69 内緒話 仲良しレッスン2
「……では、ダンスは私が教えてましょう」
「なっ」
先程まで渋っていたというのに、エミリー先輩の提案に耳を疑いました。
「良いですね。エミリーお姉様のダンスは素晴らしいですから、学ぶには良いと思います。それに、更に仲が深まるでしょうから、とても素晴らしい事だと思います」
ふーりんは嬉しそうな顔で言いました。
私はエミリー先輩を引っ張り、四人に背を向け、抑えた声で先輩に言いました。
「何を考えているんですか、あなたは。私、あなたに教わる事なんてありませんよ」
「ダンスがあるでしょう。嫌われているのは分かっていますが、フレデリカが納得するにはこれしかないのですよ。それに私は去年、同じような同級生を教えています。本来はちゃんとした講師に教わる事が一番ですが、事情が事情です。諦めなさい」
面倒見が良いのか、都合良く使われようしているのか分からなくなってきました。
出来る事ならば、何でも教わる最初は光お姉様であって欲しかったのですが、お姉様の体を思えば無理でしょう。
嫌いな相手に教えを請わなければならない腹立たしさったらないです。ふーりんが居る手前、強く言い返す事も出来ません。おかげでそのストレスが、音が聞こえるほどに強い歯ぎしりと
なって現れていました。
「口を開けなさい。それ以上は歯が酷い事になるわ」
エミリー先輩が不安に思うほどの音量だったようで、彼女は私を止めました。
「でしたら、一度だけフレデリカの前でレッスンをしましょう。後は個人練習で済ませるのです。それならどうですか?」
「それはとても良い考えだと思います。その方法で行きましょう」
エミリー先輩も意外と悪い事を考えます。ですが、話は纏まりました。
私達は四人の元へ戻りました。
「二人での話し合いは終わりましたか?」
ニコニコ顔のふーりん。
「ええ、終わったわ。時間についての話し合いをしていたのよ」
「まあ、そうでしたか。始めるのは早い方が良いですよね? 何時から始めるのですか? 今日からですか? 私にも手伝える事があると思うので協力しますね。必要な物をリストアップしなくてはいけませんね」
早口でうっきうきのふーりん。
「手伝いは嬉しいですけど、もしかして、毎日手伝おうとしてる?」
嫌な予感がしたので、私は確認しました。
それが地獄の始まりだとも知らずに……。




