51 嫉妬 練習の成果はあるようです
話を終えた私達は、お姉様達の待つ屋上へ向かいました。
到着すると、お姉様は和美さん達と楽しそうにおしゃべりをしていました。
羨ましさに、血涙しそうになりました。
「私を差し置いて、二人ともずいぶんと楽しそうですね?」
そんな感情が駄々洩れていたため、修羅場に突入した本妻みたいな雰囲気のまま、感情が声に出してしまいました。
「あら、あなたは……」
ふーりんと和美さんは私への対処に大慌てでしたが、お姉様は何時も通りでした。それに嬉しい事に、私を覚えてくれているような反応です。加えて、私の事を何か言おうとしていました。
「はい、私は……」
どのような事を言われるのか、期待に胸が膨らみます。
「噴水子さん?」
小首を傾げ、疑問形に私を呼ぶお姉様の抱きつきたくなるほどの愛らしさたるや……。
「惜しいです。陽子です」
一歩前進と言った所でしょうか。名前を呼ばれる日も近そうです。
その横で、私が落ち着いた事にホッとした表情の二人が居ました。
「和美、話は全部聞かせてもらったよ」
私の事が終わったと見ると、彼方先輩が誤解の件について触れました。
「ちゃんと解けましたか? 誤解」
「大丈夫。だけど、同じベッドでは寝れないかな。体がバキバキになりそうだし」
「それなら心配要りませんよ。そんな時には抱き枕を持参しますから」
「そっか。なら安心だわ」
二人は笑っていました。
(どうやら、こちらの問題も解決したようですね。良かった)
ホッとしたのも束の間。新たな問題が起こっていました。
「お二人の関係が修復されて良かったです。ええ、本当に……。うぅ……」
円満と思いきや、今度はふーりんが突然泣き出したのです。
「えっ、いきなりどうしたんですか!?」
この脈絡の無さは、お酒に酔った人が突然起こす行動に似ていました。両親は笑い上戸でした。突然様子が変わる様は、両親で散々見てきましたが、未成年で、しかも校内でと考えると、ふーりんが!? っと一瞬疑ってしまいました。
「あー、さっきまでエミリー先輩が居たからね」
和美さんの言葉が耳に入ると、私は首の限界を越えた速さで向きを変えました。
おかげで、首からは聞こえてはいけないような音が聞こえましたが、気にしません。
「和美さん、それはどういう事? お姉様に被害は?」
「落ち着いて、陽子。その目力だとあたしが殺されそう」
おっといけません。次に先輩に会った時の練習の成果を出してしまいました。
「ああ、何故この場にお姉様が居ないのでしょう……」
私と光お姉様の敵が居ない事を惜しむふーりん。二人の関係を思えば、仕方がありません。そして、私達の関係を思えば、居なくて当然です。
「ふーりん。私達は相容れない関係です。なので、しょうがないじゃないですか」
「そんな事無いよぉ……」
若干年齢が下がったような口調。加えて美人の泣き顔。同性であっても心が動かされてしまいました。




