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神々のカードゲーム  作者: 葉月 優奈
三話:ブルチックゲーム
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多田のカードは三枚目に、『恐れ7』のカードを選んできた。

カードの質が、3枚目で明らかに劣っていた。

喜んだあたしは、すぐに冷静になった。


(残り2枚のカード……果たしてどんなカードを持っているのだろうか)

多田は、さっき言っていた。「ここで決める」と。

だけど、カードの数字が『恐れ7』。それにしてはカードが弱い。


つまり、ここで勝負に来るのは嘘だ。

あたしは、多田の言葉を分析していた。


だけど、この勝利ははっきり言ってとても大きかった。

『怒り7』は、あたしが持っている最弱カード。

一番弱いこのカードで勝てたことは、戦略的にかなり有利になった。

まあ……多田が10の数値のカードを持っていたらどうしようも無い。


(次のカードを、慎重に選ぼう。残りは2枚だし)

だけど、あたしが考える間もなく多田はカードを置いた。

今回は、かなり早くカードを置いてきた。


ここで選んだカード、選ばれなかったカードは自然と5枚目のカードになるのだ。

つまり、ココが最後の選択になるのだ。


(どっちを選ぶか?)

カードの手札は『喜び8』『激怒9』の2枚。

多田は相変わらず、冷静な顔でカードを置いてきた。

表情もほとんど変わらないし、さっきの嘘のセリフがあった。


さっきの戦いで、あたしはあえてエースを使わなかった。

この戦いで、多田の計算に僅かなズレがあるのかもしれない。

少し悩んだあたしは、1枚のカードを選んだ。


「では、カードの変更はないか?」

テミスの問いかけに、あたしも多田も変更しない。

そして、カードがオープンされた。


あたしが出したカードは、『喜び8』。

対する多田の出したカードは……『悲しみ7』だった。


(『悲しみ7』対応するカードだ)

カードの強さは7、だけど対をなすカード。それでも数字が上回ったあたし。


「8対7で勝者天瀬 雪乃。2ポイント目」

光山は、あたしの2ポイント目を宣告していた。


これで、同点だ。

あたしの手元には、最後の1枚のカード。

多田にも手元には、1枚のカード。カードを選ぶことは、これ以上出来ない。


「では最後のカードを、セットしてくれ」

テミスの指示通り、あたしと多田はカードをセットした。

セットしながら、多田は口を開いた。


「そうか、そういうことか……君も特別だったのか。天瀬 雪乃」

「何よ、フルネームで呼ばないで」

「三戦目……君は、エースを出さなかった。

僕は、ずっと君がエースを出すモノだと思っていた。

でも、あそこは君がエースを出してこなかった。

一番弱いカードで、あえて僕に挑んできた」

多田は、あたしの考えを見抜いていた。

そう、エース……『激怒9』は、最後まで残していた。


「僕は、エースを使わせなければいけなかったんだ。君に」

「何を言っているの?」

「見れば分かる」多田は、達観した顔であたしに言っていた。


「最後のカードを、オープンする」

光山が宣言した瞬間、2枚のカードが表になった。

あたしの目の前には『激怒9』のカード。

多田のカードは、『恍惚9』の黄色いカードが出ていた。



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