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さあ、ワルツを  作者: 鰤金団
サプライズお姉様っ!!
118/182

118 驚愕 私、する側だったはずなのに……

「お姉様、光先輩、こんにちは」

「先輩達、こんにちは」

 変わらず接する二人。

「こんにちは」

「待ってたよ、二人とも」

 お姉様達も普段と変わらない振る舞い。違和感が無いので、二人は役者に向いているかもしれません。


「光先輩、体調は大丈夫なんですか?」

「エミリーお姉様の様子もおかしかったので、心配しているんですよ」

 それぞれ、光お姉様を気遣う二人。

「元気になりました」

 病んでる時の演技がとても自然過ぎて、お姉様が戻ってしまったのかと心配になるほど。

「確かに、肌艶も良くなってますし、良かったです」

 ふーりんがホッとしていました。

 確かに、血色が良くなっていますが、ほんの少しだけです。それを見抜くだなんて、ふーりんの観察眼は凄いです。

(さてと、二人のあいさつも終わったみたいですし、そろそろ私も出て行きましょう)

 二人がどんな表情をするのか楽しみです。

「みなさーん、遅くなってしまってすみませーん」

 急いで来た風を装って輪に入ります。


 するとふーりんと和美が、口々に言いました。

「不自然」

「不自然です」

 それを聞いた彼方先輩は噴き出し、光お姉様は頭を抱えていました。

「え? え? 何処がですか!?」

 納得いかない私は説明を求めました。

「まず、息が切れていません。急いで来たというのに服装が整い過ぎています。普段は見せない振舞い。そして何より、言葉がぎこちない。つまりは棒読みだという事ですよ」

 背後からの怒涛の指摘。背後を取った人物の正体を見るために振り返ると、エミリー先輩が居ました。

「ど、どうしてあなたがここに!?」

「それは私が呼んだからよ、陽子さん」

「お姉様が!? どうしてですか?」

「後輩と同級生の仲を改善しようと思ってね」

 にこりと笑顔。私に向けられていると思うと、爆発しそうになります。ですが、ここで爆散する訳にはいきません。

「この人とは顔見知り以上の関係を求めていませんよ。仲良しこよしなんてしたら、ふーりんに何をされるか……」

「私、何もしませんよっ!?」

「いえ、私の危機管理センサーがビンビンに反応しています。何かされると」

 一人、のけ者的な空気になるのがいけないのか。それとも、エミリー先輩と二人だけのやりとりをするのがいけないのか。そういう時にふーりんが近くに居ると、時折身の危険を感じます。


「私を求め、私のために争そう妹達……。ちょっと良いかもしれないですね」

 私達のやり取りを聞き、悪女の片鱗を見せるエミリー先輩。これは早めに手を打った方が良さそうです。

「そこの人、危険思想は止めてください。それと、私はあなたの妹ではありませんよ」

 先ほどよりもフーフー言っているのは、背後の人に疲れさせられたからでしょう。

「連れないですね」

 不満そうなエミリー先輩。こんな火種を持ち込んでおいて、この人は何を考えているのでしょう。

「ふーりん。気付いたんだけど、姉を取り合うよりも重要な事が起きてたんだけど?」

 争いには不参加だった和美。彼女が最初に気付きました。

「エミリーお姉様の妹独占権よりも大事な事ですか? 何でしょう?」

 自分の姉より大事な事って何? という表情で訊ねるふーりん。

「妹独占権って何? いや、それよりも、光先輩が普通に会話に参加してるんだけど……」

「そうでしたか? 何時もの反応では?」

「それで済まそうとするふーりんの姉信奉が怖いよ。あたしは」

 私も和美の意見に賛成でした。


「エミリーもそんな感じだったわ。妹は姉に似るという事ね」

 光お姉様の言葉を聞いた二人は、互いの顔を見合わせ、目を丸くしていました。

「「光先輩が喋った!?」」

 二人の声がシンクロしました。

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