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  una  作者: 愛沢 みい
1/8

プロローグ

読者の皆様へ


この物語を手に取っていただき、誠にありがとうございます


本作品は、人造人間unaと人間が共存する世界を舞台に、主人公夕月要と彼の運命が紡がれるダークSF作品です。物語は、幸せな日々から一変していく要と妹楓の姿を描きながら、unaとの共存の難しさや人間の心の葛藤をテーマにしています。


主人公要と双子の妹楓は、人造人間である自分たちの過去を知らずに祖母に育てられました。ある日、妹楓が自分がunaかもしれないという不安を抱き始め、それがきっかけで要の心にも疑心暗鬼が芽生えてしまいます。事件は思わぬ方向に進み、主人公たちの運命は大きく揺れ動きます。


本作品では、暗い未来が待ち受ける世界での主人公たちの葛藤と苦悩を描くことで、読者の皆様に心の奥深くに刻まれる物語をお届けしたいと願っています。

unaや特殊機関、過激派組織などの謎に包まれた要素も物語に厚みを与え、次々と訪れる予想外の展開が読者の心を揺さぶることでしょう。


この物語の展開に引き込まれ、主人公たちの心の変化や運命に胸を熱くすることを願っております。物語の幕が上がると同時に、読者の皆様とともにこの世界の闇と光に向き合っていけることを楽しみにしています。


初めての作品で至らないところもあるかと思いますが応援していただけたら幸いです


愛沢みい

悲痛な感情に押し潰されるように、全身を震わせて叫んだ。


叫び声は絶望、 怒り、苦しみを一つにしたようなものだった。

声は辺りに響き渡りまるで嵐のように鋭く、誰もが耳を塞ぎたくなるような痛々しさだけが残った。


叫びは時折、声が裏返るような悲鳴に変わり、その度に胸が激しく痛んだ。

苦痛と共に言葉は混ざり合い、ただただ叫び続けることしかできなかった。

永い間、ただひたすらに・・・


その姿はまるで、心の傷を現した獣のようだった。



自責の念に駆られ

叫びが全ての言葉を超え、無力さと怒りを示す。

後悔や苦しみに何度も押し潰されながら、震える声で横たわる彼女の名前を何度も呼んだ。



しかし、流れる血、返ってこない声、冷たい手が彼女の唯一の返事だった。


「…そう、僕が殺したんだね…」


目の前の光景を眺め、少しの冷静さを取り戻すと、また自らの罪を悔み苦しんだ。

悲しみに苛まれながらも涙が流れることはなかった。


暗い部屋には山積みの死体が転がっており、孤独に包まれた。



時間も忘れ、ただ呆然と立ち尽くし

「いっそのこと僕が死んでしまえば楽だったのかもしれない・・」

そう呟いた。



でも何故か、深い絶望と無力感に少しだけ、心が満たされたような気がしていた。



自分の過ちに自ら苦しみながらも、自害する道を選ばず

自問自答する中で、過去の選択に向き合い、自らの弱さと人間の愚かさを嘆いた。


静寂の中、悲壮感漂うこの暗く重い建物に一人

人間の脆さと誤った選択がどれほどの悲劇を引き起こすか・・



その時赤く流れる血の跡を背に、震える肩を抑えながら小さく微笑み彼女を見つめた。



多くの感情の渦がその身を包み込むように、心にも闇が忍び寄っていた。


心の奥底で、絶望の淵に足を踏み入れているような気がし

自分自身を追い詰め、悔やんでも悔やみきれずにいた。



一度深い闇に沈んでしまえば、もう元の自分には戻れない。


恐怖が心に押し寄せ全身が汗ばんだ。

心臓はドキドキと激しく鳴り響き、血塗られた部屋にただただ立ち尽くしていた。



血の匂いが彼の鼻を刺激し、吐き気がこみ上げる。

じっと血がついた壁を見つめ感情が交錯し、身体は疲れ果てたように衰弱していた。





瞳は暗く灰色に染まり、身体が重く、息苦しい。

影に包まれ、ただ一人、闇の中で孤独と闘い、

喜びも希望も遠くどこか届かない場所に隠されてしまったかのように感じられた。


胸に広がる暗い雲が晴れることはない。

心の闇は時間と共に深くなり、少しずつ飲み込んでいく。



手に握られた包丁が床に転がり落ち、その音は静かに響いた。

自らの手に滴る血を眺め、その場に座り込むと静かに目を閉じた

流れる血の鮮やかな色彩と重なり、あの日の風景を彷彿させる。



心は静かに揺れ動き、優しく懐かしい記憶が脳裏に過った。


「綺麗だ・・本当に・・」


そう呟くと静かに眠りについた、懐かしい幸せな記憶と共に。




読者の皆様へ


本作品のプロローグをお読みいただき、誠にありがとうございます。


この物語は、人造人間unaと人間が共存する世界を舞台に、主人公夕月要と双子の妹楓の運命が交差するダークsf作品です。

要と楓は自分たちがunaであることを知らずに平和に暮らしていましたが、ある日の出来事をきっかけに彼らの運命は大きく変わってしまいます。


このプロローグではこれからの物語につながる要の不幸や苦しみを描いています

なぜこうも要は苦しんだのか、それにつながる第一話をこれから書いていくことに胸が高まっています


要の過去に暗い影を落とし、そして突如訪れた衝撃的展開が読者の皆様の心に深い印象を残したのではないでしょうか・・


本作品では、人間の心の闇や葛藤、そして人造人間との共存における難しさをテーマに揚げ

様々な登場人物たちの心の動きを書いていけたらいいなと思っています。

物語が進むにつれて、unaの過去や創設者の悲しい運命、そして過激派組織との対立など

さらなる謎や衝撃の展開が待っています。


読者の皆様には、主人公たちの悲しい運命と心の葛藤に寄り添っていただけたら幸いです。

そして第一話から始まる重苦しい雰囲気や、物語のテーマ性を楽しんでいただけたらと願っています


次回以降の展開にもご期待ください。

引き続き、主人公たちの物語をお楽しみいただけますように願っています


愛沢みい



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