第12話:夜空に舞う奇跡
ユウタの部屋の窓から、街の明かりがゆっくりと輝いている。
ルビーは窓際で、赤い鼻を静かに光らせていた。
「もう…帰るんだね」
ユウタの声には少しの寂しさと、大きな感謝が混ざっていた。
ルビーは小さく鼻を鳴らし、ユウタに寄り添う。
「君と一緒に過ごしたこの夜は、僕の宝物だよ」
ユウタはそうつぶやきながら、胸の奥がじんわりと温かくなるのを感じた。
外の夜空には、満天の星とオーロラがまだ残っている。
「見て、ユウタ。空いっぱいに、僕たちの奇跡が舞っているよ」
ルビーの言葉に、ユウタは息を飲んだ。
街の子どもたちの笑顔、助け合った仲間たち、そして母への想い――
すべての小さな奇跡が、今、夜空に映し出されているようだった。
「僕、また来年も頑張れる気がする」
ユウタは笑顔でつぶやいた。
ルビーも小さく鼻を光らせ、空へ飛び立つ準備をする。
二人が見上げた空には、まるで祝福するかのように星が瞬き、夜空全体が淡い光に包まれた。
ユウタは深く息を吸い、胸いっぱいに広がる奇跡の余韻を感じた。
「ありがとう、ルビー」
「僕もだよ、ユウタ」
そして、夜空に二つの影がゆっくりと舞う――
少年とトナカイが起こした、小さな勇気と友情の奇跡。
この夜、世界は少しだけ、優しく輝いていた。
静かな雪の街を見下ろしながら、二人は微笑んだ。
奇跡は、確かに、この夜に生まれたのだ――。




