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第01話「洗礼の儀」

お久しぶりです始めまして。

「ユアンよ、今日でお前も13歳。成人を迎える歳である」

朝の食卓の刻、父のバイルが口を開いた。


父のパイルは35歳。

3年前に病の祖父から辺境伯の位を若くして譲り受け、領地を概ね無難に治めている。

また【水魔法】の使い手であり、辺境に蔓延る魔物を自ら先陣を切って退治したり、領地の治水工事を行ったりしており、民衆からの信頼も厚い。


「朝食を済ませたら神殿に向かうのだ。分かっておるな?」

「承知しております、父上」

神殿では13歳の誕生日を迎えた日に神様から『洗礼の儀』を受け、スキルに目覚める事となる。

これは、神様からの授かりものと言う考え方と元来備わっていたものが芽を吹くという考え方の両学派が永い永い討論を重ねているが結論には至っていない。まぁ兎に角、13歳の誕生日に神殿に向かうと力を得るという事実には変わりがない。

またこれはこの国では最低限の人権として全ての民衆が受ける権利がある。奴隷の子供が実はレアなスキルを持っていた、なんてことが昔々にあったらしく、人()の損失にならないように、と言う王国法に定められたものだ。


落ち着かない気持ちで朝食を終えた僕は身を清め神殿に向かうのであった。


◆◆◆

早い時刻に向かったこともあり、神殿にはまだ牧師しかいなかった。

「これはこれはユアン様、成人おめでとうございます」

「これはかたじけない、ショーン牧師。本日はよろしく頼む」

牧師は領主の息子である僕をファーストネームで呼ぶ。

これは洗礼の儀が如何にこの国で重要視されているかと言う事の表れであり、神殿の権力を象徴する事例である。

まぁ僕はそもそも民衆に慕われる領主を目指しており、身分の違いに強い拘りを持たないんだけど。


僕は今朝方父から手渡された、家に伝わるナイフを取り出し、牧師に渡した。

牧師はビロードに包まれた聖霊銀(ミスリル)の葉書ほどのプレートを取り出し、それを僕に渡してくる。

続いて牧師は聖水でナイフを清め、僕に返した。

後はナイフで指を切り、血を一滴プレートに垂らせば…


プレートが神々しい光を放ち、昼間だというのに目が眩む思いをした。

普通は軽く発光する程度の筈。これはひょっとして…

「おめでとうございます!これはレアスキルの輝き!!」

僕は牧師とともにプレートに目をやる。

正しく洗礼の儀が済んでいればここに僕の名前とスキル名が記される筈なのだ。


「「【回復魔法】??」」

見たことも聞いたこともない、スキルがそこには記されていた。

面白かったら嬉しいなぁ。

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