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むかしむかしあるところにーーー白雪姫が帰ってきました  作者: ミソラ


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白雪姫登場

 一段高くなっている回廊から見下ろすと、庭の芝生の上に敷物を敷いて白雪姫が座りお茶を飲んでいた。


 ピチュピチュと小鳥が歌い、噴水の水しぶきはキラキラと宝石のように輝いている。


 黒い髪に黒い瞳、名前の由来となった雪のような白い肌の頬はほんのりピンク色で、小さな口はさくらんぼのよう。

 連日の号泣で少し腫れぼったいまぶたをしているが、それでも輝くばかりに美しい。


 まさに絵本の中のお姫さま。

 たしかにギラギラしているようには見えない。

 

 バード王国に行ったのは八才の時で今は十四才。十六で成人して結婚する時までは王子妃としての勉強中だと記憶している。


 そう、女王が王子が嫌う理由の一つにそれがある。

 

 いわゆる変態のロリコン、と。

 

 ガラスの棺に入った八才の少女に口づけするなど変態の極みだと、潔癖症の女王は『理解できぬ』と鳥肌を立てていた。

 確かに自分の娘がそういう目に遭えば腹立たしいだろう。


(いや、私も十四の少女の相手などロリコンの仲間入りみたいでごめんこうむりたいのだが)と永遠の二十六才の伯爵は嘆息する。

 いかに最新のファッションに身を包もうともドラキュラ伯爵は二百年以上生きているのである。ロリコン度で言えばヘッセン王子よりも上ではないか。


 あと『棺桶で眠る者同士、仲良くなれそうではないか』という女王の言葉も気に入らない。

 少なくとも白雪姫は今はベッドで寝ているだろうし、伯爵だって狭い棺桶で寝るのは嫌で、ベッドで寝ている。当たり前ではないか。


 睡眠は大切だ。


 考えれば考えるほどイライラするが、カラバ侯爵夫人のように一度は声をかけて『やっぱり無理でした』と断ればいい。

 ドラキュラ伯爵はまあ仕方ない、とため息をついて庭に続く階段を降りた。


 *


 芝生の上に最近流行の赤いオリエンタルな絨毯を敷き、たくさんのクッションの並べ寝そべりながら手に持った白い花をくるくる回している白雪姫は儚げで愛らしい。

 横の銀のお盆にはお茶のセットと焼き菓子や果物が載った皿が置いてある。


 そこだけ見れば、まるで有名な絵師による絵画のようだ。


(それにしても、会うのは六年ぶりとしても姫はあんなだったか?)と伯爵は首を傾げた。


 記憶の中の白雪姫も愛らしい容姿につんつんした感じであったが、成長したせいか、冷たさが加わったような気がする。


 はっきり言って好みではない。すでにカーミラに会いたくなった。


 白雪姫が近づくドラキュラ伯爵に気がついた。

 

「あら、お久しぶり。」


「姫、お戻りとは知らず、ご挨拶が遅れて申し訳ございません。」


 ドラキュラ伯爵は微笑みながら礼をした。

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