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神々のカードゲーム  作者: 葉月 優奈
四話:ナインティナインカード
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遥乃が選んだ数字を、あたしが一発で当てた。

審判として中央で見守っていた光山が、口を開いた。


「勝者 天瀬 雪乃」体育館に響く。

多田も黙ってみていたが、もう一人の人間が不機嫌な顔をしていた。


「なんで、分かったのよ?」

「この数字、遥乃にとって大事な数字だったから。

あたしは、ずっと忘れていた。でも分かったのよ。

遥乃の態度、複雑な感情であたしは思い出せたの」

「病室の番号」

そう、これは遥乃の病室の番号だ。

4階の個室『63』、そこが遥乃の病気だ。


ここにいる多田に負けて以来、遥乃がここを出ることを許されなかった。

急に体が子供のように縮んで、あの子はこの63病室から出ることが出来ない。

63は、遥乃の一番大事な場所の名前。

遥乃にとって、63こそ全てのような数字だ。


「やっぱり、私の事を分かってくれたのね」

「ええ、遠回りしてしまったけど」

「本当に遥乃が、あの場所を大事にしていたんだって」

「雪乃が、私のお見舞いに来てくれる。それだけで嬉しかった。

何もいらない、幸せな日々。雪乃は、普通な事が好きだった」

「そう、私にとって普通とは……雪乃がいる世界よ」

あたしは手を広げて、遥乃を迎えた。

あたしは駆け寄って遥乃に、抱きつこうとした。

だけど、あたしと遥乃の間には透明な壁が阻んでいた。


「どうして、そんな顔が出来るの?雪乃は……」

「あたしは、遥乃のことが好きだから」

「私はそんな顔をする雪乃が、嫌い……にはどうしてもなれない」

「遥乃っ!」あたしと雪乃は、声をかけていた。


「雪乃は、本当にゲームを楽しんでいたのね」

「ゲーム、楽しいじゃん。双子で、こうやって一緒にゲームをするのを」

「え、うん。バカじゃないの?

あなたは、今の立場が分かっているの?」

あたしに対して、遥乃もまた笑顔を見せていた。


「では、約束だ。遥乃の神格化を止める。

遥乃は神を諦め、これから人間として……」

「どうしてよ、照美栖。彼女が神にならないと、世界がおかしくなってしまうのに!」

「無理よ。あの双子に、照美栖達が入れるスキはないわよ」

「だったら……いいわよ」

「諦めなさい、女天栖っ!」叫んだ光山。

そのまま、光山が天秤を動かす。

そして、遥乃の体から光が吸い上がって行くのが見えた。

遥乃から抜けていく光の柱が、体育館の天井を突き抜けていく。

その光は、とても綺麗に見えた。


「ありがとう」

遥乃は、満足そうな顔で私に言ってきた。

その一言を聞いた瞬間、あたしは全てが報われた気がした。


「おかえり、遥乃」とあたしは、ようやく遥乃を抱きしめていた。



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