16 待ちに待った交流会
待ちに待った放課後がやって来ました。
今日出来る最高のコンディションで、既に交流会へ向かう準備も終わらせています。
光お姉様に出会ったらどのような話をし、妹になりたいと打ち明けようかと考えていました。
いくつもパターンを考え、会話に関しても抜かりはありません。
「では和美さん、行きましょう」
会は夕食の時間である午後六時から。後十分で始まってしまいます。
光お姉様に一秒でも早く出会えるなら一時間でも、一日だって早く行く所です。
それだけの気概で、和美さんの手を取りました。
「うんうん、今行くから。陽子さん、落ち着いて」
昨晩から私に振り回されている和美さんはお疲れ気味でした。
「逸る気持ちを抑えきれません。行きましょう。すぐ行きましょう」
「そんなに引っ張らないで。腕が抜けちゃうから」
引っ張られるというよりも、引き摺られるという表現が合いそうな状態で和美さんを連れ出しました。交流会の会場となるサロンに急ぎました。
事前にふーりんから教わった情報によると、今日行われる交流会のような行事関係は生徒会が主催しているそうです。
シスター制度を利用したいけれど、上級生と面識が無い。まだ見ぬ素敵な先輩と出会えるかもしれない。そのような人達のための催しなのだそうです。
シスター制度は絶対ではありませんが、独り身の生徒は絶対参加です。彼方先輩からの情報を得ているので、光お姉様が絶対にこの場にやって来る事は分かっています。
お姉様はとても魅力溢れる方なので、取り合いになるかもしれません。私が競争に負ける可能性もあるでしょう。ですが、お姉様の魅力が分かる人なら、とても良い友達になれるでしょう。
そしてこの行事は、学年を越えた生徒達が集まる数少ない出会いの場。お姉様目当てで無くても、参加をしておいて損は無い行事でした。
生徒会長の短いあいさつの後、交流会は始まりました。
私は集まった生徒達を見て、その参加者の年齢の幅広さに驚きました。
「和美さん、初等部の子も居ますよ。初等部の一年生からでも制度を利用出来るのですか?」
「学院に居る全ての生徒が対象だからね」
「そうなんですね。もしかして、和美さんも以前はシスター制度を利用していたのですか?」
「私もふーりんも初等部の頃はしてなかったよ。その頃は、制度関係無しに六年生や五年生の子が下級生の世話をしてくれてたからね。よっぽどの繋がりが無いと、小学生の頃からシスター制度を利用する人はいなかったね」
「そういうものなのですね。あれ、あそこにふーりんとエミリー先輩が居ますよ。既に二人はシスターのはずなのに。声をかけてみましょう」
和美さんを引っ張り、二人の元へ向かいました。
「エミリー先輩、ふーりん。こんばんは」
「陽子さん、和美さん、こんばんは」
「二人とも、先ほどぶりですね」
挨拶を交わし、私は早速疑問を二人に投げかけました。
「二人はどうしてこの場に? まさか、関係を解消したとか!?」
「そうではありません。陽子さんが心配で足を運んだのよ」
「私を気にかけて?」
以前も心配し、その理由を話してくれましたが、交流会にまでやって来るとは思っていなかったので、小首を傾げてしまいました。
「ほら、以前にお姉様が言っていたでしょう。お相手が見つからなければ、シスターになっても良いと」
ふーりんに言われ、確かに言われていたと頷きました。
「ええ。あの時の言葉はとても嬉しかったです、エミリー先輩。ですが、先輩に気遣っていただく必要が無くなりました。実は昨日、私の憧れている方が交流会に現れると分かったのです」
「あら、そのような方が居たのね。それはおめでとう」
相手が見つからないのではと心配していたエミリー先輩は、心から祝福してくれました。
「今日何度も聞いた、光お姉様ですね」
「ひかり……?」




