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英雄は眠らない

 法子は目を細め、摩子を睨む。

 法子の刀に魔力が籠る。最後の力まで振り絞って、刀に思いっきり魔力を込めた。刀が鈍く光り、熱を発する。

 頭上からは空が崩れ落ちそうな音が鳴っている。

 法子は一度呼吸を止めると、視線の先の摩子を睨みつけ、そして勢い良く刀を振りかぶり、思いっきり刀を振るった。

 魔力が斬撃に変換される。

 法子の渾身の魔力は強固な斬撃となって摩子へ跳ぶ。

 途中、摩子の張り巡らせた魔術の罠が斬撃を止める為に次々と発動するが、それらを全て切り裂いて斬撃は摩子へと走った。

 摩子が驚愕の表情を浮かべた瞬間、斬撃は摩子を切り裂き吹っ飛ばした。

 頭上から響いていた音が消える。

 その瞬間、法子が駆け出した。吹き飛ばされた摩子を追い、空中で姿勢を制御し終えた摩子の前に立ち、驚いて目を見開く摩子の肩を刀で殴りつける。刀が摩子の肩に当たると、空気が鳴動して、爆音が起こり、摩子は一気に落下して、地面に叩きつけられた。凄まじい音と土埃が巻き起こる。

 土埃が立ち込める下界を眺め、法子が笑みを浮かべて拳を握る。

 土埃が晴れる。

 地面のクレーターに倒れた摩子はまだ立ち上がろうとしていた。その傍に武志が駆け寄る。満身創痍の様子で摩子が武志にもたれかかる。

 それを見て法子は悲痛な表情になる。まるで摩子の痛みを感じているかの様に。

 けれどその一方で、法子の拳は確かに強く握られている。

 そして地上で自分を見上げている将刀と目があって、法子は口元を綻ばせ刀を持つ手を空に掲げた。

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