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オマケ 後日談と大百科風とその後を簡単に

単なるオマケです。



 

 1990年9月30日――ドイツ


 1人の老人が孫を3人連れて、軍事博物館を訪れていた。

 彼はドイツ空軍の元パイロットで、10年程前に退役したが、ここにくれば航空機をまた操縦できることから、ちょくちょく訪れていた。

 彼のように退役した空軍パイロットは多く訪れており、他国の航空機もあることから、ドイツ以外の国々から訪れる者も多い。


 博物館の敷地内にある広大な飛行場。

 そこへ近づくにつれて、老人の顔つきが徐々に変わっていくのを孫達は知っている。


「おじいちゃんがパイロットに戻るぞー!」


 孫達のはしゃぐ声を聞き、彼は皺が深く刻まれた顔をほころばせるが、それも一瞬だ。

 やがて飛行場のゲートまで来ると、彼の顔は完全に軍人のそれとなっていた。



 いつも通りに手続きを済ませ、耐Gスーツに着替え、孫達と共にいつもの格納庫へと赴く。

 そこには彼が現役時代に使っていた航空機と同型のものが用意されていた。


 しかし、今から飛ぶのは彼1人だけではないようだ。

 同じ釜の飯を食った仲間達と当時の上官達が、彼と同じように孫達を連れてそこにいた。

 彼らとほとんど同じタイミングで敬礼をする。


 現役時代の癖は全く抜けていない。

 彼らの1人が言った。


「君も来たか、大佐。奇遇だな。今日はまるで退役者の集いだ。紳士がこれだけ偶然、揃うとはな」

「中将、お久しぶりです」


 そのとき、聞き慣れたジェットエンジンの甲高い音が響き渡り、1機のジェット戦闘機が上空をフライパスしていった。


「ルーデル大将はもう飛んでいるぞ」

「そのようですね。よくここで会いますよ」


 メルダースは軽く頷き、不敵な笑みを浮かべてみせる。


「これだけ揃ったんだ。久しぶりに編隊飛行でもするとしよう。先程、日本の鴛淵と林、菅野の3人を見かけたからな」

「彼らを驚かせてやりましょう」


 中将――ヴェルナー・メルダースの誘いに、大佐――ハンス・ヨアヒム・マルセイユは笑顔で答えたのだった。











 

【急募】夏休みの課題でドイツの魔法使いを調べてこいって言われたんだが教えてくれ


1 名無しの学生がお送りします 2020年8月25日22:00:32

 というわけで教えてくれ

 魔法使いってあれか、最近のアニメの主人公?

 金髪碧眼の魔法少女。


2 名無しの学生がお送りします 2020年8月25日22:00:57

 目の前にある箱に調べたいものの名前を打ち込め>>1


3 名無しの学生がお送りします 2020年8月25日22:01:12

 2で終わらせるな


4 名無しの学生がお送りします 2020年8月25日22:01:38

 調べたが、おっさんと美女と美少女が同じくらいの比率で出てくる


5 名無しの学生がお送りします 2020年8月25日22:02:02

 ちゃんと名前で調べたのか?


6 名無しの学生がお送りします 2020年8月25日22:02:15

 察した


7 名無しの学生がお送りします 2020年8月25日22:02:35

 偉大なる先駆者のおかげ

 なお、魔法使いの実娘の模様


8 名無しの学生がお送りします 2020年8月25日22:03:05

 あの親にしてあの娘あり


9 名無しの学生がお送りします 2020年8月25日22:03:27

 というか、マジで教えてくれ。

 なんかゲームとか漫画とかまで出てくるんだが


10 名無しの学生がお送りします 2020年8月25日22:03:57

  最近、色々出てるからな

  歴史上の人物の女体化のやつ

  まさか21世紀になって、日本でそんなことされるとは魔法使いも思うまい

実娘がもうやっていたわ


11 名無しの学生がお送りします 2020年8月25日22:04:17

  大抵どのゲームや漫画でも魔法使いをはじめとしたドイツ組がバランスブレイカーになっている

  運営仕事しろ


12 名無しの学生がお送りします 2020年8月25日22:04:33

  史実定期


13 名無しの学生がお送りします 2020年8月25日22:04:45

  歴史に忠実だろ


14 名無しの学生がお送りします 2020年8月25日22:05:01

  あの時代のドイツは人材の特異点


15 名無しの学生がお送りします 2020年8月25日22:05:11

  ドイツだけでなく、各国ともやべーだろ

  ドイツは際立っているだけで


16 名無しの学生がお送りします 2020年8月25日22:05:31

  ウィキでも読んでこい

  あとは図書館で本でも読め

  ヒトラーの回顧録とヴェルナーの回顧録を読み比べると面白いぞ。


17 名無しの学生がお送りします 2020年8月25日22:06:10

  開幕ヒトラーを称賛して、すぐに芸術狂い扱いして、最後にはやっぱり評価するヴェルナーさんマジぱねぇっす

  なおヒトラーも同じような構成で悪口はマシマシの模様

 

18 名無しの学生がお送りします 2020年8月25日22:06:34

  ドイツ製高級ゴミ箱はワロタ


19 名無しの学生がお送りします 2020年8月25日22:06:52

  下半身だらしなさすぎ

  子供作りすぎ

  子供全員に英才教育施して、そっから好きな道を進ませるとか理想のパパすぎ

  うらやまけしからん


  長女のゾフィーはどうしてああなった


20 名無しの学生がお送りします 2020年8月25日22:07:22

  好きな道を選ばせた結果が、濃いオタク(ファザコン)になるなんて誰も予想できない


21 名無しの学生がお送りします 2020年8月25日22:07:41

  皇帝陛下から人口でも貢献した男と言われたのは彼一人だけ


22 名無しの学生がお送りします 2020年8月25日22:08:13

  何だかんだでドイツのノリはおかしい。

  大抵ヴェルナーとヒトラーが悪い。


23 名無しの学生がお送りします 2020年8月25日22:08:27

  仕事のストレスが爆発したんだろ

  むしろ、我らの偉大なる先駆者だろ(2度目

  なお皇帝陛下、特にヴィルヘルム3世も悪ノリした模様


24 名無しの学生がお送りします 2020年8月25日22:08:53

  1だがウィキは長すぎてしんどいから、大百科で概要だけ読んできたが、なんだこれ、転生者か何かじゃないか?


25 名無しの学生がお送りします 2020年8月25日22:09:01

  どうしてそれを選んだと言いたいが、取っ掛かりとしてはいいか


26 名無しの学生がお送りします 2020年8月25日22:09:42

  魔法使い初心者にも読みやすいしな。

  調べれば調べる程、なんだこいつってなるぞ

 

27 名無しの学生がお送りします 2020年8月25日22:10:03

  1じゃないが、うちも似たような課題が出た。

  URLくれ


28 名無しの学生がお送りします 2020年8月25日22:10:31

  目の前の箱に名前を打ち込んで検索しろ

  あとネットはドイツ発のものだ、ドイツ語で言え


29 名無しの学生がお送りします 2020年8月25日22:10:56

  ドイツ主導で日本も含めた各国協同開発だろ


30 名無しの学生がお送りします 2020年8月25日22:11:11

  お前もネットと英語を使っている件>>28


31 名無しの学生がお送りします 2020年8月25日22:11:39

  英語でもドイツ語でも通じればどうでもいい定期

  ほらよ

  ヴェルナー・フォン・ルントシュテット(外部サイトへ移動します)











 ヴェルナー・フォン・ルントシュテット(Wernher von Rundstedt)


 ドイツ帝国の企業家、軍人。

 彼の功績は非常に多岐に渡る為、主なものを3つ挙げ、詳細については個別ページを参照されたし。


 企業経営

 RFR社を設立し、彼の会社が牽引役となって、ドイツにて航空機をはじめとした新しい分野が飛躍的に発展することとなった。

 後に航空機以外の分野へも進出し、確固とした地位を築いた。


 軍事改革

 ヴェルナー・ドクトリンに基づいた様々な装備の提案や理論の構築。

 近年は大規模戦争の可能性は低いものの、ドイツ軍において基本的なドクトリンとなっている。


 

 文化活動への支援

 特に映画、小説、漫画、アニメといった分野であり、ヴェルナーは基本的に作品の内容に関して注文をつけることは一切なく、周囲にもそうすることがないように指示を出していた。

 絵画や彫刻などの芸術分野はヒトラーが積極的に支援をしており、彼もまた作品の内容に注文をつけることがなかった。

 なお、音楽に関しては両者とも支援している。

 また、文化に該当するかは議論の余地があるが、料理に関してヴェルナーは積極的に支援している。

 


 注意:ここから先は出典がないものや、編集者達の主観が混じります。

    あまりにも酷いものは削除依頼を出してください。



 で、実際のところどんな人なの?

 物語に出てくるチート主人公といえば分かりやすい。

 当時のドイツでも、似たような概念からつけられた魔法使いというのが彼の渾名。

 

 フランス戦争時、彼は航空機を魔法の壺から出しているとまことしやかに囁かれた。

 実際は戦前から彼がきっかけとなって、ドイツ産業界が超絶強化された結果、生産力がやべーことになっていた。

 例えばRFR社のケーニヒスベルク工場ではフランス戦時、最短で1時間に四発爆撃機が1機完成し、その工場だけで日産20機が量産されていた。

 同時代の他の列強はこんなことはできない。



 色んなことをやったみたいだけど、保守層からの反発とかは?

 世界で初めて飛行機を飛ばした、という衝撃を利用して、周りをうまく思い込ませた。

 それ以後、基本的に彼のやることは大抵は成功している為、実績がどんどん積み上がり、彼がやるなら成功するだろう、と皆が信じた。


 致命的な失敗はRFR社の社名を間違えたことくらい。

 ルントシュテット、フォード、ライトのそれぞれの頭文字をくっつけたものだが、ヴェルナーはライトをRightと勘違いしてしまった。

 正確にはWrightで、後に判明したときはヴェルナーが必死に謝って許してもらえたというエピソードがある(近年判明)

 

 RFR社の社訓に誰であっても初歩的なミスや勘違いは犯すもの、気をつけようみたいなものがあるが、ヴェルナーのその間違いからきているらしい。



 欧州戦争での功績は?

 彼の軍歴に前線での目立った功績は無い。

 もともと日陰者とされていた兵站畑を歩んできており、戦争で前線の指揮を取ったりとか作戦を立案したりとかそういうことはほとんどやっていない。

 事務方での功績は歴史の通り。


 自分の好きな航空機を作りたかった、みたいなことが回顧録にも書いてあるので、航空機マニアの節があるというか、マニアそのもの。

 でなければ、軍事博物館なんて作っていない。

 彼の作った博物館では当時の戦闘機や爆撃機など、ほとんどの種類の航空機(国籍問わず)に乗れる為、オススメ。

 退役した空軍パイロットもちょくちょく遊びにくるらしい。

 また実際に飛ばせるレプリカの機体も比較的優しい値段で販売している。

 


 どんくらい妾がいたの? 子供達は?

 妾は100人以上。

 全員の生活の面倒を見て、さらに欲しいものは何でも買ってあげていた。

 ちなみに子供は正妻との子供も全て含めて300人以上。

 子供達全員に英才教育を施して、好きな道を歩ませた。

 子供達は企業経営者、軍人、医者、弁護士、映画監督、俳優、漫画家や小説家から煙突掃除屋に陶芸家、冒険家など、大抵の職業は網羅している。



 魔法使いの領地はどうなったの? あとヨーロッパ各国の植民地はどこいったの?

 魔法使いの領地――黒竜江省はドイツ政府へ寄付され、その権利全てを政府が引き継ぐ形となったが、特別行政区に指定されて、ヴェルナー時代と変わらずに統治されている。


 前者とも関係しているが、欧州戦争後、しばらくして行われた列強諸国の方針転換により、公式には消滅した。

 例えばドイツ領東アフリカという植民地があったが、今ではドイツ国(※ドイツ帝国の正式名称)東アフリカ州という形になっている。


 元々、ヨーロッパの植民地は鞭ばかりであり、搾取しかされていなかった。

 あのドイツですらもそうであり、反乱が勃発したことから、1905年に植民地政策が見直され、飴も与えるようになったのがそもそもの始まり。

 ドイツの植民地政策は現地の本国人による汚職と腐敗を徹底的に潰し、本国からは投資の推奨や開拓団募集などが行われ、また一方で現地住民の文化や風習などに配慮しつつ、緩やかな同化を目指すこととなった。


 これを各国が真似をし、フランス戦後、しばらくしてドイツが植民地を本国領土に準じた扱いとする宣言を出し、各国もそれに追随した結果、多くの植民地は州や県になった。

 元々、欧州戦争前から既に似たような扱いになっていたことから現状を追認した形で、国内からの反対なども特にはなく、植民地側の多くの住民達は正式に州や県になったことを喜んだそうな。


 とはいえ、現地では明らかにその地域の本国にはない文化や風習がある為、旅行する際には注意が必要。




 魔法使いの回顧録に載っていた写真ですが、魔法使い曰く歴史的とのことですが、何が歴史的なのかよく分かんないです。


 フランス戦後、ドイツへ帰還した海兵隊のバッツ少尉達や陸軍や空軍の将兵達と握手をしている魔法使いの写真は流石に違うと思うので、ホワイトハウスでルーズベルト大統領とヒトラー首相が握手をしている写真と判断する。

 ルーズベルト大統領とヒトラー首相の初の首脳会談後に行われた記念撮影。

 当選したルーズベルト氏にすぐに首脳会談を申し込んだのがヒトラー首相で、会談はスムーズに実現した。

 ルーズベルト氏は魔法使いの友人、そしてヒトラー首相と魔法使いとの関係は言うまでもない。

 米独の仲介役をして、それが実現したのだから魔法使いにとっては歴史的だと感じられたのだろう。

 事実、この会談をきっかけに、米独はその後も順調に首脳同士の交流を深め、アメリカの国際連合参加にまでこぎつけた。


 ちなみに回顧録には載っていないが、別の写真集では首脳会談後に魔法使い、ヒトラー首相、ルーズベルト大統領がチーズ餡シメ鯖バーガーを食べて3人揃って、微妙な顔をしている写真が残っている。

 一見の価値あり。チーズ餡シメ鯖バーガーが食べたくなる気がするので要注意。

 その後、口直しでステーキを食べて、3人揃って満面の笑みを浮かべているのもある。

 こちらも見る価値はあるが、飯テロなので注意が必要。


 なお、ヒトラー首相はベジタリアンという表現がなされることがあるが、野菜を好むというだけで、肉を食わないわけではない。

 彼は回顧録の中で「落ち込んだとき、元気が欲しいときは圧倒的なカロリー、すなわち肉が必要だとヴェルナーに言われた。試しにガッツリと肉を食べたら、彼の言う通りだった」と述べている。

 


 魔法使いが計画した円盤兵器ハウニヴーについて教えて下さい。

 ドイツ空軍が音頭を取って、政府や陸海軍も巻き込んで、クリスマス商戦用の決戦兵器として開発された。

 子供から大人まで幅広く売れたので、現在にまで続いている。

 ヴリル・オーディンの組み立てで頭を悩ませるのは男の子なら誰もが通る道。


 対抗して各国も色々(アメリカの双胴爆撃機、日本のドリル戦艦など)作ったが、ハウニヴーシリーズに対抗できたのはイギリスのハボクックやパンジャンドラムなどのドイツとは別のベクトルでぶっ飛んだものだけ。

 流石イギリス、ドイツのライバルなだけある。

 なお、パンジャンドラムは上陸作戦時の障害物爆破に有用かもしれない、とトチ狂ってイギリス陸海軍が協同開発したが、試験で転倒し、更に爆発して失敗した。

 一方、ドイツは魔法使いが自費でイギリス軍から余ったパンジャンドラムを購入し、小さな翼をつけた上で更に小型のジェットエンジンを取り付けて空を飛ばさせた。

 当時の実験映像あり。


 空を飛んでくるパンジャンドラムが防衛側に加える心理的圧迫は凄まじいという実験結果だったが、飛行距離が短く(最も良く飛んだ場合で50mにも満たない)、既存兵器で十分という当然の結論になってボツになった。

 なお、某地域での小競り合いでは魔法使いが自費でイギリス企業に発注して調達、寄付したパンジャンドラムを爆撃機の編隊からゲリラの陣地に低高度から大量投下した。

 何だかよく分からないものを投下され、ゲリラ達が恐慌状態に陥ったところで、陸軍部隊が突入して降伏させた(スクーレ作戦。スクーレとはボビンのこと)

 そこまでにしておけよ魔法使い。




 魔法使いとは関係ないけど、ここ数十年、戦争が起きていませんが、欧州あたりでまたドンパチしたりしないの?

 あるいは中東とかアフリカとか。中国はまあ、いつものことだからいいです。


 可能性はゼロではないが、非常に低い。

 2020年8月現在、各国は安定した友好関係にある。

 中東もアフリカもあるとすればどっかの国が裏から過激派を支援して騒動を起こすくらいだが、近年ではそれもない。

 長年、事実上の列強諸国の新兵器実験場となっていた中国の軍閥間でも、最近は小競り合いが散発的に行われている程度。

 

 というか、列強諸国が手を取り合って、軌道エレベーター建設に邁進している為、地球で争っている場合ではない。

 目の前に広がる宇宙というフロンティアに皆、夢中なのだ。





 ぶっちゃけヴェルナーは転生者とかタイムトラベラーとか、そういう特異な存在?

 転生やタイムトラベルを科学的に立証できていないが、当時の記録や資料から、本当にそうであった可能性は無くはない。

 彼が描いた航空機などの数々のイラストは現代にも原本が残っており、ネットで見ることもできるが、空想で描いたにしては妙に出来すぎている。

 1つや2つなら偶々そうであったかもしれないが、彼が残したイラストは1つや2つではない。


 もしかしたら、彼の世界では我々の世界ではIFとされている様々な出来事(フェルディナント王子暗殺からの世界大戦勃発など)が現実に起こり、それを防ぐ為に偶然か、必然かまでは分からないが世界を渡ってきたのかもしれない。

 でもパンジャンドラム関連のことをはじめとして、歴史を変えようとするならやらなくてもいい無駄なことを多くやっているので、やっぱり転生者とかじゃないかもしれない。

 









 その後の推移を簡単に。


 世界全体で見ると、小競り合いはちょこちょこ起きているが、戦争は起きていない。

 同時代とは比べ物にならない程に技術的・科学的に発展している。


 2020年8月1日現在で国際連合の安全保障理事会常任理事国はドイツ、イギリス、アメリカ、ロシア、日本、イタリア、オスマントルコ、フランス、ドナウ連邦。

 世間一般的には常任理事国9カ国が列強であるとされている。

 決議に関しては多数決制で、例えば賛成5反対4、その逆の反対5賛成4という場合でも大国としての責任を果たすこと=決定に従うことが求められる。

 

 とはいえ、そこまでこじれにこじれる問題は滅多になく、あった場合でも大抵、裏側で様々な協議の場が設けられ、妥協点が見つけ出されて解決されている。



 列強諸国の関係とか色々。

 基本的に仲良し。

 戦争ダメゼッタイが共通理念だが、列強以外の国にそれが当てはまるかは状況による。

 核兵器は配備されていない。

 ただ、弾道ミサイルや巡航ミサイルに取り付けることもできる、核に匹敵するものはあるらしい。

 いわゆる超大国とまではいかないが、超大国一歩手前か、その資格があるような国々で、国力的な意味で上と下の格差が激しい。


 航空機による戦艦の撃沈事例がない為、戦後も戦艦が空母と同時並行で建造されたりしている。

 恐竜的進化を遂げた戦艦を撃沈できるミサイルを各国は開発しているが、戦争が起きていないので列強の戦艦を攻撃できる機会には恵まれず、実戦証明ができないまま、2020年まで来てしまった。

 また建造費用や維持費用が跳ね上がっており、列強全ての国が戦艦を建造したわけではない。

 最後の戦艦が就役したのがアメリカであり1995年のこと。

 当時の列強におけるスタンダードは22インチ三連装砲四基搭載の15万トンクラスで、2000年代に入り、ドイツにて艦載レールガンが実用化された為、この基準が戦艦の最終進化となった。

 戦艦は多くが退役し、レールガン搭載の汎用巡洋艦に置き換えられており、予算が浮いたと各国の海軍と政府が喜んでいるが、空母の建造や維持の高コスト化が問題となっている。

 各国において、戦艦は予備役になったりしているところもあるが、大半は記念艦になっている。

 なお、レールガン搭載巡洋艦の就役後、真っ先に戦艦を全て退役させ、記念艦としたのはドイツで、最後まで戦艦を持ち続けた(とはいっても1隻だけであり、実質的に王室の外遊用)のはイギリスだった。

 戦艦の時代を切り開いたイギリスが、戦艦の時代に幕を引いた。



 ドイツ

 ドイツの科学技術力は世界一を地でいく。

 世界のリーダー役を気取っており、それを気に入らないイギリスに時折邪魔をされるが、いつものじゃれ合いでドイツ自身も他の列強も特に気にしていない。

 国連を発案して実現させたのがヒトラーなので、言い出しっぺの法則で問題があると大抵、仲裁役を頼まれる。

 平時において数的にはそれほどでもないが、質的に優れた軍事力を保有している。

 戦艦の最終進化を超えた究極進化を求めて、20万トン戦艦を計画していたとされるが、実際にはブラフ。

 見せ金として戦艦を建造していた面もあり、さっさと手放したくて仕方がなかった。

 しかし、建造しない場合、他国に不審がられてしまい、ドイツの目論見である他の列強に無駄な費用を垂れ流させることが達成できなくなってしまう為、ギリギリまで頑張った。

 艦載レールガンを世界で一番早く実用化したことで、巨大な艦砲を代替するものができたと他国に言い訳が立つと判断し、戦艦を退役させた。

 幸いにも他国にこの目論見が公式的に言及されることはなかったが、非公式にはネチネチと色々言われた。


 イギリス

 世界のリーダーとイギリス自身は思っているが、他の列強は何かしら問題が起こったときの黒幕だと思っている。

 ドイツに時折ちょっかいを掛けて、存在感をアピールしている。

 海軍力は健在で、列強第1位を誇っているが、質という面ではドイツに一歩及ばない。

 戦艦を建造させられ続けたので一番被害を受けた国だが、建艦競争という程に過熱したものではなく、代艦建造に過ぎなかった為、財政にそこまで大きな影響はなかった。

 とはいえ、無駄な費用を掛けさせられたことに変わりはなく、非公式に一番ドイツに対してネチネチと言っている国。


 アメリカ

 新大陸に引きこもっていたが、ドイツにより連れ出された。

 基本的に争いを好まず、また中立的である為、ドイツの次に仲裁役を頼まれることが多い。

 史実では採用されなかった兵器が実戦配備されていたりする。

 陸海空軍とも数的には多いが、予算的な問題からこの世界の列強基準で旧式な兵器も多い。

 英国の元植民地だからなのか、たまに変なものを作り出すことがある。

 


 ロシア

 ロシア帝国。ソ連なんてなかった。

 ドイツを見習って、欧州戦争後、しばらくしてイギリス型立憲君主制国家へ移行した。

 ドイツと真正面から陸で殴り合える唯一の国家だが、それをシミュレーションしたところ、ロシアが最終的には勝つが、その後すぐに経済的にぶっ倒れて、他国が漁夫の利を貪るという散々なことになった。

 陸軍国の癖に海軍の整備にも成功したドイツを真似て、それなりの海軍を持っている。

 ドイツの影響を受けているのか、たまに変なものを作り出すことがある。


 イタリア

 欧州戦争で未回収のイタリアが回収できたので、大満足状態。

 ドイツとの盟友関係は現在に至るまで続いている。

 兵器分野でドイツに引けを取らない企業が幾つかある。

 ひょんなことからナポリタンの存在を政府のナポリ出身の偉い人が知ってしまい、日本とガチで水面下で争ったが、ドイツが仲裁に入って無事に収まった。(ナポリタン紛争)

 なお、料理に自信があるフランスが途中からしゃしゃり出てきたが、食べ物関連はシャレにならないのでイギリスが阻止した。


 フランス

 オルレアン朝フランス。

 ドイツとの同盟国であり、先の戦争で戦った間柄。

 どうにかドイツに勝ちたいと思うが、もう一度戦争をするなんて無理な話なので、手始めにサッカーでドイツをはじめ戦争で敵対した国のチームを全てフルボッコにした。

 スポーツ分野全般に力を入れており、オリンピックにおける金メダル獲得数は多い。

 ドイツをはじめとして他国もスポーツに力を入れているのだが、リベンジに燃えるフランス人は強かった。

 戦争後、特に軍事的な制限などを加えられたりはしなかったので、ドイツ軍よりは若干劣るものの、質的に優れた軍事力を保有している。




 ドナウ連邦

 正式名称はオーストリア=ハンガリー=スラヴ国民のハプスブルク家のライタニアの王冠による大中欧ドナウ連邦合衆帝王国。

 なお、オーストリアとズデーテンラントは戦後に住民投票により、ドイツへと帰属してしまったが、それでも諸々の事情から国名に残っている。

 イタリア、ロシアにも領土を取られて踏んだり蹴ったり状態だが、ロシアは後に獲得した地域の幾つかを費用が掛かる割りには利益が少ないと判断して返還した。

 紆余曲折の末、ドナウ連邦が成立し、ドイツから様々な支援を受け、列強の末席にいられる程度には持ち直し、今日まで続いている。

 



 オスマントルコ

 欧州戦争後、しばらくして念願のドイツとの同盟締結に成功する。

 ドイツが欧州各国に宗教的な対立は非常に問題だと説得できたことによるもの。

 イスラム教関連はオスマントルコが面倒を見ることをドイツが約束させた。

 そのおかげか、宗教的テロリズムは今日に至るまで起きていない。

 ドイツからの支援により、精強な陸海空軍を保有している。

 親独だが、同時に親日国家でもあり、ドイツに続いて日本とも同盟を締結した。

 日本人に人気の海外旅行先の一つ。

 


 日本

 いわゆる大日本帝国。

 列強倶楽部に紛れ込んだ唯一の極東国家。

 なお大日本帝国という国号に関して、国号をそのように定めた法律は存在しないのであくまで通称。

 欧州戦争時に大規模な戦力を派遣し、ドイツ政府とドイツ国民に大きく注目される。

 後の日本海軍の活躍に、ドイツのみならず他の列強諸国も度肝を抜かれ、一目置かれるようになる。

 フランス人が日本人に会うと、今度は味方になってくれと言われるらしい。

 全く文化が異なる国ということで欧米人には非常に人気があり、欧米人の海外旅行先で第一位を獲得し続けている。

 ちなみに第二位はオスマントルコ。

 イギリスと同じく海洋国家であり、また領海が広いことから海空軍を重視し、その勢力規模は列強でも上位に食い込む。

 とはいえ、陸軍も侮りがたく、数的には少ないが、精強を持って知られる。

 なお、欧州戦争時の奮戦により「長門陸奥、金剛比叡は日本の誇り、一水二水は日本の華」をはじめとした当時の遣欧艦隊や派遣部隊に関連した文言があり、日本国民に広く親しまれている。



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