【SS】第5話 ホワイトな求人
閲覧ありがとうございます。
起承転結の短さと、伏線回収までの短さに悪戦苦闘しながらも、読みやすさの魅力に魅かれて執筆しています。
「ここはこうした方がいい」等、次作の参考にさせていただきますので、コメントいただけると嬉しいです。
俺の働く職場は、働きやすさや福利厚生に優れており、定時退社で残業は無い。
土日祝日も休みで、いわゆるホワイトな職場というやつだ。
人を見る目を買われた俺は、採用部門として、面接希望者と対峙する立場にあり、プロフィールに目を通すのが日課となっている。
広報部門が出す求人には、「社会人経験不問・未経験歓迎」というキャッチフレーズを前面に押し、面接希望者を呼び集めている。
とっつきやすいキャッチフレーズのためか、多くの面接希望者が後を絶たず、脳のリソースを大幅に割いて、片っ端から処理をする。
手間暇かけて日程を調整するのだが、あろうことか、面接当日になるとドタキャンされる始末だ。
採用部門なのに、面接すらまともに執り行えない状況に、頭を悩ませている。
上司である部長に、折り入って相談してみたところ、WEB面接の導入を提案された。
正直なところ、半信半疑ではあったが、部長のアドバイスに従うことにし、WEB面接に切り替えてみた。
なんということだ。WEB面接に切り替えた途端、ドタキャンする応募者が居なくなったではないか。
しかし、ここのところ、採用通知を出しても、辞退されるケースが後を絶たない。
こんなにホワイトな会社なのに…。
何が原因なのか検討もつかず、面接に問題があるのではないかと、疑われかけていた。
部長に相談してみると、「確認しに行こう」と、救いの手を差し伸べてくれた。この人が上司で本当によかった。
二人で広報部門のフロアへ顔を出し、求人内容と応募ページを見せてもらう運びとなった。
ホワイトであることを際立たせるために書いたはずのキャッチフレーズなのだが、応募ページのいたる所に掲載されている。これでは逆効果というものだ。
業務内容や会社の魅力など、本来アピールしたい内容が、からっきし頭に入ってこない。
会場の案内図に繋がるはずのリンクなんて、空白のページだったりするものだから、どうにも手の施しようがない。
怪訝な顔の部長が一転、笑みを含んで一言つぶやいた。
「そうか、会社での面接にしろWEB面接にしろ、みんな道に迷っているんだ」と。