63 三人暮らし会議 重い腰を上げました
「ふーりん。一緒に暮らしましょう。ベッドくらい、狭いですけど二人で使えば寝られますよ」
「ありがとうございます、陽子さん」
手を握られて感謝されると、なんだか照れ臭くなりました。それほどの事をしているつもりは無かったので。
「あーもう。陽子がそう言うと、二対一で勝てないじゃない」
和美さんも渋々という形で折れました。
「では、ベッドはふーりんと和美さんが一緒で良いですか?」
そう訊ねると、二人は声を揃えて言いました。
「陽子さんとが良いです」
「ふーりんは駄目」
声が揃うほどに息が合っているというのに、互いに否定をする返事。
仲が良いのなら、同じベッドでも問題が無いと思ったのですが、違ったようです。
どうしてですか? と訊ねるとまた二人違った答えが帰ってきました。
「和美さんに捕まったら最後、身動きが取れなくなんですもの」
「ふーりんと寝てると、何時までも寝られるんだもの」
何だかんだで仲の良い答えが帰ってきました。
まだ詰める所はありますが、残念ながら予鈴が鳴ってしまいました。
「では、今後の相談は休み時間にしていきましょう」
話を切り上げ、私達はそれぞれの席へと座りました。
休み時間毎に行われた、三人暮らし会議でこのような取り決めがされました。
寝る場所は私のベッド。持ち込みは必要最低限にして、ローテーションで机とテーブルを使用する。
僅かな時間でも、要点を絞って話し合うと、意外にも早く決まりました。
生活に関しての問題はほぼ解決し、これで気分良くお昼休みを迎える事が出来ました。
私達は、当面の問題が解決した事で、晴れやかな気持ちでお姉様の元へ向かおうとしていました。
ですが、私にはやらなければならない事が出来てしまいました。
「あ、二人とも、先に屋上に行ってて」
そう言って私は二人には先に行ってもらいました。
「ふぅ。さてと……」
長期休みの最終日に、やり残した全ての宿題に立ち向かうような重い気分です。
因みにこれは比喩表現で、私は計画性を持って片付けるタイプでした。
と、自分で自分に注釈を入れつつ、私は渋々、教室を出て廊下を確認しました。
(あ、居た)
遠くの方が騒がしいので、すぐに分かりました。
私はそこへ速足で向かいました。少しでも早く終わらせ、お姉様との時間を長く取りたいからです。
「休み時間毎に、あなたは何をしているんですか?」
下級生のフロアで、下級生に囲まれている人物に、私はそう声をかけました。




