盗作について、された側として前向きに考えてみた
僭越ながら、活動報告で「盗作されちゃったよん」と「小説家になろう」の片隅で小声を上げておりましたところ、いろんな方からメッセージや、アドバイスをいただきまして恐縮しっぱなしのおばちゃんであります。いや……みなさま、本当にありがとうございますです。「小説家になろう」のユーザー様って、優しい方が多過ぎる気がします。うん、おばちゃん感動してますよ、心の底から。
……と、妙な前置きはともかくとしまして。あまりに稀有過ぎる状況だったもので、何をどう理解していいのか分からなかったのですが。これもいい経験と割り切り、おばちゃんなりにちょっぴり「盗作」について考えてみました。
創作活動において、多少の模倣はある程度仕方ないと思いますし、そもそも「オマージュ」や「パロディ」は私自身も手法としてよく取り入れております。それに関しては重々自覚しておりますし、「丸パクリ」にならないよう心がけている次第です。
しかし、今回の場合は「文章を丸ごとコピペ」という、ちょっぴりあり得ない状態での無断転載でして……。正直なところ「こんなことがあるんだね」と、された側としては呆然としたのを、今でもよく覚えております。しかし……傍点もそのままなのは、流石にどうにかしようぜ。なんだか、妙に間抜けになってるよん。
とまぁ、「盗作」や「無断転載」があまり良くない事だったとしても。そもそも作品自体が商業的な目的を伴わない部分もあり、目立った実害もないもので、(色々と面倒臭いし)盗作しちゃった方への追及も諦めてしまってはいるのですが。私としては、妙に不可解と言いますか……。どうして選りに選って私の作品が盗作されたのかが、よく分からないのです。
いや、だって考えてもみてください。
私の作品は盗作する旨味は間違いなく、ゼロですぜ? 作者が有名でもなければ、評価が尖っている部分もありません。基本方針として自分が好きで書いている+ブクマをくださった方に続きを読んでほしいという、とってもピュアな心で小説を書いております。そんな小説、盗作して何になる? リスクの方が高くない? ……と、おばちゃんは老婆心ながらに心配してしまうのです。
ま、まさか……闇属性の悪趣味に感化されちゃいました? だったら、すぐにでもお祓いに行った方がいいです。良からぬことが起こる前に(切実)。
※因みに……ピュアな心でコーヒーを吹いた方、その場で挙手しなさい。おばちゃん、これでも中身は乙女なのよん。異論は……うん、認めます。
とまぁ、されてしまった物は仕方ないと割り切りまして。どうして盗作されてしまったのかは、してしまった方にしか分からないと思いつつ。それなりに一般的な見識を齧ったところによりますと。大まかな事情としては「労力の削減」やら「憧れと羨望」やら、いろんな理由で世間様には「盗作」されたものが出現するようです。
確かに何をするにしても、0から物事を作り出すのは異常なまでの労力と時間を必要としますし、そうして作ってみたところで、大抵のものは既に「世の中にある」状態であることは否めません。創作活動の多くは、模倣と憧憬に支えられています。全くの真新しいものを生み出せる天才はそうそう、いません。
今回被害に遭った作品も、そもそも「オマージュ多め」を公言している通り、作者自身が好きな作品を参考にしてエピソードを組み立てているだけのものです。オリジナリティがあるとすれば、作品をピックアップできるだけの記憶と、小説や映画が大好きという趣味全開な脳内データベースのみ。あとは、作者自身の捻くれた思想というスパイス(激マズ)だけでしょうか。
そんなわけで、私自身も「憧れて真似しちゃう」心理はよーく分かります。分かり過ぎて、むしろ恥ずかしいです。……恥の多いおばちゃんで、すみません。
でも、その憧れは全てが全て悪いものでもありませんし、人間である以上は仕方ない部分も大いにあると思います。だって、人間は結局1人では生きていけませんもの。立派に社会性動物として世間様に溶け込むには「浮かない」スキルは結構、重要です。周りに馴染むために「真似をして」同化するのは協調性の顕われでもありますし、誰しも多かれ少なかれ、周囲の誰かを「オマージュ」して、場合によっては「パクって」うまーく、立ち回っているものです。みんなと一緒なのは、とっても安心ですからね。
と、そこまで考えて、ここはおばちゃんなりに「いいように解釈」することにしました。きっと「やっちまった方」は私の作品を読んでくれて、何かしら「真似したい」と思ってくれたのだと。沢山ある作品の中でも「印象に残った」から無断転載しちゃったのだと。手放しで許されることでは決してありませんが、そう思い込めば……あら、不思議。虚しさと怒りとが喜びに変換されるじゃぁ、あーりませんか。
うふふ。もしかして、真似したくなっちゃう程に面白かった? それだったら、おばちゃんは許してあげちゃう。その反応だけで、十分満足ですからね。
ただ……最後に一言申し上げるとすれば。「掲載したい」って相談してくれれば、前向きに考えたのにと思うのですよ。或いは「盗作」するにしても、もうちょっと上手くやればいいのにと、変な心配をしてしまうのです。知れっと作者名だけ変えても、すぐにバレると思いますし……。
小説を書くのはとっても楽しいことですし、反応があるのもとっても嬉しいことです。ですけど、それを手っ取り早く何の労力もかけずに得ようとするのは、いかんのです。どんなに微量でも、些細でもいいのです。自分の小説には、ほんのヒト匙のオリジナリティを是非に加えてほしいと思います。創作活動において、模倣はある程度は致し方ないこと。ですけど、同じ「テンプレ」だったとしても、自分らしさがあれば作品としては十分成り立つと、勝手ながらに思う次第であります。
何事も前向きに、そして自分が恥ずかしくならないように。ある程度、器用に立ち回れれば、それに越したことはないのです。
「小説家になろう」の片隅で生きているおばちゃんにも温かいメッセージをくださった、皆々様に謝辞をば。
最初は冗談抜きで落ち込みましたが、お陰様で変態的脳内変換(暗黒フィトンチッド搭載ッ!)を発動し、これからも前向きに創作活動が続けられそうです。
この場を借りて、改めて御礼申し上げます。
本当にありがとうございました。