119 全員集合 喜びと涙の昼食会
「二人とも、光お姉様が話すのは当たり前の事ですよ。ねぇ、お姉様?」
私は、先程のショックを癒すという建前でお姉様の横に座り、じゃれつくように身を寄せました。
「こらこら、擦りつけない。友達の前でも恥じらいは持ちなさい」
そんな私を引き離そうと、お姉様が私の肩を押しましたが、今のお姉様の力では、私は剥がせません。
「では、二人っきりの時なら良いと?」
意外に大胆、と上目づかいで瞼をパチクリさせてお姉様を見つめました。
「馬鹿な事してないの。そんな事はさせないし、やらせない。仮に妹が居ても、私は甘やかしません」
「厳しいお姉様も素敵だと思います」
私はどちらでもウエルカムなのです。
「ねぇ、皆。この病気の子はどうしたら治ると思う?」
自分には手に余ると、お姉様が助けを求めました。
「光、彼女はもう手遅れだよ」
彼方先輩の言葉に、他の三人は無言で頷きました。
「って、いやさ、病気な人の事は今は良いよ。それよりも光先輩だって」
話を戻そうとする和美。彼女達的にそういう状況なのは理解出来ますが、病気な人認定は酷いと思います。
「和美さん、フレデリカさん、騙していてごめんなさい。実は先日、元気になったの」
種明かしに手を振ってお道化てみせる光お姉様。
その姿が可愛らしく、胸が締め付けられました。
「先日、ですか? それはもしかして、エミリーお姉様が目を赤くしていた日ですか?」
「ふふ、その日ね。因みに、エミリーはなんて話したのかしら?」
事実をありのままに表現しただけですが、お姉様的にはその表現がおかしかったのでしょう。
私達はすぐに思いついて、サプライズ企画を提案しに行ったので、先輩達は妹への説明に悩んだに違いありません。その誤魔化しの理由は、きっと面白いものになっているはずなので、お姉様と同様に興味がありました。
「目にゴミが入ってしまい、涙が止まらなくなったと」
「両目に入ったゴミが取れなくて、かなり苦労したでしょうね。ね、エミリー?」
弄る気満々で、お姉様はエミリー先輩に話を振りました。
「そうですね。あの時は本当にどうしようかと思いましたわ」
「あ、そのままで突き通すんだ? 流石ね」
動揺すら見せないエミリー先輩に感心するお姉様。
「全く、底意地が悪いのは変わりませんね」
慣れた振る舞いだとばかりに、呆れるエミリー先輩。
「誰かに、散々巻き込まれで苦労させられたもので。そりゃあ、悪くもなるわ」
「何を言いますか。あなたの場合、元からだったではありませんか」
「それもそうね」
過去の出来事も、今では懐かしいとばかりに笑い合う光お姉様とエミリー先輩。
「彼方お姉様、これは凄い光景って感じがする……」
「二人は何時もこんな感じだよ」
和美に話を振られ、答える彼方先輩の目は潤んでいました。
こうして三組の姉妹が揃った昼食会が始まりました。




