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少女と召喚士
「あっ貴方は……」
私はびっくりして口をぱくぱく。
黒いフードの人はそんな私を不思議そうに見てる。
これはどういうことなのだろうか?
この黒いフードの人は私が幻の中であったあの人に違いない。
でも恐らく、彼は私と初対面だろう。
訳がわからないが、とりあえず助けて貰ったお礼を言うことにした。
「えと……助けてくださりましてありがとうございます」
考えすぎかも知れないけれど、盗賊らしき人達を追い払ったあの呪文を唱えられるかもしれないので、逃げられるだけの距離を保つ。
だが、彼の気に障った様子はない。
「いえ、いいんですよ。これが私の使 命ですから」
私の手を取り彼は微笑む。
先程の荒々しい言葉遣いではなくなっているのに違和感を覚えるが、そんなことはどうでもいい。
「お初にお目にかかります。本日から、スフィー様にご同行いたします、シャダイ=アレスターといいます」
黒いフードの人、シャダイさんはニコリと微笑んだ。