第4話:夜空を駆ける冒険
夜の風がユウタの頬をなでる。
ルビーは胸を張り、赤い鼻を光らせながら空を見上げた。
「行こう、ユウタ!」
「うん、でも…本当に空を飛べるの?」
ユウタは少し不安そうに言った。
ルビーは小さく鼻を鳴らし、前足で地面を蹴った瞬間、体がふわりと宙に浮いた。
「うわっ!」
ユウタは驚きと興奮で目を見開く。ルビーに導かれ、ユウタも手を伸ばすと、体が空中に浮かんだ。
二人は街の夜景を下に見下ろしながら、イルミネーションの海を抜けていく。
高層ビルの間をすり抜ける風は冷たく、でもどこか清々しい。
「すごい…!」ユウタの声は夜空に溶けていった。
ルビーはふと止まり、空の一点を指さす。
「見て、あそこに…」
遠く、ビルの隙間から小さな光が点滅していた。まるで道しるべのように。
「プレゼントが…あるのか?」
「うん、でも簡単には届かないんだ」
ルビーの瞳には決意の光が宿っていた。
その瞬間、風の流れが変わった。
巨大なドローンの影が二人の前に迫る。
「うわ、危ない!」
ユウタはルビーの背中にしがみつき、必死にバランスを取る。
空中での攻防、風と光の中での瞬間判断――
二人は息を合わせ、まるで長年のコンビのようにドローンを避けながら飛んだ。
地上の光と夜空の星が一つに溶ける瞬間、ユウタは心の奥が震えるのを感じた。
「…僕、本当にやれるんだ」
ルビーも小さく鼻を光らせ、力強く空を駆けた。
この夜空の冒険は、まだ序章に過ぎない。
だが、少年とトナカイの絆は、確かに形になり始めていた――。




