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21話 バウンティハンター

 刻まれた魔法によって、フィーは落第を免れた。


 ハクが旅立って、半年が経過しようとしていた。


 フィーは言外のハクの意思に従って残ることを選んだのだった。


◇◆◇◆


「フィー様! 授業! 急がないと遅刻しますよ!」


「待ってよ! もう!」


 春先では、自分を笑っていた生徒の1人が手を引く。


 錬金術の授業だ。


「素晴らしい!」


 教師がフィーの作ったトパーズを褒め称えた。


(ハク……どうしているかな)


 きっと学園で起こしたような騒動を旅行く先々で起こしているのだろう。


「ありがとうございます!」


 偽りの笑顔で彼の帰りを待つ。


◇◆◇◆


 遡ること5か月前


「路銀が無くなったわ!」


「そりゃ毎日高級ホテルに泊まってたらねぇ」


「あれ以下の宿なんて絶対無理!」


 そういや、この世界の魔法が使える人皆貴族なんですよ。俺以外。


 金銭感覚がとち狂ってても可笑しくない。


 若くして天号を取得しているあたり、先生もいい所のお嬢さんなんだろう。


「こりゃあれっすね!」


「何々!?」


「先生が身体で稼ぐんすよ!」


「ふざけないで!」


 杖で殴られた。


「ぶーぶー! じゃあどうするんすか!」


「しょ、賞金首を片っ端から狩るわよ!」


「へい……」


◇◆◇◆


「ヒャッハー! 賞金首は皆殺しだぁ!」


 くぅ! 一回言ってみたかった台詞ぅ!


「あ、あれは!?」


「最近名うてのバウンティハンターの二人組だぁ!?」


 先生と俺のゲイルナーデルが、盗賊たちの首を一気に撥ねた。もー人殺しに抵抗ありませーん。


「2人! 避けた! 片方任せた!」


「はい!」


 おふざけは終了! これを避けたということは、没落貴族かなんかの末裔だろう。


「そっちの! 中々やるわ! 気を付けなさい!」


 やるぅ! これまで鍛えてきた魔法を繰り出すが、いなされてしまう。


 基礎ができてる。なんで盗賊なんかやってるか知らないけど……。


 こういう敵には、これが有効!


「ぎゃあああああああああああああ」


 必殺眼球焼き!

 

 ゲイルナーデルが首を撥ねた。


「上手いわ! 強力な魔法は決め手にならないという教えが身についてる!」


「攻撃ポイントを作り出す見せ札ですもんね! 高等魔法って!」


「先生は嬉しいわ!」


 いやぁ、血だまりの中じゃなきゃいい心地良さなんだけどなぁ。


◇◆◇◆


 そんなことを繰り返しながら。向かった天龍の棲む山だが。


「遭難! これ遭難!」

 

 豪雪だった。


「待って! グリフィスちゃんを召喚するから!」


 グリフィスちゃんとは先生の使い魔のグリフォンである。


「あばばばばば! 寒いですワン! ご主人様!」


 俺の使い魔の方は完全なるお荷物だった。キスで人格を切り替えても


「あばばばばば! 寒い! 寒すぎるぞ契約者!」


 お荷物だ。


「つっかえねぇ!」


 これではただの少女だ。


 グリフィスちゃんに皆で乗る。


 グリフィスちゃん懸命に大空を翔る! 頑張れー!


 嵐を! 抜けた!


◇◆◇◆

 

「あれが天龍よ」


「うお! デカすぎ!」


 全長数キロはあるけど!?


「あんなのに勝てと!?」


「挑むのよ! 負けても構わない!」


「よ、良かったぁ! よ、良かったぁ! 行け! ミルラ!」


 あ。


 ああああああああああ!


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