表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神々のカードゲーム  作者: 葉月 優奈
一話:プロテクションカード
6/56

006

烏嶽 芳吉、演劇部の部長だ。

背は風紀委員の光山よりも、さらに大きい。

一見すると、運動部員に見えてしまう立派な体だ。

体も大きくて、オーラも威圧感が感じられた。


「天瀬……ああ、多田のクラスメイトか?」

「多田 勢場を、あなたは知っているの?」

「神々のカードゲームの中では、最強のプレイヤーだ。レジェンドと言ってもいい。

俺は一度戦ったが、アイツは天才だ」

「その多田 勢場を、あたしは倒さないといけない。

悪いけど、あんたの階級を……」

「天瀬の家って、金持ちだよな。父親が、会社経営しているんだろ」

烏嶽は、そういいながら不敵な笑みを浮かべた。

烏嶽の言うとおり、あたしの家はとても裕福な家庭だ。

父親は会社を経営していて、家も大きい。


「まあ、金はあるわよ」

「お前の持っている全ての貯金を、よこせ」

「それがあなたの望みね、烏嶽」

「当たり前だ!この世は、金さえあれば何でも出来る。

お前とそうだな……双子の姉が持っている金ももらおうか」

烏嶽は、下品な笑いを見せていた。

だけど、あたしは憮然とした顔に変わった。


「何を言っているの?

この望みは、個人の持っている全てのモノの中から望みを叶えるものでしょ」

「姉の元生徒会長は、病気なんだろ。

どのみち、長くは生きられないんじゃないか?

だったらこの俺が、有効に使ってやるぜ」

「ふざけないで!」

顔を赤くしてあたしは、強気に叫んだ。

そんなやりとりを、光山は真ん中で見ていた。

光山は、無表情で烏嶽に声をかけた。


「カードはあるか?」

「おう、あるぜ」

「ならばルールを、確認する。

これはプレイヤー『天瀬 雪乃』対『烏嶽 芳吉』の戦いだ」

「あたしが勝てば、烏嶽のカミアラソイの階級をそのまま奪う」

「俺が勝てば、金だ。天瀬姉妹の……」

「それは賛同しかねる。今回の望みは、あくまで天瀬 雪乃を対象にするモノだ。

天瀬 雪乃の全財産は与えることは出来ても、対象外の天瀬 遥乃の財産は関与できない」

「へっ、そうかよ。堅物が!」吐き捨てるように言い、舌打ちをする烏嶽。

だけど、大きな体の烏嶽は素直に光山の指示に従っていた。

相手は、演劇部の部長……烏嶽 芳吉か。

確か、2年C組の男子生徒だったはず。演劇部の部長だけど、面識は無い。

演劇部の知り合いが、あたしにはいないんだよな。


「さてと、カードも持っているので今回のゲームを説明します。

その名は『プロテクションカード』」

光山が言うと、あたしは緊張した顔を見せていた。

その反対に、烏嶽の口元がにやりと笑っていた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ