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紬ちゃんは驚かせたい  作者: ミズヤ
第一章
14/16

第14話 とても空気な紬ちゃん

 俺と茅良木さんは早速テレビの前に座って茅良木さんが持ってきたゲームをやっていた。

 そして結由ちゃんはと言うとお行儀良く座布団の上に座って正座してお茶を飲んでいた。

 とても絵になる図だな。と横目で見ながらゲームを続ける。


 まぁ、そんな集中してない状態で勝てるほど甘い敵では無い茅良木さんには惨敗するんだけども。


「結由ちゃんはそこから見てるだけで良いのか?」

「はい! 私は見てるだけで楽しいです」

 にっこりと笑うと、その周りがキラキラと輝いた様に見えた。可愛すぎる。

 だが、この可愛いは恐らく世間の一般的な評価であるからして、俺がここで可愛いと思ったとしてもロリコンとはならないのだ。

 逆にこれを見て可愛いと思わない方がどうかしてると思う。


 だが、ただ単に客人にゲーム画面だけを見せるってのも申し訳ない様な気がする。

「結由ちゃんもやってみる?」

「え? 良いんですか!?」

 目がキラキラと輝く結由ちゃん。

 やっぱり女の子は感情豊かな方が良いよ。表情筋とかも柔らかくて表情で感情が分かりやすい女の子の方が可愛いと思う。


 お隣に海ちゃんさん(もとい)、空って女の子が住んでるが、偶に会っても何考えてるか、瞳の奥の感情とかが全くわからない。

 と言うかある意味感情表現が豊かなのかもしれない。怒ったらリュックからパンチが飛んでくる。恐ろしい女の子だ。リュックからパンチが飛んで来るって……そんな女の子、他には居ないと断言できるねっ!


「え、えっと……」

 暫く見ていると結由ちゃんが操作に四苦八苦していた。

「結由ちゃんはゲームした事ある?」

「ありますよ?」

「へぇー。普段どんなゲームやるの?」

 なんか結由ちゃんのイメージだとなんか可愛らしいゲームをやってそうだ。

 俺達みたいな血の気の多そうな子じゃないからな。

「えーと、普段はファーストパーソン・シューティングゲームですかね?」

 ん? なんか予想外の単語が聞こえてきたような気がしたんだけど?

 ファーストパーソン・シューティングゲームってつまり、

「それって」

「はい。俗に言うFPSゲームって奴ですね」

「「……」」

 俺と茅良木さんは共に黙ってしまった。


 まず、FPSゲームを正式名称で呼ぶ人を俺は初めて見たし、FPSゲームって言うと、一人称視点のシューティングゲームだったはずだ……。あれ? 結由ちゃんってまさか俺達よりも血の気が多いんじゃ? そうだとしたら俺の中での結由ちゃんのイメージが崩れるっ! 返して! 俺の天使を返してっ!

「あ、あの、お姉ちゃんが好きなのでそれしか無くて、必然的に」

 そういう事か!

 安心したわ……。だが、今の結由ちゃんを作ったのは管理人って事か……。結花さん! なんて事してくれるんだぁっ!


「まぁ、なら操作方法を教えてあげるよ」

 そう言って俺は背後から結由ちゃんの手を掴む。

 すると結由ちゃんは「ひゃっ」と可愛い声を出した。横にいる茅良木さんの視線が冷たくなったような気がする。

 だが何故か一番近いはずの俺の耳には聞こえず、俺は説明を始める。

「まず、ここをこうするとこう動くんだ。で、技の使い方がこれとこれとこれ」

「け、結構複雑なんですね」

「ああ。だけど決まった時、凄い気持ちいいぞ?」

 これだから格闘ゲームは辞められない。


 初心者の内は難しいかもしれない。だけど慣れてくるとめちゃくちゃ面白い。これが格闘ゲームの醍醐味(だいごみ)だ。

「ペドマさんは技をロリにキメないようにしてくださーい」

 横からからかう様なテンションでそう言ってくる茅良木さんだが、目が! 目がゴミを見るような目になってますよ茅良木さんっ!


「なんか……私空気……」

 背後で空中にて体育座りをしている紬ちゃんがそう言った。

 だが俺は聞こえないフリをする。反応したら絶対絡まれるからだ。

 しかもこの中で唯一触れるのは俺だ。絶対俺が一番被害を(こうむ)る。


「さて、なんか腹減った」

 そう言えば、今日も一応午前授業だったため飯を食っていないのを忘れてた。

 どうしようかな?


 そういや、ダンボールにポテチ入ってたっけか? ……絶対に体に悪い。

 じゃあなんか作るか……。

「二人とも何か食べるか?」

 俺が聞くと、二人とも何も食べずにこっちに来た為、お腹が空いているらしく、首を縦に振った。


 そして二人とも手伝うと言ってきた。

 最初は断ったものの、押し切られて手伝ってもらう事に。

「わ、私も手伝います!」

 紬ちゃんがこのままではみんなに忘れられるのでは? と心配したのかすごい勢いで手を挙げた。


 だが、

「お引取りを」

「紬ちゃんは何もしないでいてくれると助かるな〜」

「えと……その……右に同じです」

 満場一致で紬ちゃんにはじっとしていてもらう事に。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「完成だな」

「はい!」

「うわ〜美味しそー。優斗君、結由ちゃん! 早く食べよ?」


 俺たちが作ってたのはパスタだ。

 俺がパスタ好きだからちょくちょく買い足していたのだ。俺の冷蔵庫にはパスタは常備してある。


 で、今回はコンソメのスープパスタにしてみました。

 俺はスープパスタなんて小洒落(こじゃれ)た物なんて作った事ないが料理のプロ基、結由ちゃんが一緒に作ってくれたから問題ないだろう。


 いただきますと手を合わせて食べる。

「うまっ! これ、今まで食べてきたどのパスタよりも美味しいよ!」

 茅良木さんが感嘆の声を漏らした。


 確かに美味い。いや、美味いってものじゃないな。普通に店出せるレベルの美味さだ。

「んー。美味しいです〜」

 結由ちゃんも幸せそうにパスタを食べる。


 昼からこんな美味い物を食べられるなんて、俺は運がいいな。

 俺は一瞬、ロリコンと罵られるのを代償にこんな美味い飯を食えるなら別に罵られても良いかな? と思ってしまった。

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