あなたへの想いはどちらの愛なのでしょう
読んでくださる方に感謝です!
「君が学園に入っても、私に声をかけないで欲しい。出来たら会いに来なくてもいい。私が学園を卒業するまでの1年間、他人のフリをしてもらいたいんだ。
何、君が卒業したら結婚するんだ。」
だからお互い自由にすごそうじゃないか。
私フォスター伯爵令嬢スザンヌとハルシオン侯爵子息ロイド様とは、母親同士が同級生だった縁で結ばれた(仮)の婚約者である。
ロイド様が学園を卒業する際、お互いが同じ気持ちだったら婚約を継続。
そうでない場合は解消という、とても緩い間柄ではあった。
もし結婚した際は公爵家の次男であるロイド様はフォスター家へ婿入りする。
「わかりました。どうしてもお話しがある場合はどういたしましょう?」
「その際はメイドを通して手紙を寄越してくれたら良い。」
そう言って席を立ち
見送りは不要。
とだけ言い残し部屋を出て行った。
私は来月から学園へ入学するため学園寮へ入る。
2つ年上のロイド様とは1年間同じ学園生活をおくれると、内心喜んでいた自分が少し恥ずかしくなった。
「ロイド様はなぜあのような事を言ったんでしょう。」
私専属の侍女であるナタリーは、空になったカップへ紅茶を注ぎながら聞いてきた。
「・・ロイド様にも何か考えがあるのかも知れないわ。」
そう言いながら淹れたての紅茶を口に含む。
(私の存在を隠すって事は、格下の家へ婿入りする事を隠したいのかしら・・)
いえ、そんな事はないはず。継げる爵位がない家の子息たちは騎士か文官、我が家のように婿入りするしかない。
(・・・考えるのはやめよう!)
私は首を振りながらクッキーを1つ口に入れた。
「さて、荷物をまとめなきゃだね!」
「あとはお嬢様個人の持ち物だけでございますよ。」
「さすがメアリーね。」
そう言い合いながら自分の部屋へと戻った。
ロイド様とのお茶会から1ヶ月後、私は侍女メアリーを共にして学園寮へ入った。
寮は2階建てで2階に高位家族の部屋。
1階に子爵、男爵の令嬢の部屋がある。
基本皇族、公爵家、侯爵家の令嬢は城か自分の屋敷から通うがまれに寮へ入る令嬢もいる為、角部屋4つは特別室となっている。
これは同じ日に寮へ入ったゾイド伯爵令嬢マリィ様から聞いた。
「私の姉が去年卒業したんですが、姉の同級生に侯爵令嬢がいて部屋へ招待して頂いたそうなの!お城のお部屋かと思うほど素敵な家具や調度品が並んでたって。」
羨ましいわぁ。とすごい興奮して教えてくれた。
学園へ入学して2ヶ月。ロイド様とは1度も会話をしていない。
でも・・
「今日も、ロイド様とサラ様が裏庭で抱き合ってたわ!」
「昨日はカフェで寄り添っていたわ!あの距離はただの友達では無かったわ!」
「えっ、私はキ、キ、キスしている所を見たわー」
キャー!とクラスの女子が話す日が増えていた。
私とロイド様が仮とはいえ婚約している事は誰も知らない。そのため、ロイド様とサラ様が婚約した!という話しも最近では珍しくない。
「ロイド様とサラ様はご結婚されるのかしら?
でもロイド様はご次男、サラ様にも弟君がいるから後を継げる爵位はないと思ったけど・・ロイド様、騎士でも文官でもないし・・」
どうされるのかしらね?
マリィ様へ本当の事を話したい気持ちはあったが、抑えた。
話しても自分がみじめになるだけだ。
何より2人が抱き合いながらキスしている所を私も見たことがある。
その際ロイド様は私に気づかなかったが・・サラ様とは目が合った。
そして私に見せつけるかのように何度も何度も、角度をかえてキスをしていた。
「!スザンヌどうしたの!顔が真っ青よ!」
思い出してしまったら気分が悪くなり、吐き気までも・・
「医務室へ行った方が良いわ。」
マリィ様に付き添われ医務室へ向かったが、
自分の部屋のが休まるからと寮へ戻る事にした。
メアリーを呼ぶと言われたが近いので1人で帰る事にして、マリィ様は教室へと戻ってもらった。
[****]
[☆☆☆♪]
?授業の最中なのに林の中から人の声がする。
始めは気のせいかと思ったがその内
[♡♡♡♡・・]
と変わっていった。
始めは苦しんでる人の声に聞こえたため、少し足を踏み入れた瞬間にそれが情事の声だとわかった時には遅かった。聞いたことのある声に否定しながらも、その場から離れる事が出来ずその場で立ちすくんでいると、
「スザンヌ待って!やっぱり部屋まで送って行く
わ!」
マリィ様の声に反応し振り向いたのは、
「ロイドさま・・」
だった。
その後のことは正直言ってうろ覚え状態で、駆け付けたメアリーに支えられ部屋へ帰るとそのまま意識を失ったらしい。
ただ覚えてるのは、ロイド様の後ろでサラ様が私に向かって勝ち誇った笑顔だった。
「・・お嬢様、お目が覚めましたか?」
「メアリー、私・・・。ロイド様とサラ様が・・」
「お嬢様忘れましょう!旦那様と奥様はもうロイド様とサラ様の事をご存知です。なのでお嬢様が・・傷つく事など・・」
泣くのを堪えながら私をメアリーがきつく抱きしめる。
「メアリー私ロイド様に好意を抱いてたの。爵位は下がるけどそれでも私と一緒に・・領地を・・私のことを思ってくれると・・期待して・・たの・・」
どう止めたら良いのかわからなくなった涙を、メアリーはただ黙って受け止めてくれていた。
「・・スザンヌ様。ごめんなさい。」
扉の前でマリィ様が立っていた。マリィ様付きのメイドと共に私が落ち着くのを待ってくれていたのだ。
「グスッ、マリィ様・・お見苦しい・ところを・・グスッ」
「話しはそちらのメアリーから聞きました。
ハルシオン侯子と婚約していたと・・」
「・・マリィ様、少しお話しを聞いてくださいますか?」
私はロイド様とのことを全てマリィ様にお話しした。
母親同士が仲が良くロイド様が学園を卒業するまでは仮の婚約者であって、少なくとも自分はロイド様に好意を抱いていたことも、結婚したらロイド様が婿入りして来ることも話した。
そして学園へ入学する前に言われた事もすべて話した。
「スザンヌ様の家へ婿入りする事が決まってたから、そんな提案をしてきたのね!そしてサラ様もロイド様とスザンヌ様が仮とはいえ婚約している事を知り嫌がらせをしてきたに違いないわ!。」
自分の事のように一緒に怒ってくれるマリィ様に少し落ち着きを取り戻した私は、
「1度屋敷に帰って、父と母に話して来ます。そして、ロイド様ともちゃんと話しをして来ます。」
「・・マリィよ、スザンヌ。私たち友達でしょ?
私はここでスザンヌの帰りを待ってるから。」
辛いけど頑張って・・
「うん!」
次の日学園長の元へ行き10日ほどお休みをもらった後、屋敷にいる父母の元へ帰った。
「お父様、今日もまたロイド様が女子寮へ私との面会を求めに来ているそうですわ。」
「ハルシオン侯爵からはロイド君へ話しがいってる筈なんだが・・」
「スザンヌへ直接泣き付けば何とかなると思っているのかしら。ベルも困っていたわ。話しが通じない!って。」
ベル様はロイド様のお母様です。
「ハルシオン侯爵とも話し合って今度の休みに話し合う事になったよ。スザンヌ、大丈夫かい?」
「ええ、これ以上伸ばしても仕方ないですし1日も早く学園へ戻ってマリィに会いたいわ。」
「では2日後にハルシオン侯爵家へ行くと手紙を出しておくよ。」
父は執務室へと姿を消し、母も
「では当日着て行くスザンヌのドレスを選ばなきゃね!」
と部屋を出て行った。
2日後ロイド様は何と言ってくるのかな?
でも、あの姿を見てしまった後何を言われても・・ロイド様へ気持ちが戻ることは無いわね。
私も何を言われても、何を聞かれても答えられるよう準備しとかなきゃ!
「メアリー、今から私を手伝ってくれる?」
「私に出来ることならお手伝いさせて頂きます。」
この先の事を考えると心が潰されそうになるけれど、このままロイド様と結婚もムリ。
遅かれ早かれハッキリさせなきゃね!
2日後、ハルシオン侯爵家へ行く準備をしているとコンコン!と扉をノックする音が聞こえた。
「どうぞ。」
と声を掛けると同時に入って来たのはメアリーだった。
何かを言いにくそうにしている様子から誰かが尋ねて来たのだろう。
「どうかした?メアリー。もう少しで準備が終わるわ。」
「あの、お嬢様・・ロイド様がお越しで・・。」
「ロイド様が!?」
「はい、今は旦那様がお相手されておりますが・・」
「私に会わせろと言っているのね?」
ハァ、とため息をつき準備が整った所でメアリーと共に応接室へと向かう。
ロイド様は今でも私に上手く言えば、婿入り出来ると思っているのだろうか?
ハルシオン侯爵、侯爵夫人。私の両親にも知られてると言うのに今更何を言うつもりなのか・・
応接室へ向かう途中、母付きのメイドに会いハルシオン侯爵夫妻もこちらに向かっていると伝えられた。
階段を降り玄関横にある応接室へ入ろうとした時、なぜか玄関にサラ様がいた。
正確にいうと玄関のソファーに腰掛けていた。
そして私に気付くと
「あなた、私とロイド様のあんな姿を見てもまだ別れないなんて何て鈍感な子なの?」
と叫びながら詰め寄って来た。
なぜサラ様がここに?
と目でメアリーに聞くと
「お嬢様申し訳ありません。ロイド様と一緒に来られまして、お断りしたのですが・・」
そう言いながら私とサラ様の間に入り引き剥がそうとしたが、ムリだった。
それどころかメアリーに対して
「メイドごときが男爵家令嬢である私に触れるな!」
と怒鳴り出した。
私たちの声を聞き応接室から両親とロイド様も出て来る。
伯爵夫妻を前に、格下であるサラ様は挨拶するどころかロイド様へと抱きついた。
「君は誰の許可を得てこの屋敷へ入ったんだ!」
普段は優しいお父様もこんな時は伯爵家当主らしい振る舞いをする。
「すみません伯爵、彼女は同級生の・・」
「そんな事を聞いている訳ではない!なぜ部外者がこの屋敷に居るんだときいている!」
初めて父の怒鳴り声を聞きさすがのロイド様もサラ様も大人しくなった。
そんな時、
「旦那様、ハルシオン侯爵夫妻がご到着されました。」
と、同時に玄関から入って来た。
私たちの様子を見て何かを察した侯爵は、ロイド様の所へ来たと思ったら
「貴様は他所の屋敷で何みっともない事をしているんだ!」
ボコッ!
左頬に一発お見舞いした。
「重ね重ね息子が申し訳ない。」
ハルシオン侯爵夫妻があたまを下げる。
「本来ならこのまま本当の婚約者となる予定だったのに、ロイドくん。スザンヌの何がいけなかったのかね。」
「スザンヌに不満があった訳ではありません。ただ」
「私と出会ってしまっただけです!ロイド様と目が合った瞬間にお互い引き寄せられてしまったんですわ!」
自分の言葉に酔ったようにサラ様が言う。なぜかロイド様の腕に自分の腕を絡ませながら・・
「ただ、何だい?」
サラ様の言葉が聞こえなかったのか、聞こえないフリなのか父はロイド様へ話しの続きを促す。
私は黙ってロイド様を見つめ話しを聞いた。
「スザンヌに不満は無かった。ただこのままスザンヌと一緒になって支えて、それで自分は満足出来るのか?もしかしたらもっと・・もっと他の女性とも縁が・・」
俯きながら話したせいか、最後の言葉が聞き取れなかった。
でも私と目を合わせられないと言うことは、ロイド様はやはり伯爵家に入る事に不満を感じていたのだ。
「だかそこにいる女性は男爵家の令嬢だろう?
君はただ単にスザンヌ以外の女性と深い付き合いがしたかっただけなんだろう?そして自分の欲のために幼いスザンヌの口を塞いだんだ!」
「お父様・・ありがとうございます。でも、もう良いのです。幸い私とロイド様とは(仮)です。お互い傷は付きません。私はロイド様に対して好意を抱いておりました。もしかしたらロイド様も・・と思った事もありました。
でも、学園でのお二人を見て間違っていたと。
ロイド様は私では満足出来ないのだと悟りました。」
「違う!スザンヌ私は今でも君のことを、一緒になるなら君しかいないと!」
ロイド様が真っ直ぐ見つめてくる。
学園へ入る前にこの言葉を聞けれたらどれ程うれしかったか・・
その後の学園での2人の事も笑って流せたかも知れない。
でも違う。ロイド様はやっと自分が置かれていた環境の良さに気付き、その環境を失いそうで焦っているのだ。
私がロイド様から目を逸らそうとした瞬間、
「私のお腹にはロイド様のお子がいますの。医者も確認しています。」
「なっ!」
始めて聞いたのかロイド様はサラ様の腕を解く事も忘れていた。
「それは本当か?もし嘘だったら男爵家を取り潰す事になるぞ!」
「こんな嘘つけませんわ。それにロイド様としか関係を持っておりません!」
「そんな事言わなかったじゃ無いか!!」
「私の話しを聞こうとしなかったのはロイド様ではありませんか!」
まさかの妊娠・・
私も父母も何も言えず、ただ3人の話しを黙って聞いていた。
「とにかく今サラの話しを聞いている場合じゃ無いんだ!スザンヌとの事を!」
「私とお腹の子の事はどうなさるの!?」
侯爵夫妻も口が塞がらず、ただ顔が青ざめていく。
ロイド様と私の問題で集まったのに、まさかサラ様のお腹に赤ちゃんが・・
「侯爵・・」
2人の言葉を遮るように父が話しかける。
ロイド様もサラ様も父の方を向いた。
「このような事になりロイドくんとスザンヌの婚約の話しは、白紙にして頂きたい。
ロイドくんにはその、子供も出来たようだし・・」
「・・・・本当に申し訳なかった。」
「スザンヌちゃん、ごめんなさいね。ロイドがあなたを傷付けただけじゃなく、こんな・・」
「ベル・・」
母はベル様の側へと行き肩を抱きしめた。
今回の事で母同士の仲が壊れなければ良いと本気で思う。
ベル様の事は大好きなため、これからも母と一緒にお茶会へ参加させて頂きたいと頼もう。
ロイド様の方を向くと私の方を見ていた。
腕にはサラ様が抱きついていたが、子供の事を聞いてムリに剥がそうとしないところを見るとやはり、2人は想いあっていたんだなと感じた。
(私が入り込む隙はないようね・・)
でもこのまま終わるのも納得いかない。
ロイド様の気持ちも聞きたいし、私の気持ちも聞いて欲しい。
今日が終わったらもう、会う事もないのだから・・
「ロイド様、最後にお話し出来ますか?
出来たら2人で・・」
「・・・ああ、もちろん。」
ロイド様はサラ様の手を軽くポンポンと叩き、
ちゃんと話してくるから。
と言い残し、身重のサラ様を両親へ託した。
私はロイド様を庭の東屋へ案内し、少し離れたところへメアリーと護衛に待機してもらう。
「私、ロイド様と一緒にこの伯爵家を盛り立てていけると思っておりました。
お慕いしておりました。」
私の言葉にロイド様は顔を上げた。
信じられない!と、そんな顔で私を見て・・なぜか泣きそうな顔になっている。
そんなロイド様を見て思わずクスッと笑ってしまった。
「言葉に出すには幼かったんだと思います。この気持ちに気付いたのも学園へ入ってからですもの。」
私は目を逸らさずに笑顔で伝える。
この気持ちに、ロイド様への恋心を汚したく無かったから。
「私たち母親同士の縁で結ばれた(仮)だったでしょう?だからロイド様のことは兄に近い気持ちだったんだと思います。あまりにも近すぎて・・」
「いつから僕のことを・・?」
「言ったでしょう?学園へ入ってからだと・・」
ロイド様も私の事は妹に近かったのではなくて?
そう聞くとロイド様も頷いた。
「サラとは初め委員会で会ったんだ。男爵家とあって格下だし期待もしていなかった。でも、とても努力家で覚えも早くそして素直だったんだ。さっきの態度は・・多分必死になったんだと思う。」
ポツリポツリと語られる、2人の馴れ初め。
本来なら聞くと怒れるはずなのに、私は素直に聞くことが出来た。
「スザンヌの事はもちろん忘れては無かった!フォスター家へ婿入りし、君と伯爵領を守っていくんだと子供の頃から親に言われていたから・・」
でも・・
「サラの素の笑顔を向けられて生まれて初めて胸が締め付けられる感情を知ったんだ。もう少しサラと過ごしたい。もっとサラの笑顔が見たいと・・。だから、君が学園へ入る前にあんな提案をしてしまった。」
すまなかった・・
最後の声は小さ過ぎて聞こえるか聞こえないかの音だった。
でもロイド様の姿を見て言葉よりも伝わるものがあった。
本気なんだと・・
欲だけでサラ様と関係を持った訳じゃ無いと知り、私はなぜか泣きそうになった。そしてサラ様もロイド様を奪われたくなくて、私にあんな態度を取ってしまったんだ。そう思えたら胸が苦しくて・・
もちろん失恋したからもあるが、もしかしたらこの感情は・・
「お兄様・・。顔を上げてください。」
「!」
「お兄様お話ししてくれて、ありがとうございます。
お兄様のサラ様への気持ちが遊びじゃ無くて、スーは嬉しく思います。」
スーはロイド様が小さい時に呼んでくれていた愛称だった。
「どうかサラ様を、お姉様を幸せにしてあげてください。生まれてくる赤ちゃんを慈しんであげてね。」
「スー」
いつの間にか2人で泣いていた。
でもこの涙は悲しくて!よりも大好きな兄が幸せになって欲しい!の涙だと思う。
その後2人で部屋へ戻ると、サラ様はお兄様への気持ちが本物である事。平民になってもお兄様を食べさせる程にはお金もある事を話していた。
サラ様の男爵家は格下ながらも商いで成功しており、サラ様自身で立ち上げた商売もあるのだと・・
それはそれは一生懸命にハルシオン侯爵夫妻に説明していた。
ロイド様もサラ様が商いをしていた事は知らなかった様でとても驚いていたが、
「ますますサラを手放せないな!」
と、ノロケ出した。
東屋での事を両親たちに話し、私とロイド様は昔のように 兄と妹の関係へと戻った。
昔と違うのは私にサラ様という素敵で頼れる姉が出来た事だ!
あれからサラ様は(本当に優秀な方で)好成績を収め、学園を卒業して行った。
お兄様が卒業し、子供が生まれた後結婚式をするそうだ。
1年後に予定しているから出席してね♡と言われている。その時はマリィと出席する予定だ。
「なんか、色々あった1年だったねー。」
今日はポカポカ陽気なため、ランチBOXを持って学園の庭でマリィとお昼を食べている。
「先週のお休みに赤ちゃんに会って来たの!とっても小さくて美人さんだったわ♡」
春先にサラお姉様は子供を産んだ。
女の子でリリーと名付けられたその子は、2人の良い所を取って産まれた愛らしい顔立ちだった。
私とも本当の姉妹の様に接してくれていて、とても頼りになるお姉様だ!
「そうそう、お兄様たちが男爵家を継ぐ事になったそうよ!お姉様の弟君は貴族よりも平民として商いに没頭したいからと言って、お兄様へ押し付けて来たと話してたわ。」
「あら、じゃあ社交場でもお2人にお会い出来るのね!」
私は微笑みながら頷く。
私の恋心は綺麗に散ったけれど、それは嫌な散り方では無く良い意味で心に残る散り方だったと思う。
私は今年16歳になる。
社交界デビューの歳だ!
結局のところ、婚約者がいない私は真剣に取り組まなければならなくなり少し頭が痛い。
でも焦らずしっかり相手を見極めていこう思う。
入り婿希望の子息は沢山いるため、焦る必要も無いと父母に言われたのだ!
マリィには婚約者がおり、学園を卒業したら結婚式を挙げるそうだ。
「来年からは式の準備で忙しくなるから、今年はいっぱい遊ぼうね♡」
「だったら私の領地に来ない?とても素敵な湖があるの!」
「ぜひ♡彼とお邪魔させて頂くわ!」
色々あったけど結果みんなが幸せになれた事が本当に良かった。
こんな結果になったのは奇跡としか思えないけれど、私と我が領を愛してくれる人を探そう。
まずは、
「マリィ、ちゃんと卒業するよー 笑」
家族への愛と異性への愛。
似てるようで似てないけどお互いを想い合う気持ちは素敵ですねー。