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GalacXER 銀河の執行者  作者: Boom
第五章 [故郷なきファイトール]
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第五章 51 "再建と準備"

初めて、あらゆる勢力の「見捨てられし者たち」の指導者たちが、一堂に会した。ライト、ズーロ、ゼニソール、ライキ、エヴァ、アリステア、レックス、そしてゼン=ロード(ホログラムを通して)。


「ようこそ」ライトは、会議を開いた。「今や、我々は、皆、一つの家族だ」


「貴官らが逃走している間、我々も、手をこまねいていたわけではない」ライトは続けた。「我が仲間たちが、ここに合流した。そして、我々は帝国の補給路を攻撃し、奴らの新型兵器と技術の一部を、強奪した」


「素晴らしい」ズーロが言った。「我々の方も、ネメシス計画から、秘密を手に入れた」彼は、ピラミッドの物語、鍵の石板、そして、シンスロインを破壊しうる秘密兵器について、全てを、明らかにした。


「今や、我々は、それを使う時が、近づいている」


**<「だが、我々の軍は、まだ準備ができていない」>**ゼニソールが、割って入った。**<「我々には、回復のための時間が、まだ必要だ。我々の戦闘艦は、あまりに、ひどく損傷している」>**


「ならば、我々の次の目標は、明確だ」ライトは、結論づけた。彼は、星図を指差した。ファイトールの、故郷の星を。「我々の軍の準備が整い次第、我々は、惑星フィニトールへ、向かう!貴官らの故郷を奪還し、そして、そこの資源を使い、『ネメシス計画』を、再建するのだ!」


---


数週間が過ぎ、かつて静寂だった惑星は、今や、活気に満ちた、復興の中心地となっていた。


ズーロとゼニソールの指導の下、ファイトールたちは、「ネメシス計画」の兵器の研究と、試作を開始した。しかし、研究が深まるにつれ、彼らは、もう一つの、秘密の設計図を、発見した。それは、自らの、思考と意志を持つ、戦闘ロボットの、製造計画書だった!


**<「覚えている…」>**ゼニソールが、精神波で「語った」。**<「これこそが、『創られし者たち』。高等評議会が、ファイトールの市民として、認めることを、拒否した、ロボットたちだ。なぜなら、奴らは、恐れていたのだ。自らが、制御できぬものを」>**


時を同じくして、訓練場で、ズーロは、生き残った戦士たちに、禁断の術を、伝授していた。「それを、制御しようとするな。それが、流れ通るための、『通り道』と、なれ」


--- **ライトの仲間たち** ---


彼らもまた、静観してはいなかった。彼らは、訓練施設を建設し、新たな兵士の、育成を、始めていた。ライト、レックス中尉、そしてケイル(元第7部隊)は、軍の規律、特殊部隊の非情さ、そして傭兵の柔軟性を組み合わせた、戦闘教義を、共同で、立案した。


そして、何よりも驚くべきは、「ヘカトンケイル」の、巨大な格納庫だった。今や、彼の船は、移動式の、生産工場を、持っていたのだ!ライラは、インワン帝国から盗み出した、設計図を使い、より高性能な、新型の、戦闘機、小型戦闘艦、そして、降下艇を、建造していた!


今、惑星エメラルドの雰囲気は、静かだが、同時に、活気に満ちていた。それは、再建の、準備の、光景だった。見捨てられし者たちの軍は、日ごとに、強くなっていた。


---


惑星エメラルドの、遠く離れた、平原にて。ファイトールたちは、ついに、究極兵器のプロトタイプを、完成させた。それは、「ダークデス」。ズーロが発見した、設計図から、作られた、ネメシス計画の、携帯型、巨大キャノンだった。


「テストを開始する!」


引き金が引かれると、赤と黒の、球状のプラズマ弾が、発射された。それは、奇妙なほど、ゆっくりと、数キロ先にいる、シンスロインの、戦闘艦の残骸へと、飛んでいった。


そして、それが、目標に、着弾した時。音は、なかった。ただ、全てを、飲み込む、漆黒の、閃光。そして、目に見えない、粒子の、エネルギーの波として、爆発した!


ドォォォォォォォォン!!!


遅れてやってきた爆発音は、轟音だった!戦闘艦の残骸は、ただ爆発したのではない。一瞬にして、「消滅」したのだ!巨大な、クレーターだけを、残して!


--- **母艦「ヘカトンケイル」軌道上にて** ---


その振動は、宇宙空間にまで、届いた!艦橋で、ライトのテーブルに置かれた、水のグラスが、波紋を、立てた!


「なんてことだ…たった、一発で、あれか」


--- **観測ポイントにて** ---


ライキは、狂ったように、高笑いした!「ハハハハ!完璧だ!この力があれば、奴ら全てを、粉々に、してやれる!」


ゼニソールは、不安に満ちていた。**<「あまりに、強力すぎる。これこそが、我々の祖先が、これを、封印した、理由だ。制御できぬ力は、災厄だ」>**


ズーロは、固く、拳を、握りしめた。「我々は、悪魔を、目覚めさせてしまった。問題は、我々に、それを、制御できるかどうかだ」


そして、ゼン=ロードの、最も古き声が、響き渡った。**<「灰は、熾火を、生む。サイクルは、再び、始まったのだ」>**


---


「危険すぎる!」ゼニソールは、反対した。


「だが、我々には、この力が、必要だ!」ライキは、言い返した。


**<「それを、完全に、作り上げることは、非常に、難しい」>**ゼン=ロードが、「語った」。**<「設計図によれば、この兵器は、量産できない。ただ、一つだけ、この、プロトタイプだけだ」>**


「ならば、なおさら、それを、最大限に、活用しなければならない」ライトは、結論づけた。


しかし、その時、ズーロが、進み出た。「破壊力は、問題ではない。『制御』が、問題なのだ」彼は、言った。「もう一度、試せ。だが、今度は、私が教えた、禁断の力を、加えて」


その言葉に、全員が、驚愕した!「正気か、ズーロ!爆発するかもしれんぞ!」


「何かを、見たい」


戦士は、再び、「ダークデス」を、構え、そして、漆黒の、次元エネルギーを、銃の、動力炉心へと、融合させた!


彼が、それを、撃ち放つと、エネルギー弾は、以前の、十倍もの、威力で、爆発した!!!そして、その、反動もまた!それは、もはや、ただの、反動ではなかった。目に見える、衝撃波だった!戦士は、何メートルも、吹き飛ばされ、そして、彼の手にした、「ダークデス」は、ひび割れ、そして、水晶の、破片となって、砕け散った!


「見たか!」ゼニソールが、言った!「危険すぎるのだ!」


「ああ」ズーロは、認めた。彼は、砕け散った、銃の残骸を、見つめていた。しかし、その眼差しに、失望は、なかった。何かを、理解した、輝きが、あった。


---


「ダークデス」の、砕け散った残骸が、床に、転がっていた。


「終わりだ」ライキが、吐き捨てた。「我々の、唯一の、チャンスが」


しかし、ズーロは、それが、失敗だとは、思っていなかった。「いや、まだ、終わっていない」


彼は、発見したのだ。外装は、破壊されたが、その中心にある、「次元動力炉心」と、「粒子変換器」は、無傷であることを!「ゼニソール!これを、見ろ!」


「この設計図は、我々が、思っていたよりも、複雑だ。ネメシス計画は、ただの、『ダークデス』キャノンだけでは、なかったのだ!」


「それは、『システム』だったのだ!」ズーロは、興奮して、説明した!「『ダークデス』は、ただの、『応用例』の、一つに過ぎん!だが、その、構成部品は、他の兵器を、作るためにも、使える!」


彼らは、発見したのだ。「ダークデス」の構成部品が、彼らの、既存の兵器を、「アップグレード」するために、使えることを!「粒子変換器」を、レーザーブレードの先端に、取り付ければ、敵の装甲を、「消去」できる!「次元動力炉心」を、ライフルの「弾丸」として、使えば、一発ごとに、破壊的な、エネルギー波を、放つことができる!


「だが、反動の、問題は?」


「ならば、その、欠点を、利点へと、変えるまでだ!」ズーロは、言った!彼らは、その反動を、利用して、「衝撃波シールド」や、戦場を、高速で、移動するための、「ブーストブーツ」を、作ることができる!


失敗した、実験は、最大の、発見へと、変わった。彼らは、もはや、ただ一つの、究極兵器を、持つだけではない。彼らは、全ての戦士を、「歩く、ダークデス」へと、「アップグレード」することが、できるのだ!


---


「ヘカトンケイル」の、巨大な、格納庫で、ライトは、ケイル(元第7部隊)が、新兵を、訓練するのを、見ていた。


ライラが、報告した。「『ダークデス』改修型の、『ファントム』戦闘機への、搭載が、完了しました、キャプテン。まだ、危険ですが、実戦投入可能です」


時を同じくして、地表の、水晶の都で、ズーロは、ファイトールの戦士たちが、彼が発見した、「禁断の力」を、訓練するのを、見守っていた。


--- **「ヘカトンケイル」艦橋にて** ---


ライトと、ズーロは、肩を、並べて、立っていた。彼らは、窓の外に、集結した、全艦隊を、見つめていた。それは、灰の中から、生まれた、軍隊だった。


**<「我々の、名誉は、今日、取り戻される」>**ゼニソールが、言った。


**<「名誉だけではない。復讐だ!」>**ライキが、付け加えた。


「去っていった、仲間たちのために。そして、まだ、残された者たちの、未来のために」レックス中尉が、静かに、言った。


「これは、協力が、圧政よりも、強いことを、証明する、勝利となるでしょう」エヴァ司令が、付け加えた。


「我々の同胞が、待っている。我々の故郷が、待っている」ズーロは、言った。「今日、我々は、家に、帰る!」


ライトは、一歩、前に出た。「外を見ろ。我々は、皆、見捨てられし者だ。裏切られ、敗北者の、烙印を、押された。だが、我々は、まだ、立っている!今日の、戦いは、ただ、フィニトールを、奪還するだけではない。それは、全宇宙への、メッセージだ!ジャック皇帝へ、高等評議会へ、そして、絶望している、全ての者たちへ。『幽霊たち』が、帰ってきたと!」


彼は、ズーロに、向き直った。「準備は、いいか、指揮官?」


「全部隊!」ズーロが、ファイトール語で、叫んだ!「ワープ準備!」


「故郷奪還作戦は、今、始まった!」ライトが、人間の言葉で、命じた。


見捨てられし者たちの、最大級の、軍勢が、最後の、戦場へと、向かった。


---


彼らが、フィニトールの、軌道上に、ワープアウトした時、そこには、高等評議会の、艦隊が、ただ、浮遊していた。彼らは、シンスロインに、喰われていく、惑星を、ただ、見つめているだけだった。


その時、ズーロたちの、巨大な、連合艦隊が、現れた!


高等評議会の、指揮艦の艦橋で、ゼル=ロスは、驚愕と、怒りに、目を見開いた!「ズーロ指揮官と、裏切り者ゼニソールへ!全ての、反逆者どもへ!高等評議会の名において、命じる!武器を捨て、投降せよ!」


ズーロの、艦橋で、全員が、静まり返った。しかし、その時、ゼニソールが、憐れみに満ちた、笑いを、漏らした。彼は、強力な、精神波で、ゼル=ロスの、指揮艦へと、直接、返答した。


**<「私を、捕縛だと?何も、知らぬのだな、長老殿」>**


**<「貴様のような、臆病者は、逃げるがいい、ゼル=ロス!そして、貴様の、影の中で、震えているがいい!そして、真の『戦士』に、この件を、任せるのだ!」>**


**<「貴様が、政治ゲームと、名誉の話をしている間に、我々の故郷は、炎に、包まれている!貴様が、法を、語る間に、我々の種族は、滅びようとしているのだ!」>**


その「言葉」を、最後に、通信は、途絶えた。

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