絶望の真実
「では、重要なことのみ話しますね。」
狼は不適に笑うと話し始めた。
「今、この島が普通ではないことはわかりますね。」
確かに狼が話す訳がないからな。
「なぜなら、この島は現世と煉獄の狭間にあるからです。
そして、徐々に煉獄に近づき、最終的には煉獄そのものとなるのです。」
「煉獄になるとどうなるんだ?」オレはなぜかそこに違和感を感じた。
「はい、よい質問です。煉獄に近づくたびらに魔女様を含め煉獄の者は力を取り戻します。私も本当の姿になることができ。ベラ=マリルート様もより強力な魔法や召喚が出来るようになります。」
「オレたち、人間はどうなるんだ?」
「煉獄に近づいても特別に何かあるわけではありませんが、完全に煉獄になると魔物がうようよです。」
「沢山の魔物にミンチにされあなた方の負けです。」
「負けってなんだよ。」
オレより、さきにルシアがつっかかる。
「はい。あなた方は魔女様達のムゲンノゲームのゲームのコマです。つまり、コマはキングが取られるか全滅するとベラ様の勝利となるのです。」
「後、ひとつ付け加えると煉獄に近づくたびに島の地形も変わります。」
「ご理解頂けたでしょうか。」
「あの魔女の説明を詳しくしたのよ、コウスケ」
陽歌が説明してくれる。
「はい。そのとおりでございます。あの方はせっかちでありますから。」
狼はそういうと小さく笑った。
「この島では、死などない。あるのは無のみ。」
「お嬢さん、詳しいですね。そう、死んだ者の魂は何処へもいけず無しか残りません。
そして、生き残った者も次のゲームに参加させられ、勝敗がつくまで何度もコマとなる。これがムゲンノゲームのルールなのです。」
ふざけてやがる。命を何だとおもってるんだ!
オレは絶対に魔女を殺し、陽歌とルシアと脱出してやる。
「じゃあ、じい様の魂は天国にも行けねえのかよ。」
ルシアが涙を流す。
「おやおや、時間をかけ過ぎました。では御機嫌よう。」
そういうと狼は去っていった。
しばらく、ルシアは膝をついていたが、落ち着いたようで立ち上がった。
「遺跡にいこう。」
「えっ!?」
突然のことに高い声を出す。
「魔女が言っていた、遺跡だよ。絶対に罠だと思ったから言わなかったけど。あそこは魔女を祀る祭壇がある、もしかするとあの魔女がいるかもしれない。」
陽歌はうなづいた。そして、オレも。
「あの魔女に一泡吹かせようぜ!」
「島がまだ変わってなければこっちのはず。行くぜ!」
このときは、島はまだ現世の色をまだ少し残していた。




