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ep19 龍虎相見える②

 「始め!」

 

 椿の合図とともに飛び出したのは茜だった。速い。鋭い右が飛んできたが、私は体を反らして躱した。そして体を縦軸に一回転させて左足を後ろで踏ん張って茜の横腹に掌打を打ち込む。「ぐっ!」という茜の呻きとともに茜は左方向へと吹っ飛びながら、掌を私に向けて叫んだ。

 

 「槍よ!」

 

 すると空から無数の光の槍が降ってきた。私は丹田に力を込めて叫んだ。

 

 「はっ!」

 

  私の体が青白く光った。それから私は空から降る無数の槍を、降ってくる順番に蹴りで全て叩き落とした。茜が「嘘でしょ!」と叫んだ。私は気にせず吹っ飛んだ茜が地面に転がるのを見て、そちらに走った。以前測ったタイムでは100メートル5秒くらいの速さだ。その間に茜が体勢を立て直して、今度は爆裂魔法を放った。私の視界がホワイトアウトしたが、私は急ブレーキをかけて「はー!」と叫んで気合いを入れた。私のオーラが茜の間合いまで飛んでいき、全てを包み込んだ。爆裂魔法は私のオーラでかき消えた。私の奥の手だった。一瞬だけなら私の体を覆っているオーラを半径数十メートルまで飛ばすことができる。連続では使えないが、そのオーラに触れた魔法は掻き消えるという魔法だ。私の視界が晴れて茜を見ると、茜が地面に手をついていた。「大地よ!」と叫ぶのが聞こえた。それを確認してすぐに私は前方へ跳んだ。茜が地面に放った魔法はどうやら地面から太い棘が出る類のものらしかった。私は跳びながら後方を確認した。当たっていたら危なかったかもしれない。そして私は前方のあかねを見て、茜の頭上で今度は地面に向けて落ちながら拳を放った。爆発音と共に地面にはクレーターができたが、茜は間一髪で横に転がって躱したようだった。すかさず私は茜に向かって下段蹴りを放った。茜は腕でガードしたが、ダメージは大きかったようだ。茜が苦しそうな声で手を挙げた。

 

 「降参!まいった!私の負け!」

 

 「そこまで」

 

 椿の声とともに私は自身にかけられた魔法を解いた。茜はまだ咳き込んでいる。

 

 「結界の上からの攻撃とは思えないよ…私を殺す気?」

 

 茜は辛そうに立つと早々私に愚痴った。私はかぶりを振った。

 

 

 「これくらいしなきゃ倒せない相手ってことだよ」

 

 「最後の蹴り、いらなくない?」

 

 「あれがなきゃ魔法で反撃されてた」

 

 「そうかもだけど…」

 

 私が茜の肩にポンと手をやると、茜は溜息をついた。安全圏にいた椿が歩み寄ってきた。椿は拍手しながら言った。

 

 「いい模擬戦だったわ。夏樹さん、1回も被弾してなかったわね」

 

 私は頷いた。

 

 「茜も爆裂魔法からの大地魔法、見事な切り替えだったわ」

 

 「夏樹の手の内知らないとできない反応だったよ」

 

 「それが大事よ」

 

 椿は茜の眼前に一本指を立てて見せた。

 

 「戦闘における重要事項の1つとして、相手を知ることが挙げられるわ。戦う相手のことはなるべくリサーチしておくこと。可能性があるというレベルであってもそうよ。相手の癖、パターン、攻撃の威力、防御の固さ、全て頭に入れておくのが理想ね」

 

 私が手を挙げて言った。

 

 「もし、予測できない状況で敵とエンカウントしたら、どうしますか?」

 

 椿は腰に手を当てて言った。

 

 「いかにして自分のフィールドに持ち込むのが重要ね。さっきの模擬戦、茜は夏樹さんに一撃も与えられなかったわね?」

 

 「うん…」

 

 茜が落ち込むように返事をした。椿は茜の頭に手を置いた。

 

 「一方、夏樹さんは茜に対して常に積極的だった。後手に回ったら最後、相手からの攻撃を避けるので精一杯になるわ。夏樹さんのように、敵の攻撃を躱しながら如何に相手を無力化するかを常に考えるの。攻めの姿勢を崩さないこと。それが準備できない相手に勝つための唯一の手段よ」

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