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ep 49 刺さる弾丸

無事退院してきました。

遅れてすみません。

 言霊使い__。言葉の意味を現実のものとする特殊能力だ。魔法のような自由度はないが、制約がある分強力だと聞く。

 「…そうでしたか。わかりました。貴方も調査するというなら共に行動した方がいい。行きましょう」

 「何処か行くアテがあるのか?」

 「神宮内を調べようと思ってます」

 「この辺りならもう調べたが、特に何もなかったぞ。違和感を感じたのは此処だけだ」

 

 町中の調査力がどの程度か知らないが、言霊使いなら場に残された言葉の記憶を読むことができるし、何より師匠の友人だ。信じてみてもいいかもしれない。

 

 「そうですか。では荷物を置きに行きたいので、後で合流しましょう」

 

 町中は「わかった」と応え、連絡先を教えろと言ってきた。こちらとしても町中の連絡先を知っていた方が都合がいいので連絡先を交換し、宇治橋まで一緒に歩いた。歩きながら町中の仕事を聞いたところ、自宅警備員をしていて日本中の事件を独自に調べる任務に当たっているということがわかった。富豪か有力者にでも雇われているのだろうか。何にしても立派な仕事だ。私の仕事についても軽く伝えると「学校には行ってないのか」と不思議がった。私はそんなに幼く見えるのか。自覚はあまりないが。

 

 町中と別れ、タクシーを呼んで伊勢市駅近くの巫ホテルまでと伝えた。十数分で到着し、運転手に運賃を払って降りた。ホテルの中へ入るとロビーはステレオタイプの神社カラーで統一されていた。寝るためだけのホテルなので細かいことは気にしないようにしたいが、部屋もこの調子だったら寝るに寝れないだろう。外国人受けでも狙っているのか。

 

 チェックイン時間にはまだ早いので荷物だけ預かってもらいホテルを出た。暑い。神宮の神々に失礼がないよう余所行きの服装をしてきたのだが、生地は薄いとはいえこの季節には辛いものがある。日本経済を支えるサラリーマン達はこんな苦行を強いられているのか。私は我慢できずジャケットを脱いで手に持った。

 

 携帯を取り出し、町中とのチャット画面で「伊勢市駅で」と送り、私も向かった。伊勢市駅に到着すると町中は既に待っていた。暑いのにスーツのジャケットを脱いでいない。勝負服を脱ぐわけにはいかないということか。

 

 「来たか」

 町中の神経は立っている様子だ。彼も気づいているようだ。

 

 「見られているな」

 

 周りを見渡すことなく町中が眉間に皺を寄せた。私も「ええ」と応え、

 「明らかに私達を意識している」

 と続けた。実は内宮にいる時から感じていた。僅かだが殺意を含んでいる。2人揃った瞬間何かの魔法が使われた気配も感じた。

 

 

 「弾丸はアスファルトへと突き刺さる…」

 

 

 町中が突然不思議な響きのある声で呟いた。その直後、ボゴンと大きな音を立てて私の足元にゴルフボール大の穴が空いた。

 

 「攻撃された?」

 私は穴を見つめた。一応身体を強化しているのでこの程度の攻撃なら防げただろうが、当たっていたらかなり痛かっただろう。しかし__

 

 (町中さんが逸らしたのか…?)

 

 私の視線に気づいて、町中はニッと口角を上げた。

 「俺の力だ。すごいだろ」

 これが言霊使いの力か。言葉を現実のものにする__思ったよりも強力な力のようだ。

 しかし攻撃の気配を感じなかった。町中はどうやって攻撃を察知したのか。

 「もう2発来るぞ」

 町中が遠い空を見て言った。

 

読んでくださりありがとうございます。

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