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召喚士リルナのわりとノンキな冒険譚  作者: 久我拓人
冒険譚その2 ~お使いクエスト~

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11/304

~お使いクエスト~ 1

●リルナ・ファーレンス(12歳)♀

 召喚士 レベル1

 心:普通 技:多い 体:少ない

 装備・旅人の服 ポイントアーマー(肩&左胸) マント 倭刀(非装備)


●ルル・リーフワークス(12歳)♀

 学士見習い レベル1

 心:多い 技:少ない 体:少ない

 装備・学士の服 学士の帽子 森羅万象図鑑

 冒険者の店『イフリートキッス』。

 サー・サヤマ城下街に幾つも在る冒険者の店の一つだ。石造りの三階建ての建物に、大きな看板。店主は隻腕の妖艶美女、カーラ・スピンフィックス。彼女の趣味なのか、はたまたデザイナーは別にいるのか、イフリートキッスに所属する冒険者のピンバッチは赤いリボンの形だ。

 そんなイフリートキッスが他の冒険者の店と違う点、それは所属できる冒険者は女性のみ。それ以外は他の宿と同じであり、冒険者の店らしく1階が酒場になっていた。

 2階と3階は所属する冒険者の部屋になっており、2階の一角は談話室兼食堂として開放されている。もちろん、1階の酒場でご飯を食べても良いのだが、お昼近くになると冒険者の居男たち(カーラ目当ての男達)が溢れてしまうのだ。

 自然と2階が安息の地になるのは仕方のないことだった。


「何にしよっかな~」


 そんな2階食堂にてリルナはメニューとにらめっこしていた。ズラリと並ぶメニューの隣には数字が書いてある。もちろん値段だ。宿泊代に含まれているのは朝食のみ。昼食と夕食は自腹で払わなくてはいけない。


「ルルちゃんのオススメは?」


 本日もアルバイトを頑張るルルは学士の服の上からエプロンをしている。まだまだ入学金にはお金が足りないらしい。

 前回、リルナと共にゴブリンを退治した結果。特別にオキュペイションカードを作ってもらったらしく、『学士見習いレベル1』となっていた。メイン職業は空白で、サブ職業欄となっている。

 サブ職業は割と自由に設定できるらしく、商人から大工、はたまた天気予報士からダンサーまで十人十色なようだ。


「う~んとね、リンゴのパイ包み焼きかなぁ」

「それっておやつじゃないの?」

「おいしいよ?」


 う~ん、とリルナは腕を組んだ。

 今はお腹が空いている。なんとなくだけど、食べ応えのある物を食べたい。例えば、肉。肉とか。女子的にはどうかと思うけど。

 という考えを頭の中で繰り広げた結果、リンゴのパイ包み焼きは却下となった。


「う~ん、他にはオススメない?」

「え~。ダメ? リンゴ嫌い?」


 小首を傾げるルル。

 ハラリと零れる髪が可愛らしく、リルナは思わず頷きそうになるが、我慢した。

 食べたいのは、肉だ!

 そう自分に言い聞かせる。


「嫌いじゃないけど、お昼ご飯……」

「そっかぁ~」


 う~ん、とルルも腕を組んだ。

 どうやらリンゴ以外の選択肢を持っていなかったようだ。


「じゃ、これでいいや。ホットドッグ一個」

「あ、ごめんなさい。ウィンナーが在庫切れなの」

「え~、そうなの? じゃぁ……これこれ、お肉ごろごろたっぷりシチュー」

「あ、それも無いよ。材料切れだって」

「ざ、材料切れ……じゃぁこの肉の串焼き」

「それも」

「がーん」


 リルナは両手で頭を抑える。食べたい物が無いとなると、なんともテンションが下がる。大きくため息を吐きながら、リルナはメニューをルルに手渡した。


「もう~、何があるのっ?」

「ん~。木の実のアイスクリーム添えとかあるよぉ」

「うわーん!」


 ついにはリルナが立ち上がる。

 そのまま食堂を飛び出し、階段を駆け下りたのだった。


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