表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神々のカードゲーム  作者: 葉月 優奈
四話:ナインティナインカード
50/56

050

(HARUNO‘S EYES)

ナインティナインカードは、二度目のチョイスだ。

先攻の私が冴木に呼ばれると……左側の天秤の皿に砂時計が置かれていた。

冴木もまた神で、風紀委員だ。


目の前にいる雪乃は心配そうな顔で、私を見ていた。

それと同時に、砂時計の砂が落ち始めた。


「さて、後は9分の1よね。次で、一気に当てちゃおうかしら」

「そう」雪乃は、冷静を必死に取り繕っていた。

だけど、きっと心の中は心臓がバクバクの筈。

私は分かる、雪乃の双子の姉なのだから。

雪乃の十の位の答えを当てれば、私の完全勝利だ。

選択肢は9分の1。一の位は、1なのは分かっていた。


「さて、雪乃。どんな考えで、その数字を選んだの?適当?」

「いいえ」

「適当じゃ無いんだ」

「あたしが見て選んだ数字よ」

数字を選ぶ前に、雪乃は覚悟を決めた顔を見せていた。

雪乃の数字を、私は考えていた。


(まあ、51じゃないけど……31当たりかしら?)

などと私は、妹の数字を推測していた。

余り大きな数字では、無いのかもしれない。

雪乃の考えは、なんとなく分かった。

それとも、私と同じようにカードを選んだのかもしれない。


「ねえ、その数字ってあなたに関係する数字なの?」

「そうね。これは、あたしのダイニングメッセージみたいなモノね。

あたしは負けたら、あなたの記憶から消える」

「雪乃も、饒舌に語るのね」

「あたしには、あなたに当てられないように必死なのよ」

雪乃の覚悟が、顔から伝わってきた。

それでも、時折見せる余裕の表情。


あの子は、どうしてあんなの余裕なのだろう。

あの子は、どうしてあんなに自信があるのだろう。

分からないけど、私は不愉快になった。


「なんか、ムカつくけど」

「そう?」

「雪乃、あなたは普通で平凡。だから、特別な私とは違う。

同じ双子であっても、あなたと私は違う存在なのよ」

「遥乃、確かにあなたはいくつもの才能がある。

頭もいいし、運動も出来る。おまけに、運だってとても強い。

そんなあなたが、なぜ……神を目指そうとするの?」

「神になることに、明確な理由はいるの?」

「ないの?」

「あるわよ!」

私ははっきりと言い放った。

冴木も、私の事をじっと見ていた。


「私が神になっても、あなたのそばからいなくなるだけよ」

「そんなことを、あたしが許せるわけでは無いでしょ」

「だけど、神はあなたと一緒に暮らせない。

あなたは人間で……」

「絶対に嫌よ!」

「でも、あなたは負けたら記憶を失う。

だから嫌とかいう感情も、あなたには残らない。

それは不幸では無く、普通の事よ。

あなたの日常に、私がいなくなる」

「絶対に嫌!」叫んだ雪乃。

それでも、私は決心が固い。


雪乃がどう思うが、私は神になると選んだ。

そして、私は神になって決めていたことがあるんだ。

そんな雪乃の数字を、私は推測をしていた。


(さて、普通に考えれば31の近辺だけど……だけど普通の雪乃とは違うそんな気がした)

ちなみに31というのは、中学三年間で唯一同じクラス1組になったから割り出した数字。

3年1組、あの年は体育祭でクラス別で優勝したりしたし。


(まあ、そんな簡単な数字を選ぶはずも無いしね)

私は、じっと雪乃を見ていた。


間もなくして、砂時計の砂が落ちていく。

ムネモシュネの会話の中でも考えていた私は、一つの答えを出した。


(そういえば、一学期の期末試験……私が負けた前日に返ってきたわよね。

あのとき、数学の点数が確か、下一桁1だったよね)

あたしは、ぼんやりとしながら四ヶ月前の記憶を呼び出した。

砂時計の砂が落ちる頃、私は口を開けた。


「コール81」

選んだ数字は81だ。

だけどそれは、雪乃の伏せたカードの中身では無かった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ