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さあ、ワルツを  作者: 鰤金団
介入!! 姉妹喧嘩 私のダンスレッスン
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72 ダンス実技編 仲良しレッスン3

「何故ダンスをするのかについては分かりました。確か、ダンスと言っても様々な種類がありましたよね。何を踊るんですか?」

「ワルツです。円舞曲とも呼ばれるのですが、何故ワルツなのか分かりますか?」

「交流会の説明から考えるに、途切れる事の無い関係になるようにというような願いが込められてでしょうか? 円舞曲らしいので、巡り巡るとか、回り合わってというような」

「そうです。綺麗に踊れるほどに注目度は上がりますよ。ですが、本来は男女で踊るもの。役割の事を考えると、姉側の方が苦労するんですよ。姉がお粗末でも、妹が先走る事もいけません。皆、無難に踊る事を優先しています。上級生側に癖が付いてもいけないので」

 私にとっては、失敗しないという当たり前なレベルでさえもハードルが既に高いです。ですが、先輩の話を聞いていると、大会という訳では無いようなので安心しました。

 仮に参加したとして、私の失態でお姉様に恥を掻かせてはいけませんから。


「因みにですが、光お姉様はダンスの経験は?」

 訊ねると、エミリー先輩は顔を顰め、深くため息を吐きました。

「ライカ様と二人がかりで教えましたよ。ええ、教えました」

 先輩には思惑があったのでしょうが、二人がかりでというのが気になりました。

「お姉様は覚えが悪かったのですか?」

「それ以前の問題です。あの人は、ライカ様との関係を解消しようとしていましたから」

「姉妹は行事参加は絶対でしたよね?」

「ええ、絶対参加です。逃げる事は許されません」

「ずっと不思議だったのですが、光お姉様は姉妹関係を嫌がっていたのですよね? だというのに、どうしてライカさんと姉妹になったんですか? 指名されても嫌なら成立しないですよね」

「それは……。ライカ様が言葉巧みに口説き落としたからですよ」

 その時の事を思い出したエミリー先輩は、悔しさからか苦々しい表情をしていました。

(相当嫌ってますね、この人。やっぱり、相容れない人だわ)

「と、思い出話をしている場合ではありません。さあ、そろそろ実際に体を動かしてみましょう。私が横に立つので、まずは足の動きを真似をしてみなさい」

 世間話も柔軟も終わりだと、エミリー先輩が私の隣りに立ちました。

 初めてのダンスです。上手くできるでしょうか?


「ゆっくりと、焦らず、混乱しないように」

 光お姉様に教えた経験が生きているのか、先輩の声は柔らかく、不覚にも安心出来るトーンでした。

 実際に練習を始めると、時間が経つのはあっという間でした。

 ゆっくりと動けば何でもないステップも、速度が上がっていくと、ついていけなくなりました。

 ゆっくりでも、繰り返し同じステップを続けていると、頭が混乱して転びそうになりました。

 盆踊りが如何に分かりやすく、踊りやすいのかを、改めて実感しました。やぐらの周りをグルグル回りつつ、手を左右に上げ、手を叩いて降ろしながら広げるだけの動作で済むのですから。

 足なんて前に進めれば良いのです。と、躓く度に思いました。

「三人とも、せいが出てるねー」

 部屋の中に、人が入ってきました。

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