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『紅き炎:アグリサス・フェノー(1)』
ダリア……あぁ、愛しいダリアよ。
あなたほどに気高く、誠実で、心優しき者はない。
ダリア……あぁ、崇高なるダリアよ。
あなたを今こそ遮る者はなく、その白き光は何者にもかけがえない。
だれもがあなたを見上げて祈りましょう。今こそあなたが女神であります。
……だけど、しかし。惜しき事かな。
あなたは終わりを知り、永遠を失った儚き魂。
飛沫なる雫に似る、運命に呪われた美しき命。
勿体ないなぁ……実に、口惜しいことではありませんか。
……あぁ、そうでした!
質問にお答えせねばなりませんよね。
失礼。ご承知のようにワタクシ、少々意識が散漫とするきらいがありまして……あまりの美を前にして目が眩んでしまったようです。ふふ、何度会っても慣れぬ美貌はかくも抗い難いものです。
さてさて、すっかりと返答を忘れておりました。まったくお恥ずかしい。
……はい、これもまた1つの回答にございます。
新たな女神よ。いや、真なる母、威光ある竜の女王よ。この世で最も美しく、尊く、されど儚い神の子よ。
あなた様こそは導き続けるべきではありませんか? えぇ、そうです。より正しく、美しく――
共に輪廻を回り、共に時代を巡り、共に世界を護り……。
そして永劫、共に憎しみ続けようではありませんか・・・ねぇ、姉上様?




