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さあ、ワルツを  作者: 鰤金団
勝ち取れ!! お姉様っ
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25 恩返し これが私の進む道

「亡くなられた先輩と交流のあった高等部の二、三年生が特に風当たりが強いんです。もちろん、この学院には光先輩以外にも庶民層の生徒が居ます。彼女達は、自分の身を守る事を第一に考えているので、光先輩のために動く事はありません。寧ろ、光先輩と敵対する事で、自分は違うと周囲に認識させています。こんな庶民狩りのような卑劣な行いは、エミリーお姉様達の代が卒業したら風化してくれると思いたいのですが……」

 嫌な伝統として残る可能性は十分にあるので、ふーりんが心配に思うのも仕方ありません。


「それまで待っていたら、あたし達が卒業する番になってしまうね」

 和美さんの言う通りでした。

 目立とうとは思っていませんが、頑張って入った学校で、何も楽しめず、身を縮め、影を潜めて過ごすなど意味がありません。

 学院内の厄介な事情を聞き終えた私は、やるべき事を見つけた気がしました。

「私、やっぱり光お姉様とシスターになります」

 私の変わらない意思に、ふーりんは頭を抱えていました。和美さんは笑いを堪えようとして口を抑えていましたが、声が漏れていました。

「陽子さん。私が今のお話をしたのは、何の関係も無い陽子さんが、風評被害で辛い目に合わないためです。なので、こう言っては申し訳ないのですが、光先輩に関わらなければ、周囲の陽子さんに対する目も戻るはずです。そうなるように、私も積極的に働きかけていきます」

 私を守ろうと、敢えて光お姉様を悪く言うふーりん。

 彼女が私を気遣ってくれている事が、とてもよく分かります。

 思えば、そう言う所はエミリー先輩と似ているのかもしれません。出会って一か月にもなっていない私のため、ここまで親身になってくれる人に、これ以上気苦労を背負わせてはいけないとも思います。

 ですが、私には光お姉様への恩と憧れがあります。この未だ募る想いがある限り、私は自分に従いたいと思います。


 梃子でも動かないという意志を持ったところで、和美さんが言いました。

「ふーりん。止めても無駄だよ。こんな暴走超特急は誰も止められないよ」

 同室で過ごしてきた彼女は、私の意志や行動力を一番見てきた人です。

 諦めの言葉であると同時に、進めるだけ進めという励ましの言葉のように私には聞こえました。

 短い間に、和美さんもまた、良き理解者になってくれました。一つ、謝るとすれば彼女がそうなったのには、私が多大なる迷惑をかけたからという点でしょう。

 彼女には今後、なるべく迷惑をかけないように努めましょう。

 と、反省しつつ、私は和美さんの言葉に乗っかりました。

「そうです。止まりません。私が光お姉様の支えになります!!」

 立ち上がり、私は宣言しました。


「ハァ……。これは和美さん以上に手を焼きそうですね。仕方ありません」

 呆れの境地で、ふーりんは認めてくれました。

「もっと弱気な子だと思っていたけど、中にとんでもない猛獣が隠れていたね。そこが面白いけれど」

 想像以上だと、中々に酷い表現を楽しそうに言う和美さん。

「ふーりん、和美さん。色々とご迷惑をかけてすみません。それと、これからもご迷惑をかけるかもしれませんが、よろしくお願いします」

 現在、そしてその先の事。本来なら関わる必要の無い所で苦労をさせてしまう事を、私は謝りました。

「お友達のため、頑張りましょう。それと、私は今の学院の空気が良いとは思えませんから。まさか、このような展開の中に自分が居るとは思っていませんでしたが、楽しみです」

「籠の中しか知らない生徒ばかりだからね。今後が楽しみだよ。陽子さん、骨は拾ってあげるから、どんどん突き進め」

 ふーりんの直球な言葉と和美さんの遠慮のない言葉。

 ですが、二人の言葉が、私は嬉しくて仕方なかったです。

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