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さあ、ワルツを  作者: 鰤金団
期待と待望の交流会
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12 充実した日々 けれど風が吹く

入学から二週間が立ちました。

 最初の週は、学院での新生活に大忙し。まさに目が回る日々でした。

 この学院の授業の一回目は、一年間で学ぶ範囲の説明でした。中学時代までは、教科書一冊を一年で終わらせる流れでしたが、ここでは違います。二冊、多ければ四冊ほどの教科書を一年で終わらせるのです。授業だけではとてもついていけないので、予習が必要になります。

 先生は、ここは何回分の授業で終わらせるという計画を私達に教えるのです。

 自習も欠かす事は出来ません。私の場合、成績を維持しなければ学院に居続ける事が出来ないので、かなり必死です。初回の授業時間を目いっぱい使っての説明に、私は戦慄していました。


 ですが、何とか乗り切れたのは、寮の部屋の同居人が和美さんだったからです。

 普段の振舞いでは余り感じさせませんが、彼女もお嬢様。

 私が礼儀作法で困っていると、さり気無く手本として動いてくれる心配りをしてくれます。そして、部屋に戻ると丁寧に教えてくれたのです。


 特別授業に関しては、ふーりんが助けてくれました。

 クラシックや踊りといった、私には余り馴染みの無い部分を教えてくれました。

 私を気にかけてか、ふーりんと同室のエミリー先輩も時折やって来ては、差し入れにゼリー飲料をプレゼントしてくれました。


 二週目に入ると、本来の学院生活が始まりました。

 一週目では出来なかったクラス内交流を、積極的に行うようにしました。

 ふーりんがきっかけを作り、その助けを得て、少しずつ友好の輪を広げている所です。

 二週目の終わりになると、学院での生活に体が慣れてきたので、不安もかなり減りました。

 だからでしょうか。気がかりについて考える時間が増えました。


 それは、エミリー先輩と出会ったあの日の事。

 あれ以来、私はあの人の姿を見かけられていません。

 ふーりんならと思い、私はあの人の特徴を上げて尋ねました。

 ですが、綺麗な黒い長髪の生徒はたくさんいるので、これだけでは見つけられません。

 他に何か言えれば良いのですが、去年の一度だけ出会った時の記憶と現在の姿が合っているとは言えないので、外見の事しか説明出来ないのがもどかしいです。

 記憶は今でも鮮明に覚えていますが、人の記憶は捏造されていくもの。私の記憶が何度も思い出している内に美化されている可能性もあるのです。

 スッキリしない状況を解決しようと、学院内を歩いたりもしました。ですが、結果は変わりません。

 実らぬ日々に滅入ってしまいますが、そんな時は、気分転換に寮の外へ出て、風にあたるようにしました。

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