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第2話:不思議な友だち
翌朝、ユウタはリビングの床に座るトナカイをじっと見つめていた。
ルビー――そう、トナカイは小さな声で自分の名前を告げた。赤い鼻と、ちょっと大きめの目。ドジで、でもどこか憎めない。
「…本当に君、トナカイなの?」
ユウタの問いに、ルビーはしっぽをふわふわと振り、胸を張って小さく鼻を鳴らした。
ルビーは言葉を話せる不思議なトナカイだった。
「今日から君と一緒に、すごく大事なことをしなきゃいけないんだ」と、ルビーは真剣な顔で告げた。
「大事なこと?」
「うん。でも、すごく大変だから…僕、失敗ばかりかもしれない」
その瞬間、ユウタは不思議な胸の高鳴りを覚えた。
この小さな生き物と一緒に、何かすごいことをやらなければならない――その予感。
ルビーは部屋を飛び跳ねながら、紙切れのような小さな地図を広げた。
「まずは、街中で…」
ユウタは思わず笑った。
ドジで小さなトナカイと、こんな朝を迎えるなんて。
でも、心のどこかで確信していた。
この不思議な友だちと過ごす一日は、ただのクリスマスイブでは終わらない、と。




