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波の詩

丘へ至る粒


皆んな皆んな丘に行けばいいのよ。

あの海の上の丘、黒い老人の海。


針塗れで足の裏から血を流しても丘の上に苦痛と後悔を噛み締めて登り続ければいいの。


永遠に届かない心綺楼みたいな座標へと、太陽の輝きを受けず、息吹を感じず絶望すら捨てた最悪の究極に到達したものだけが死ねるあの丘へ。


あぁ、天使がガラス瓶できっと彼らの血を汲むのでしょうね。


大衆に見えるように雨の日はそれを混ぜて天を黒く、赤くまるでトランプみたいに染め上げるのよ。


それでも笑顔を見せる人間は両足がヒルのようにぷよぷよになって、美しいものは嫉妬のように醜くなる。


真なる丘に辿り着けるのは真反対に進める人間だけよ。救済でない力の一定性と時間反転対称性が確約された時だけ。


始点と終点は確定している。


丘には皆んなたどり着く。

二重スリットを通る罪が完全に不規則で、再現不能だったとしても終点は変わらない。


測定されない限り、光で見ない限り。


丘はある。

人々は苦しむ。

だから、もっともっと苦しめばいい。

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