小兎令嬢は肉食公爵たちに狙われる(2)
※「小兎令嬢は肉食公爵たちに狙われる」の続きとなります。
※先にこちらをお読みいただければと思います。( https://ncode.syosetu.com/n0790gs/ )
※獅子視点
俺はボリス。獅子公爵と呼ばれるレイジーナ公爵家の次男だ。
そして今。俺の隣ですーすーと穏やかな寝息を立てているのは、小兎子爵家のシャルロッテ。シャルという愛称を持った、まだまだ子供の小兎だ。
「んむぅ・・・」
ころんと寝返りをうつ姿を見て、思わず頬が緩む。可愛い。素直にそう思う。
元来、シャルのような下位貴族は、俺たち上位貴族にこれほど近づくことはない。もちろん、こんな無防備な姿を見せることも皆無だ。彼らにとって、俺たち肉食動物は捕食者。生存本能とは素直なもので、どれだけ虚勢を張ろうとも、震える体は隠せない。
故に、どれだけ可愛いと思っても、俺たちから近づくことはないのだが。
ツンと頬を突けば、鬱陶しそうに振り払われる。まだ目覚めない。
今度はふわふわの耳に触れてみる。ぴくりと動きはしたが、まだ起きない。
尻尾は・・・さすがにやめておこう。兎の尻尾は小さすぎる。セクハラになりかねない。
「本当に・・・お前は無防備だな」
困ったものだと思うけれど、そんなところも可愛いと思うのだから仕方ない。緩む頬を自覚しながらも、引き締めようとは思わなかった。
初対面の時から、シャルは俺を恐れない。すでに10を過ぎていた俺と違い、シャルはまだ4・5歳だったはずだ。子供の下位貴族は本能の塊。俺たちの気配だけでも脅えて泣き叫ぶような、そんな小動物のはずなのに。
シャルは笑顔で俺に触れた。恐れることなく、手を伸ばした。何度会っても変わらない。愛らしい笑顔を浮かべて、自分から傍に寄って来る。
今日だって、「新しく買ってもらった本を読んでほしい」と俺のところまで強請りに来た。無論断る理由などなく、シャルを膝に乗せて読んでやっていたら・・・当の本人は眠ってしまったというわけだ。
「はは、間抜け顔」
うにゃうにゃと口を動かして、幸せそうに眠るシャル。野生だったらとっくに食べられている無防備さに、だが、胸に灯るのは穏やかな感情だ。
何から何まで規格外なシャル。だが、俺にとっては嬉しい規格外。咎める理由も、怒る理由もない。ただただ全力で愛でるだけだ。
眠るシャルを見ていたら、俺まで眠くなってきた。今日は天気もいいし、シャルが起きるまではやることもない。俺もひと眠りしようか。
シャルの隣で体を丸めれば、自然と瞼が重くなる。こんな日がずっと続けばいい。そんなことを願いながら、俺もゆっくりと眠りに落ちた。
シャルが自分の耳と尻尾を消せるようになったのは、彼女が16歳になった時だった。少々遅かったが、これくらいならよくあること。むしろ、あのふさふさが見れなくなるのは悲しいと思ったくらいだ。
とはいえ、何も四六時中消しているわけではない。魔法の常時発動は負担がかかる。いつぞや俺の家に来た時のシャルはふわふわの耳のままで、密かに安堵した。
耳と尻尾が消せるようになると、貴族の世界では一人前。つまり、正式な場への出席が許されるようになる。
これは魔力の制御もできない子供は感情の制御もできないことが多く、上位貴族のいる場に来ただけで脅え泣くせいだ。上位貴族は、下位貴族の草食動物たちが好きだ。好きだからこそ、脅え泣く姿は見たくない。そのための精神的な成長の目安が、耳と尻尾の隠蔽ができることだった。
ちなみに。上位貴族と下位貴族が交ざったパーティーは、年に数えるほどしかない。感情の制御ができるからといって、大人が俺たちに脅えないわけではない。俺たちだって、無駄に脅えさせたいわけではない。
そのため、階級の交じった場では、会場に仕切りが設けられる。上位貴族と、下位貴族を分ける壁。お互いに自ら壁を越えることはしないが、お互いの様子が見れるように水鏡が用意されていた。
そう。区切ってあるはずなんだが。
なんでシャルが狼なんかと踊っているんだ!?
狼と踊るシャルを見つけた時の衝撃と言ったら、言葉にできない。全身の血が沸騰したかと思った。今すぐにでも奪い返しに行きたかった。けれど、ここは公式の場。喧嘩沙汰などご法度だと、なけなしの理性を総動員させて必死に耐えた。
何時間にも錯覚するほどの時間を耐えて、待って、すぐにシャルを保護した。何が起きたのかわかっていない様子のシャルを見た時は・・・どっと疲れが出た。
ああ、くそ。狼にバレた。俺たちにおびえない小兎。パーティー嫌いの狼がわざわざこんな場に来たということは、初めからこの子が目当てだろう。あいつが動く前に、何か手を打たなくては。
そう思っていたのだが。
「ねぇねぇ。君が可愛がっているっていう小兎、僕にも会わせてくれないか?」
なんで狼すっ飛ばして、竜王があいつに目を付けるんだ。
城からの、父でも兄でもなく俺への呼び出し。逆らえずに登城すれば、通されたのは謁見の間。目の前には我らが竜王陛下。背後には俺の父上。他の者はいないが、逃げ場はない。
そんな状態で、心の準備も挨拶もなくいきなりぶっこまれた本題に、俺はまともに顔をしかめてしまった。
「どこから聞いたんですか」
「そりゃあ、前のパーティーの参加者たちから。脅えながらも狼公爵と踊りきり、耳さえ隠せなくなった震える小兎を君が連れて帰った、って聞いたよ」
「・・・・・・」
ものすごく偏見が混じっている。混じっているが・・・間違えてもいないか。
狼と踊っている間、シャルはステップを間違えていたし、どこか焦っているようだった。踊り終わって保護してからも、耳を隠せない焦りでプルプルしていたし・・・シャルが俺を怖がらない、と知らないやつらから見れば、獅子が怖くて震える小兎にしか見えない、か。
客観的な評価としては間違えていない。甘んじてそれは受け入れよう。が、この情報だけでどこから「俺が可愛がっている」と思えるのかわからず陛下を睨み付ければ、
「怖い顔だなぁ。僕には弱者を守る義務がある。震える小兎なんて、放っておけないに決まってるだろう」
「・・・なるほど。父上に確認を取ったわけですか」
まぁ、そうなるか。父上はシャルが俺の元に遊びに来ていることは知っている。し、あの子は父上の前でも脅えを見せたことはない。父上も母上も小兎を気に入って、シャルが来るたびに菓子を与える程度には可愛がっていた。
そこからの竜王の呼び出し。おそらく、父上は可愛い小兎自慢を延々としたのだろう。心なしか顔色がいい、と思ったのはそういうことか。
「獅子一族に脅えないのなら、僕にも脅えない可能性があるだろう? 是非とも会いたい」
父上にどれだけ小兎自慢を聞かされたのかは知らないが、陛下の好奇心を刺激するには十分だったんだろう。余計なことしやがって。
嬉々とした竜王には悪いが、これ以上あの子の存在を広めるわけにはいかない。
「怖れながら、陛下への畏怖はまた別だと思われます」
この人は「竜」だ。幻獣といわれる、幻の一族。肉食動物である俺たちよりも上位に位置する、世界の頂点に立つ捕食者。
そのため、上位貴族の中でも面と向かって話せるものは少ない。公爵家はまだしも、侯爵家の箱入りの令嬢だと一気に飲まれる。自分たちでさえ食われる立場にあるのだと、そのことを思い出させてくれる。
そんな竜王が目の前にいて。下位貴族がまともに話せるわけがない。わけがないのだが・・・シャルは話せそうで怖い。絶対に会わせてなるものか。
「へぇ? そんなこと言っていいの?」
なんだ、その勝ち誇った顔。何であんたと会わせる必要があるんだ、という思いを込めて睨み付けたら。陛下はにっこりと微笑んで、
「僕のお墨付き、欲しくない? 小兎を手に入れようと思うなら、最強の方法だと思うんだけど」
「・・・・・・」
・・・・・・・・・・・・
「・・・・・・ずりぃ」
やっと絞り出せた言葉は、それが精いっぱい。ああ、くっそ、ほんとずるい! ずるい!!
下位貴族と上位貴族は、仕事上の付き合いのみだ。恋愛結婚なんてありえないし、もちろん、政略結婚もない。下位貴族とは守り、愛でるもの。可愛さに負けて下位貴族に手を出せば、他の貴族たちから容赦ない袋叩きにあうだろう。
守るべきものは必ず守る。それこそが俺たち上位貴族の誇りなのだから。
だから、最初から諦めていた。彼女はいつか、別の下位貴族の男のものになるだろう。あんなにも可愛い小兎だ。いつまでも放っておかれるはずがない。
相手が下位貴族であれば、祝福できた。可愛い小動物同士だ。並び立っても愛らしいものになるだろう。俺は兄のようにあの子を見守るだけ。それが俺にとっても、シャルにとっても最善なのだとわかっている。
そうするべきだと、わかっているのに。
もし。もし、陛下がシャルを認めてくれるなら。彼女は問題ないと、お墨付きをくれるなら。
長い間閉じ込めていた想いを叶えることが・・・可愛い小兎を俺の物にすることが、夢ではなくなってしまうじゃないか。
「決断してくれたようで何よりだ。じゃあ、一ヶ月後のパーティーで会おう。小兎、ちゃんと連れてきてくれよ?」
陛下の勝ち誇った顔が気に入らない。気に入らないけど。
もはや「YES」以外の返事など、考えられなかった。
◇◇◇◇◇
※小兎令嬢視点
あのパーティーの後。私の周りは、ちょっとしたパニック状態だった。
私とボリス様の仲を知っている両親ですら、最初はまったく話が通じなかった。顔を合わせるなり泣きながら抱きしめられ、お父様には「離れて悪かった」と謝られ。なんでそんなに慌てているのかわからず、逆に混乱してしまった。
謎が解けたのは、それから数日たった後。仲の良い令嬢たちとのお茶会の時だった。
「シャルロッテ様が連れていかれるのを見た時、死んでしまうのではないかと思いました」
「全然戻ってこられなくて、パーティーどころではありませんでしたわ」
「本当に怪我一つされてないのですか? 今日も無理されておりませんか?」
などなどなど・・・同年代の令嬢たちに矢継ぎ早に尋ねられ。そこでやっと「怖がるのがテンプレだったのか」ということを知ったのである。
冷静に考えれば、それはそうか。いくら顔がよくても、相手は狼公爵。怖いと噂の狼一族。知らなかったとはいえ、失敗した。興味持つ素振りなんてするんじゃなかった。大失敗だ。
でもまぁ、私にとっては過ぎたことだ。令嬢の皆様には「ボリス様が庇ってくれたので大丈夫」という話をして、いつも通りのお茶会を楽しんだ。いつも通りの私を見て、彼女たちもきっと安心してくれたと思いたい。
それから数日して、獅子公爵家から一通の手紙が届いた。中には王城からのパーティーの招待状と、ボリス様からの一枚の手紙。
『獅子公爵家の顔を立てると思って、一度だけ付き合ってほしい』
ボリス様にそう言われたら、断る理由なんてない。前回のことがあったから両親からはとても心配されたけど、私は参加のお返事をした。
それが約一ヶ月前の話である。
そして、パーティー当日。
私は今。ボリス様と一緒にやってきた会場で、竜王陛下の角を撫でまわしています。
「ふおおおおお・・・」
なんだこれ。初めての感触だ。動物の角なんて前世でも触ったことなかったから、初めて触れたのが竜の角だと思うと感慨深い。角ってこんな感じなのか。
硬い。それはわかっていたけど、すごく硬い。つやつやしているのかと思ったけど、どちらかというとゴツゴツしている。遠目からではわからなかったけど、小さな突起で覆われているようで、気を付けないと指を切ってしまいそうだ。
それでも撫でる手を止められない。だって、竜だ。竜の角だ。前世では想像上の生物と言われ、それでもファンタジー物には必ず出てくる、誰でも知っている圧倒的な強者。地域によっては神とさえ呼ばれる竜が、今、目の前にいるのだ。興奮するなという方が無理に決まっている。
私が陛下に触れている間、パーティーに参加している上位貴族の人たちはじっと私たちを見ていた。獅子公爵だけじゃない。狼公爵に鷲公爵、その他にもたくさんの公爵・侯爵家の人たちが私たちを静かに見ている。
まぁ・・・陛下だもんね。私が無礼なことをしないか見張ってるんだろう。・・・陛下自身の許可はもちろんあるとはいえ、触りすぎたら無礼になっちゃうんだろうか。あれ?
「シャル。そのくらいにしておけ」
疑問に思うのとほぼ同時に、ボリス様が待ったをかけてくれた。その言葉に素直に従い、陛下の角から手を離す。
「触らせてくださって、ありがとうございました」
もちろん、お礼を言うのは忘れない。大満足です、とはさすがに言えなかったけど、笑顔で陛下から離れてボリス様の隣に戻る。
私が触っている間、陛下の表情は見えなかったけど・・・ボリス様の隣に来たことで見えた陛下は、なんだかとても楽しそうな顔をしていた。
「すごい子を見つけたな、ボリス」
「・・・お陰様で」
ボリス様の声が低い。なんだか複雑そうな声が心配でボリス様を見たけど、困ったように笑われるのみ。
・・・なんだろう、嫌な予感がするぞ。
「よし、彼女なら問題ないだろう」
それに加えて、陛下のこの言葉。
思わず身構えたけど、陛下は私ではなく、その場にいる全員に響く声で高らかに宣言した。
「シャルロッテを例外と認め、我々の傍にあることを許可しよう。ただし、例外はシャルロッテのみだ。彼女の親・兄弟、その他の小兎一族は含めない。もちろん、他の下位貴族たちもだ。他にも彼女のような者がいるというのなら、直接僕の前に連れてこい。僕に触れられるのならば許可しよう」
シンと静まり返った会場に、陛下の声だけが響く。が、言葉はわかるのに、その意味がちっとも分からない。
例外? 許可? 何のことだ? 我々の傍? 我々って竜王陛下のことだよね? 陛下の傍にいる人は選ぶ? どういうこと?
訳が分からな過ぎてきょとりとしていたら、ばちりに陛下と目が合った。陛下は穏やかに微笑むと、
「君が誰を番に選ぶのか、楽しみにしているよ」
「・・・・・・はい?」
番? 番って言った? 誰の? 君って・・・え、私?
あまりの出来事に、理解がまったく追いつかない。わからなすぎてぽかんとしていたら、
「シャルロッテ」
名を呼ばれ、急に腕を引っ張られた。強すぎる力に引っ張られるままに引き寄せられれば、そこには狼公爵の姿がある。
「狼公爵?」
「ヴィンセントだ。名で呼んでくれ」
「はぁ・・・」
そうは言われても、狼公爵に会うのは今日が二回目だ。流石に気安く名前で呼べるほど、私の度胸は据わっていない。
何とも言えない返事だけを返して、狼公爵に掴まれたままの腕を見る。うーん・・・痛い。流石は肉食動物。力が強い。みんなが「狼公爵は怖い」って言うのは、こういうところなんだろうか。
さて、なんと言えば放してもらえるだろう、と考えた時。掴まれた腕に、更に力が込められる。あまりの強さに、思わず眉根をしかめてしまった。
それだけじゃない。また強く引っ張られて、狼公爵との距離がゼロになる。彼の端正な顔が近づいてきたと思ったら――
ぶすりと。首筋に何かが刺さる音がした。
「ぃったあああああああ!!」
何が起きたのかは見えなかった。見えなかったけど、何が起きたのかはすぐにわかった。
なんでいきなり狼公爵が噛みついてくるの!?
あまりの痛みと驚きに、今まで出したこともないような音量の声が出た。と同時に、狼公爵の腕を払うことに成功する。自分でもどうやったのかわからない。けど、火事場の馬鹿力で自由の身になった私は、
「シャル!!」
自分を呼ぶ切羽詰まった声に従い、広げられた腕に逃げ込んだ。
「い、いま、がぶって、がぶってええええ!!」
「わかってる。少し我慢だ」
狼公爵に噛まれた場所にボリス様が触れる。温かい、と思った次の瞬間には、感じていた痛みがすべて引いていた。
魔法で治してくれたのだと。そう理解した途端、全身から力が抜けた。
な、なんだったんだ・・・なんでいきなり噛みつかれなきゃいけないの・・・うう、まだ変な感じがある。痛みはないけど、噛みつかれたという衝撃から抜け出せない。
けれど、安心するのはまだ早かった。噛みつかれたのと同じ場所を、今度はぬめりとした感触に襲われる。
「ひゃう!?」
また変な声が出た。が、今度はボリス様にがっちりと抱き込まれているから、逃げ出せない。
何が起きてるの!? え、何されてるの!?
怖くて見たくないけど、そうも言っていられない。恐る恐る視線を肩へと向けたら。
ばちりと。ボリス様と目が合った。私と目が合って、ボリス様はにやりと見たことのない顔をして・・・
見せつけるように、赤い舌が、私の首筋を・・・
「!!!!」
舐められてる! 舐められてるううううう!!
なん・・・なん・・・なん!?!?!?!
混乱しすぎて言葉が出ない。というか、身動き一つとれなくなった。なんで・・・なに・・・え、ほんと何!? 何が起きてるの!?
「子獅子!! 彼女が困っているだろう、放せ!!」
「問答無用で噛み付いたお前に言われたくねぇよ。野蛮な狼め」
「己の行動を見てから言え!!」
「ハッ、シャルから飛び込んできたの見てなかったのか? そのまま耄碌しちまえ」
二人が何か言っているけど、一切理解できない。舌戦のため舐められるのは止まったけど、身動きできないことに変わりはない。誰かどこかに助けはないの!?
・・・あ、そうだ! 陛下! 竜王陛下ならボリス様を止めてくれるのでは!?
そう思って、固まった体を何とか動かして陛下を見れば。
ものすごく楽しそうな笑顔で、唇だけが動かされた。音はない。けれど、ゆっくり動かされたから、何を言っているかはすぐわかった。
が ん ば れ
前門の狼、後門の獅子。助けはなし。
何処にも逃げ場のない私の頭は真っ白になり・・・・・・そのまま気を失ってしまった。
教訓。
肉食動物怖いよおおおおおお!!
前作へのブクマ・評価・感想などありがとうございました。
続きを、と言っていただいて嬉しかったので、また書きたいところだけ書いてみました。
お楽しみいただければ幸いです。
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(追記)
小兎視点だけだとわかりにくいので、本編最後の部分の補足をさせてください。
・狼公爵
本気で噛むつもりはなく、甘噛みしたつもりでした。
ただ、小兎が甘噛みにも耐えきれないほど脆く、予想しなかった深さで噛んでしまい、びっくりして小兎を手放してしまいました。
(小兎は自分で逃げたと思ってますが、狼公爵が手放しただけです)
・獅子
小兎が脆いことを知っているので、甘噛みだろうと噛みません。
かといって狼公爵にやられっぱなしは嫌で、つい舐めてしまいました。
「血がついてたし、毛繕いくらいいいだろ」と開き直ってます。
・竜王陛下
狼にとっての甘噛み、獅子にとっての毛繕いが愛情表現であることを知っているので、止める気が全くありません。
もちろん、小兎が狼や獅子の愛情表現を知らないことも気付いており、「すれ違い面白いな」と思ってます。