1日目
ピピッ、ピピッ
目覚まし時計のアラームが部屋に響き渡った。
一瞬、何事だと夏生はまだ寝ぼけているであろう頭で
考える。少し、してこの音は目覚まし時計だということに
気が付く。。
そして、夏生はまだ少し重い瞼を開け
音がなっている目覚まし時計の方を見た。
_はぁ、まだ6時じゃないか。。
と夏生は先ほどと同じ仰向けの姿勢に戻り
二度寝をしようとした時異変に気付いた。
_あ、そういえばオレ
山梨に来てるんだった。
夏生はいつもとは違う見慣れない
天井を見て思い出した。
〜1週間彼女〜
お年寄りの朝は早い。
これが、毎年山梨に遊びに来ていて思ったことだった。
別に、山梨に来てなくてもお年寄りは朝が早いなんて
誰でも分かることだが、実際に目の当たりにするとやはり思う。
オレは眠い目を擦りながら一階のリビングに向かう。
夏生が寝ていた四畳半ある和室の部屋から
リビングまでは目と鼻の先。
ガラ、ガラ
少し古いのか
そのドアはスムーズには開かず
力を入れないと開かないくらい重かった。
朝から、力も入らず
夏生は自分が入れるギリギリの隙間まで
開け、そこからスルリと入った。
トン、トン、トン
包丁がまな板を叩く気持ちいい音がした。
音のする方を見ると夏生の祖母である二葉がキッチンで
朝ごはんの支度をしていた。
「あら、夏生ちゃん。おはよう。」
夏生が起きてきたことに気づき
笑顔で挨拶をする。
「あ、うん。おはよ・・。」
まだ、寝ぼけているのか
その目は半分閉じかかっていた。
「あらあら、顔洗って、
目、覚ましてきなさいな。」
夏生のそんな顔を見て二葉は言う。
「・・うん。」
眠そうな声で夏生は返事を返す。
テクテクと先ほど隙間を通り
洗面台まで向かう。
冷水で二回ほど、
自分の顔を叩く。それが、朝、目を覚ます夏生なりの
やり方だった。
ふぅ・・。
サッパリした。
眠そうな顔はすっかり晴れ
その顔には正気が戻る。
そして、リビングに戻り
「婆ちゃんちょっと、朝の散歩してくる。」
と言って
朝日がまだ顔を出し始めた早朝に外に出た。
日中は蒸し暑くなる山梨でも
朝は、涼しくそれはそれは快適なものだった。
特に行く当てもなかった夏生は
昔、よくおじいちゃんと犬の散歩で行った
道にしようと思い家の前にある
細い川が流れる道路道をゆっくりと歩いた。