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神々のカードゲーム  作者: 葉月 優奈
四話:ナインティナインカード
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冴木も光山も、風紀委員は不思議な存在だ。

彼女たちは、自分を神と勝手に称していた。

この世界に、神なんか存在しない。あたしは、そう思って生きてきた。


だけど、彼女たちは不思議な力を使っていろんな事をしていた。

突然現れたり、カードが勝手に動いたり……様々な事が起っていた。

だから、最近はいろんな事が起っても気にしなかった。

手品より、神という言葉がそもそも当てはまるような気がしてきた。


そんな神と名乗る冴木は、あたしに言い放った。

「天瀬 遥乃を神にする」と。あまりにも一方的に。


そんなこと、させてなるものか。

あたしは、いても立ってもいられず夜のバスに飛び乗った。

そして、あたしは心配な顔で遥乃に会いに病院に来ていた。


あたしは、一人でこの病院に着てきた。

夜のこの時間に、遥乃に会いに行くのは初めて。

当たり前の話だが、本来は夜はお見舞いが出来ない。

だけど、病院には素直には入れたし、受付にも人がいない。


そして、あたしは遥乃いる四階のフロアに到達したとき……空気が変わった。

(なに、この雰囲気は)

夜の病院は、とても暗い。

灯りが消えた病院の廊下を、走って遥乃の個室に辿り着いた。


「遥乃っ!」あたしは叫ぶ。

あたしの目の前では、神々しい光を放つ遥乃がベッドの上に立っていた。

その姿は、子供っぽい姿ではない。

女子高生の姿の遥乃だけど、様子が違っていた。


「遥乃?」

「遅かったわね、雪乃。ああゲームしていたんだ」

「ええ、そうよ。その様子だと……」

「戻ったわ。だけど手遅れね」

「何が手遅れなの?」

あたしは、おそるおそる聞いていた。

神々しい光を放った遥乃は、あたしを見下していた。


「全てが、手遅れ」

光が強くなって、遥乃は浮かび上がった。

そして、右手を広げてあたしに向けていた。


「私は神になる。この世界を変えるために、この腐った世界を変えるために」

遥乃はそう言いながら、あたしに強い光りを放っていた。


「ちょっと、遥乃っ!」

「そのために、まずは遥乃の枷である一人の人間を消し去らないとね」

そんなあたしの背後から、声が聞こえた。

そこに姿を見せたのは、冴木だ。

相変わらずうさ耳カチューシャに、茶色の髪。

制服姿の冴木は、ゆっくりとこの病室にやってきていた。


「冴木……あんた、どうやって……」

「わかるでしょ。女天栖(メーティス)は正真正銘本当に神なんだって」

堂々と冴木が、個室に入ってきた。

腕を組んで、怪しく微笑みながら。


「あなた、遥乃に何をしたの?」

「だから遥乃を、神にした。それだけよ。

天瀬 遥乃は……多田 勢場以上に神にふさわしい存在だった。

それだけよ、だから消えなさい」

冴木はあたしに、歩いて近づいた。


同時に、どこからともなく一本の剣が出てきた。

出てきた剣を右手に握った冴木は、そのままあたしの腹を突き刺そうとした。

突き刺そうとしたけど、あたしは紙一重でかわした。

僅かに遅れたら、あたしはあの剣で貫かれていただろう。


「あっ!」恐怖で、あたしの顔が青ざめた。

だけど右手に剣を握り、剣を構える冴木。


「外したの、私?」

冴木は、不敵な笑みを浮かべながら剣を握っていた。

あたしに対して、はっきりと殺気を放ちながら。


だからこそ、あたしは恐怖を振り払って走った。

冴木の入ってきたドアが、開いていた。あたしは、そこに向かって走り出していた。


(ダメだ、ここは逃げよう)

恐怖を感じながら、あたしは病室を抜け出して走り出していた。



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