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さあ、ワルツを  作者: 鰤金団
サプライズお姉様っ!!
120/182

120 役目、世代を超えて…… とは言っても、感動はありませんよ。後、私は悪くありません

「それにしても、何時の間にか彼方が妹を作ってるとは思わなかったわね。似合わないって言ってたのに」

「そうだったんですか? あたし、いきなり誘われたんですけど」

 和美は光お姉様の言葉に驚いていました。私も、突然の姉妹宣言に驚いた側だったので、意外に思いました。

「私も義務だからって感じで交流会に参加したんだけどね。エミリー達と陽子さんを見てたらさ、これは一人じゃいけないって思ってさ」

「あたし、そんなに危ない感じでした?」

「いやいや。あの時にも話したけど、和美が苦労するなって思ってね。それでほっとけなかったのさ」

「確かに、この中だと一番苦労しそうね。去年の彼方ポジションね」

 場の全員の顔を一瞥し、納得する光お姉様。


「酷いですよ、光お姉様。それでは私達が迷惑かけているみたいじゃないですか」

「そうです、先輩。私は迷惑をかけていません。私は」

「ふーりん、それでは私だけがトラブルメーカーになっているみたいなのですが……」

 お互いに問題を起こしてはいないと主張する私達。

「申し訳ありませんが、陽子さんにはかなり振り回されているので……。私は陽子さんの言葉に同意出来ません」

「そんな事ありませんよ。何時、私が二人を巻き込みました?」

 ムキになって訊ねると、ふーりんと和美は顔を見合わせました。

 そして、和美が言います。

「陽子、胸に手を当ててみて?」

 言われた通りにしてみました。

「心臓の鼓動を感じます」

 特に気になる事はありません。私は健康ですから。

「他には?」

「不自然な所はありません。私は元気ですよ」

 そう答えると、和美は、フゥーと息を吐きました。


「な、なんですか?」

 そんな反応をされると、不安になります。

「いやさぁ、無自覚かぁって思って。放課後、一緒に病院に行こう。あ、心臓じゃなくて、頭の方のね」

 かなり辛らつな事を言う和美。

「大丈夫ですよ、陽子さん。私も付き添いますから」

 ふーりんも、急に眼が優しくなりました。

「あ、ふーりんは精神科ね。大丈夫。あたしのかかりつけの病院の中に入ってるから。二人なら通いやすいよ」

「私もですか!?」

 不意を突かれ、驚くふーりんでした。

「ふふ、やっぱり苦労してるみたいね」

「だって、あのエミリーの妹と陽子さんだからね」

 光お姉様と彼方先輩は、自分達の目は確かだったと、私達後輩組にとっては嫌な方向で満足げな表情をしていました。

「ちょっと、二人とも。あのとは何ですか? 何故そこで私の名前が出るのです?」

 唯一、名前の出たエミリー先輩がお姉様達に詰め寄ります。

「おっと、自覚の無い人がもう一人居るわ。彼方、出番よ」

 全て頼んだとばかりに、彼方先輩に任せるお姉様。


「ちょっと、面倒事を私に投げないでくれる」

「何言っているの。私達の間での世話係はあなたでしょ?」

「勝手に係に任命しないで」

「ちょっと、私だけが迷惑をかけているような扱いをするのはお止めなさい。迷惑なら光の方がかけていたでしょう」

 それを聞いて、光お姉様は笑いました。

「お嬢様の目は節穴でいらっしゃる。後、記憶に問題があるようですね。私のは巻き込まれただけ。ライカの妹という事で、どれだけ面倒事を頼まれたか」

 お姉様は思い出し、心の底からうんざりした表情をしていました。

「そのお話、是非聞きたいです。聞かせてください」

 純粋に面白そうでした。それとお姉様の活躍が知りたいと、頼みました。

「そのうちにね。少し会話が弾み過ぎたわ。早く食べないと、そろそろお昼休みが終わってしまうわ」

 時計を取り出して確認すると、本当にギリギリの時間でした。


「さあ、お嬢様らしからぬ食べっぷりを見せてちょうだい」

 一人だけお手軽にゼリー飲料をゴクゴク飲んで済ませるお姉様。

「癪ですが、光の言う通りです。急ぎましょう」

 その言葉を実践するように、エミリー先輩が動きました。それからふーりん、和美、彼方先輩と続きます。

 出遅れた私も急いで食べ始めました。

 そんな急ぐ私達の姿を見ているお姉様は嬉しそうでした。

 光お姉様のドSっぷりが堪らない。そんなお昼でした。

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