって」
「おい勇者は俺だ。勇者が戦わずぐったりしつつ魔王が活躍しているのを眺めてどうする!」
「うーん、できればそうして欲しいな?そしてそのまんま王に報告してくれればボクの名声があれよあれよと…」
「いや…もみ消されるだろ。普通に考えて。そして俺はお役御免、ニート人生だ」
「おお、ニートって言葉こっちにもあったのか!」
そんなやり取りをあれこれした挙句、色々折衷案は出た。
ワープポイント……正確な位置が分からないため無理=緯度経度の計算が必要な魔法・スキルです
高速飛行…勇者の魔力が尽きるからだめ
馬…モンスターであるボクを怖がって馬が逃げる
馬車…同上
「どれもこれも駄目駄目駄目ってもー……あ、こんな時にこそだ!」
ピュイーーっとボクは口笛を吹く。
今度は何をやらかす気だ?という目でボクを見ていた勇者の顔が、段々青ざめる。
「お、い、おいおいおいおいおいおい!」
「見てあれ!ボクのペットなんだ!乗り心地もいいし人懐っこいかr…」
「あれはお前の2代前の魔王の時に散々俺が斬り殺した精鋭だぞおおおお!!」
「時代の変化についてきてよ、もう」
どん、と音を立てて、それは着地する。
「トパーズワイバーンでーす^^」
きゅいっ
きゅいっきゅ
きゅい?
きゅっきゅ
きゅう~
魔王とワイバーンは、どうやら竜語でやり取りをしているらしい。そして、
「うん、乗せてくれるって!そのかわり勇者は50G払えってさ!」
「守銭奴だよおい!竜なのに!ワイバーンなのに!」
ツッコミ疲れたのか、ほれ、と金貨の袋をワイバーンの首輪に勇者が結びつける。
きゅいっ
「そんじゃ乗って~。鞍とかついてないけど、割りとどこに座っても安定感あるから。んじゃ行くよ!きゅっきゅー!」
きゅいいいっ!
ばさぁっと翼を広げ、大空へと舞い上がる。
あっという間に、村や街ひとつが、拳大の小ささになるほどの高さだ。
「ひゃー、いつ乗っても気持ちいいなぁー!眺めもいいし!ね!」
はしゃぐボクに、勇者も苦笑しつつ
「勇者が竜に乗るなんて聞いたことがないな……いやこれもある意味斬新……( ゜д゜)ハッ!いかん!俺まで魔王の影響を受けかけている!」
パシッと両手で頬を叩くと、勇者は左斜め前の森を指さす。
「亜種が出現しているのは、あのへんか?」
「王都から西の森だもんね、あのへんだとは思うけど…おーい!リベリア―!」
「はい、魔王様」
「おわぁ!?」
まるで最初からそこにいたかのように、ワイバーンの首の付け根あたりに立つリベリアの姿。
「な、な、まさか今までずっと尾行して…」
「失礼な。魔王さまのお声に従って、魔王城からワープしてきただけに過ぎませんわ。わたくし、恐れ多くも魔王様の血を頂いておりますもの。魔王さまがお呼びになれば、どこにでも馳せ参じますわ」
「うんうん、さすがリベリア。それで、亜種が出現してる森って、あのへん?てゆか詳しくどのへん?」
「はい、先ほどまたもや小競り合いがあったようで…その位置で宜しければ、わたくしがワープポイントでその場所までお運び致しますが…」
「よろ~」
「かしこまりました。…勇者ももう少し寄ってください。ワイバーン、あなたはわたくしの代わりに王城に情報を持ち帰るのよ」
きゅいっ
「では、参りましょうか」
景色が一気に変わった。
「うわー…密林…」
「炎系の魔法は避けたほうがいいな…」
「魔王さま、亜種をできれば一体、生け捕りにできればと愚考しているのですが」
「ん?実験に使うの?」
「いえ、もし品種改良して飲めるような血になるのであれば、魔王城地下で栽培するのがよろしいかと」
「なる~。いいよん」
「お前、こいつにだけは素なのな…」
「リベリアは魔王城にたどり着く前にボクを見つけた唯一のコだからね~」
うふふ、と恥ずかしげにリベリアは頬をそめている。
「…!!妙な気配が…」
「[氷の鎧]」
見るも美しい氷の花が2つずつ、ボクの周りをくるくると回っている。
「勇者はこれに触れないでね、危ないから。それじゃちょっと、歩いてくる」
「へ?」
「行ってらっしゃいませ」
そして、その言葉の通り…
亜種、という人種が魔王に敵対行動や戦闘行為をとっている中、平然と魔王は歩いてみせた。
魔法も武器も、見えないシールドに阻まれる。いや、あの2つの氷が、見た目にはくるくると回っているだけだが、魔王の体をすっぽりと覆う氷の鎧なのだ。
亜種の攻撃はシールドに阻まれ、それどころか、触れたところから己の体が凍ってゆく。
5分としないうちに、そこに居た亜種は皆、氷漬けとなった。
「結局俺の出番…」勇者がうなだれた。
「出てきていいよー。氷漬けだから、早めに解凍すれば生きてるし、リベリアはこれ持って帰りなよ」
「寛大なる御心、感謝致します」
そしてリベリアはその細腕では考えられないほどぼ腕力で、凍った亜種を横抱きにして、ワープポイントで姿を消した。
「亜種…っていうのはこいつらの事…だよな…」
「だね。確かに見たことない姿だねぇ。リザードマンと人魚を足したみたい。主に美しくない方向で」
ぷっと勇者が一瞬吹き出した。
しかし確かに、美しくない形での融合だったのだ。
考えてもみて欲しい。
リザードマンの体に、水かきの手と足、ヒレ、魚の口の姿を。
「こりゃ完全に肉食だね」
透明度の高い氷の中で、牙をむいたまま凍っている亜種の歯を見て、呟く。
犬歯が発達しているのが吸血種だとするなら、こいつらの歯は全部が犬歯。ギザギザなのだ。
「王城で伝え聞いた以上に気持ちの悪い外見だな…」
勇者も呟く。
「あんまし美味しくなさそう…」
「いや考えるとこ違うだろ」
ゴスっと勇者にツッコミを入れられ、痛いにゃーと文句を言う。
「んーじゃあ案その①仮死状態のままこいつらボクの城に飛ばして拷問 ②ここで一匹解凍して拷問。 ③罠としてこのまま置いといて仲間が拷問しに来るか見る」
「たった一文で拷問という言葉が3度聞こえた気がするが…平和的に③にしよう。…いや平和か③は…?いや残り2つに比べれば平和だ、そうだ迷うな俺」
なんか勇者が自己葛藤しているうちに、ボクは森に耳を澄ませる。
「でも勇者、この森、聞いたことないモンスターの声だらけで気持ち悪いにゃ…」
「俺には何も聞こえないが…凄いな、モンスター同士はそうやって通信を行なっているのか…?」
「うんにゃ、魔王軍は普通に[伝言]でやり取りするの。竜語とかも全部」
「じゃあ、お前が聞こえてる声は全部、亜種の声ってことか?」
「少なくともウチのコ達の声じゃないにゃー、あと言語じゃなくて超音波みたいな…」
「超音波?なんだそれは」
「あーえっと。こういう時に文明とファンタジーの差を感じるなぁ…。えっと、コウモリが発する、人間には聞き取れない声の事」
「そんなものがあるのか…奥深いな…」
「んーーー…全然何言ってんのかもわかんない…罠を見つけたのかどうかすら…んー」
あ、とボクは顔を上げる。
「どうした?」
「ねえ勇者、なんかこいつら、感情がないみたいな…感じがする…」
「感情が…ない…?」
「勇者!」
ボクが叫ぶまでもなかった。
氷塊と化した仲間をまるで気に留める風でもなく、ボクらに襲いかかる影。
素早く回避したが、勇者と離れてしまった。
「数が多すぎる…」
「勇者!きた道に向かって10mくらい回避して!」
それと同時にボクは上空に飛ぶ。
こちらに向かう10数体の亜種たち。こいつら、こんなジャンプ力まで…
「ちっ」
使うつもりだった魔法も、こんな至近距離からぶっぱなす訳にはいかない。ボクは別の魔法を使う。
「お馬鹿さんな自分を恨みなね。[無数の氷の槍]」
こっちに向かってた奴を撃退してから、波状攻撃でこっちに飛ぼうとしていた奴めがけて、というか地面めがけて
「消し飛べ。[氷塊爆散]」
ドゴォン、と音がして地面にどでかい刺の氷塊が落ち、更に周囲へ一頻り冷気の攻撃を飛ばして、消えた。
「ふぅ…」
さすがに素でここまで滞空時間長くいられなかったから羽根出したけど。
「大丈夫か魔王!」
降り立って、翼をしまう。どうやら勇者のほうにも何匹かいったらしい。剣で片付けたらしく、勇者が剣についた血を振って落とす。
「お前…凍ってるじゃないか!」
「いやもう平気だよ、歩いても水たまりだから」
「そうじゃなくて!…寒く、ないのか…」
そう言って、水たまりに降り立ったボクに駆け寄ると、自分のマントを脱いでボクにかぶせる。
「ほわ?寒くないよ、ダイジョブだいじょぶ、勇者は心配性だなぁもう」
というかむしろ勇者がぶるぶる震えてる気がするんだが…
「勇者、寒いの?」
「さ、寒くないぞ」
「いや寒そう」
「さぶく、ない…」
強情!
「んむー、…ほい[宝石覚醒]」
勇者に、綺麗な装飾の施された、真紅のたまご型の宝石を手渡し、封印をとく。
「ん?なんだこの宝石…温かいな…握ってるだけなのに…手だけじゃなく体まで温かい…」
「ボクの領地でとれる魔力石に、加減を弱めた[炎/フラン]の魔法を入れといたやつ。便利でしょ?」
ちなみに、[限界覚醒]と叫んで敵に投げつければ烈火の攻撃石となるんだけど今は関係ないから言わないでおく。
「あ、ああ…。…ありがとうな!」
嬉しそうに勇者は笑う。つられてボクも笑った。
「それにしてもこいつらは…」
「「…!!」」
気配に気づいたのは二人同時。
ワープ・ポイントでワルキューレが現れたところだった。
「ワルキューレ?いかが致した?自陣の防衛につとめよと申したはず」
ワルキューレは憎しみに満ちた目で勇者を睨みつけボクを勇者から背中に庇うように移動する。
「勇者…貴様がなぜ魔王さまと居るかはあとでその体に聞いてやるぞ」
「よせ。ワルキューレ、勇者は我が盟友となったのじゃ」
「なんと…!…いえ、それよりも申し訳ありません、こちらの報告を優先する事をお許し下さい」
「良い、いかがした」
「リベリアが…、王城地下で瀕死の状態で発見されました」
「何っ!?」
「今は言葉を発するのも苦しく、発熱も激しく、このままでは…」
「良い、この目で確かめる。わらわが血を与えれば助かるかもしれぬ!」
「はっ!どうか我が同胞に、お情けを」
「無論じゃ!何度も言い聞かせたはず、そなたらはわらわが愛し子。勇者、悪いが一緒に来てくれ。このまま王城にワープする」
「はっ!」「えっ!?」
言った瞬間、すでに目の前の景色はかわり、リベリアの私室へとワープしていた。
「リベリア!リベリア!しっかりせよ、わらわの血を飲み再びの生を!」
「…さ、ま……亜……種……逃…」
「…!わかった、もう喋らずとも良い、飲め」
枕元にあった魔法具の豪華なナイフでボクは腕の甲を思い切り切る。
ぱたぱたと流れる血をリベリアに注ぎながら、緊迫した空気のままワルキューレを振り返った。
「ワルキューレ、今すぐに王城内部の警戒レベルを最高値に引き上げよ。コードはブラック、並びに、貴族どもの収める我が領土の警戒値もコードレッドまで引き上げ、弱き者、女子供は家から出ぬよう、そして村の代表となる者を村で二番目に強い者が常に守り、わらわの[伝言]を常に受け取り迅速に対処できるように手配せよ!」
「仰せのままに!」
ワルキューレが呼び出した無数の使い魔たちが、部屋をすり抜けてゆく。
「すまないな、ワルキューレ。勇者との事を説明するよりこちらを優先せねばならぬようだ」
「はっ!魔王さまのいかな決定にも従う所存です」
「まず、亜種が一匹、逃亡しておる。恐らくはもはや一匹ではない。わらわが氷漬けにしたものをリベリアに持ち帰らせ、城の地下で調べさせておったのじゃ」
「そうだったのですか…」
「それが、リベリアの麻痺毒に耐性を持っておったのじゃろう、リベリアをこの様な…この様な目に遭わせ…逃亡した…!わらわの城の中でじゃ!仲間を増やしておるのじゃ!許せぬ!リベリアの受けた苦痛、倍にして返してくれようぞ…!」
ビリビリと家具が震える。
立っているのが苦しくなったのかワルキューレが臣下の礼以上に平伏していることに気づき、はっとしてボクは魔力を安定させる。
「……済まぬ、わらわは少し疲れておるようじゃ…」
「魔王さまが、お謝りになる事など、何も、ございません」
そう答えるワルキューレの微かに声が震えている。
「…ワルキューレ、…簡単に説明する。…勇者とわらわは盟友となったが、勇者にまでそなたらが頭を垂れる必要はない。仲間だとは即座に思えぬやもしれぬ、いわば同盟相手、それが無理ならば取引相手と思って貰いたい。敵対行為だけは絶対に控える事、それだけじゃ。…済まぬ、今のわらわには…それ以上は……、……リベリア……死ぬな…」
最後の声は自分でも消え入りそうだった。
リベリアが、生にしがみつくかのように、自分の血を飲んでくれている、それだけが心を落ち着かせた。
後ろで勇者が、悲しそうにボクを見つめていることにボクは気づかなかった。
あえて顔文字を入れました。魔王の奔放さに勇者はこれからも振り回され続けます。( ゜д゜)ポカーン <俺の常識が通じねえ!