表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/47

ep18 龍虎相見える①

 「今日は模擬戦をやってもらうわ。2人の身体に結界を張るので、お互い全力でぶつかってみてちょうだい」

 

 その言葉に茜が「えー!」と抗議の声を上げた。

 

 「夏樹に勝てるわけないじゃん!」

 

 「茜」

 

 「勝てるわけないじゃないですか!」 

 

 「自分より強い相手と戦うことは何よりの経験になるわ。命の危険のない状態で戦えるのならそれは魔法使い冥利に尽きるというもの。成長したいならやりなさい。私が学園の戦闘担当になれたのも、あいつがいたからだと今では思う。当時は悔しかったけどね」

 

 あいつ、というのは楓先生のことだろう。


 「楓先生はそんなに強かったのですか?」


 私が聞いた。椿から楓先生のことを聞くのは初めてだった。今までは私が楓先生の助手であることを気にしないそぶりでいたので、そのことについて触れないでおいたのだ。椿は楓先生がいなければ圧倒的首席だっただろう。それ故に聞きづらいことだった。しかし椿から楓先生について話が出た。これはチャンスだと思った。私は1年楓先生のもとで働いてはいるが、楓先生の実力は何も知らないのだ。伝え聞いた話だけで凄まじい実力の持ち主だということはわかるし、私には考えもつかない魔法を幾つも見てきた。それでもまだ知りたい、そう焦がれるのだ。椿は楓先生が最も実力を発揮した相手の1人だと直感でわかる。それだけの魔力を秘めているし、何よりリーチなどで楓先生に優っている椿が何故負けたのか、それが気になる。


  椿は嘆息して言った。

 

 「あれはバケモノね。頭が良いからなのか、馬鹿だからなのか、知らないけど、手が読めない。それ以前に“見えない“。当時今のあなた達のように模擬戦を行ったのだけど、当時の先生は『私だけ』結界魔法で守った。だからあいつは私にとっては裸同然だった。そのはずなのに、私はあいつの影すら捉えることができなかった。結界がなかったら1000回は死んでたわね。おそらく、私1人に結界を集中させたから助かってたんだと思うわ」

 

 椿は首を振った。何かを忘れるように。

 

 楓先生のことはわかった。私は彼女の足元にも及ばないこともわかった。でも、それでよかったとも思った。これから楓先生の技を盗むチャンスがいくらでもあるだろう。私はもっと強くなる。街のチンピラを恐れさせるだけでは足りない。一流の魔法使いすら容易く倒せるくらいにならないと、先生の足を引っ張る可能性もある。私には伸び代しかない。そう思った。

 

 椿が「2人とも準備はいい?」と聞いてきたので私は我に返った。これから茜との模擬戦だ。茜も次席を取るだけあって、学業も魔法も強い。なにしろ私の不得意とする攻撃魔法使いだ。気を緩めるとあっという間にやられるだろう。臨機応変に対応しないと。

 

 私達2人は「はい!」と元気よく返事をした。

 

 「さぁ、始めるわよ。位置について!」

 

 私と茜はグラウンドの真ん中で対峙した。そして、身体中を柔らかいオーラが包んだ。椿が結界を張ったのだ。茜も腰に右拳を構えて低い体勢で立っている。私は腕をだらんと下に垂らして、足を肩幅に広げ、右足を下げ、低く姿勢を構えた。

読んでくださりありがとうございます!

もしよろしければブックマーク、評価、⭐︎をつけてくださると幸いです。

よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ