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紅き炎が開花の時――Memory1.『意気地なし』:END

『――――ねぇっ、あんた!』


『…………。』


『ねぇってば! ……おい!!』


『…………あ゛? 俺のことを呼んだのか?』


『ええ、そうよ。聞こえないふりしないで、“態度悪い”わねぇ?』


『いや、俺の名くらいは憶えただろ……それで呼べよ。“あんた”だなんて雑に言われても解らねぇし、ムカつくぜ』


『そう。まぁどうでもいいじゃない、そんなこと。それよりあんた、どうして解ったの?』


『いや、ふざけんなどうでもいいなんててめぇが……って、なにがだ? なにが解ったって??』


『あなた昨日の夜、どうして私のことが解ったの?』


『お前のことがって……ああ、地下室に隠れていたのがなんで解ったってこと?』


『そう。好きで隠れていたワケじゃないけどさ、どうしてあの地下室に気がついたの?』


『そりゃぁ……お前が“いた”からだろ』


『……はぁ?? “いた”?? 私は別に泣いてなんて――』


『“きゃぁ!”……だなんてよ。驚いた鳥みてぇな鳴き声上げて。だから解った、それだけ』


『・・・・・はぁ!? 私、“きゃぁ”だなんて言ってないし! 聞き間違いでしょ!』


『じゃぁ、“ひゃん!”だったか? いずれにせよお前は鳴いたのさ。俺がお前を発見したことがその証拠だ。サナッチが机叩いた音でビビったんだろ。そんで解ったか? お前は所詮しょせん、弱っちいガキの女に過ぎねぇのさ。解ったらもう少し態度を良くしろよ?』


『な、鳴いてない……鳴いてないし、ビビってもないわよ!! 調子に乗らないで、あなただって自分で自分も殺せない弱虫のくせにさぁ!!』


『――――ア゛ァ゛ッ!?!? てめぇ、俺が……俺が弱いってのか!?? さっき見ただろうが、俺の炎を!! アレ見てよくそんなことを言えるな!! バカなのか!?』


『炎がどうした!! あんたはいくら恰好かっこうつけて人を簡単に殺せたって、一番殺したい人も殺せない意気地なしよ!! 何度でも言うわ、あんたは意気地なし!!!』


『……っ! ……なんっ……てんめぇ……だから俺は死ぬのは怖くない!! ただ、クソみてぇな世の中のクソみてぇなヤツらに思い知らせてやりたいだけなんだよ、女神や奇跡なんざくだらねぇって!! 解ったかよ、このバカオンナ!!!』


『フンっ、そうやって理由つけて! そんなの、死なないための言い訳なんじゃないの?』


『あんっだ……お前、俺がオンナを殺せねぇって、そう勘違いしてんのか?? だとしたら、その盛大な楽園頭を消し飛ばしてやろうか!!!』


『ほら、二言目にはすぐ殺す、殺す……弱い心を強い言葉で誤魔化さないでよ。そうじゃないなら、私を殺してあんたも死んでみせなさいよ! 私はあなたのついでに死んでも構わないからね』


『お前――――お前はやっぱり嫌いだ。お前は最悪なオンナだ!!』


『そんなの当たり前でしょ? こんなオンナは最低に決まっているじゃない』


『…………あ゛?』


『…………フンっ』



『 ・・・・・ひきゃぁぁんッ!! 待って、何コレぇ!? 枝じゃない!?!? 』



『…………!』


『…………!』



『ちょっと見て見てほら、デッッッかいへび!! 枝だと思って掴んだらこんなだもの、ビックリしたぁ……えいっ、あっちいけぇ!!』



『…………?』


『…………?』



『いやぁ~~、コレにはサナッチさんもさすがに声がでるわね……こんな危ない森はさっさと抜けるに限るぜ!!』


『…………。』


『…………。』



『ほら気をつけなさい、少年ボーイ少女ガール!! そんでええと……方角はこっちで合ってる……よね? 大丈夫だよね??』



『…………。』


『…………。』


『…………。』


『…………。』


『ふぅ…………おい、サナッチさんよ。あんたそういえば何を理由にこっちへと歩いてんだ? とくに疑問ももたずに付いてきちまったけどよぉ――』


『………………はぁ。本当に、死ねたら楽なのにね。こんなになって、私に生きている意味も無いのに……くだらない言い争いまでしてさ。これじゃぁ本当にバカよ……そう、バカになってしまったのね、私……まったく、嫌になるわ」






(はぁぁ。さっさと消えてしまいたいな――)






…..NEXT Memory→『もう少しだけ』




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