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神々のカードゲーム  作者: 葉月 優奈
三話:ブルチックゲーム
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完全に今のあたしは、劣勢だ。

多田の出してきたカードは10と9。カードの上でも、相手は圧倒してきた。

流石に二連続10は無かったけど、圧倒的な強さを見せつけてきた。

カードゲームの天才でもある、多田に簡単にリードを許す展開。明らかに分が悪い。


それでも、あたしは平常心で対戦相手の多田を見ていた。

(やばい!あたしの手が、なにも無いのがバレてる)

心の中では、焦りながら。


この戦いには、遥乃のことがかかっていた。

あたしは遥乃を助けるために、このゲームに参加しているのだ。

でも、あたしの顔を見て多田は首を捻っていた。


(さて、これで後がないけど、2枚目は9だ。

多田のカードの強さが、最初より弱い。とはいえ悲観9も、あたしのエース格だ。

だけど、多田のカードはそこまで強いのだろうか)

急に懐疑的な多田を、見てきた。


多田は、余り感情を表に出さないクラスメイト。

ポーカーフェイスという言葉が、ぴったり当てはまる男子生徒。

ゲームを一緒にしていたときも、彼はいつも冷静沈着だ。


(もしかして、多田は最初の3手で勝負を決めるつもりではないのだろうか?)

なんとなく、あたしは彼の手を見て思えてきた。

最初に2枚は、エースを使い最後に読み合いで勝負をしてくるのかもしれない。

いやいや、まだ他のカードが弱いと決めつけるのはまだ早い。


多田の手札は、最初の1枚からあたしも分からない。

分かっていることはただ一つ、三戦目は最低でも引き分け以上に持ち込まないといけないということだ。

なにせ、あたしは二連敗をしてしまっているのだから。

目の前の多田も、考えていた。まだカードを、置かない。


「天瀬さん」

「なによ?」

「次、僕は決める。遊びはない」

「勝負に行くって事?」

「そう、君は僕に勝てなかったら、君は僕の下僕のなってもらう」

「いいわよ、約束だから」

ここで言う台詞は、多田の揺さぶりだと感じられた。

会話で、あたしのカードを読むことだろうか。

多田の駆け引きがあって、あたしに言ってきたのか分からない。


「まあ、そんな気がするだけだよ」

「そう、ならそうなると、いいわね」

「ああ……」多田の様子が、おかしい。

勝っているのに、余裕が感じられない。これは、わざと演技をしているのだろうか。

それとも、多田に余裕が無いのだろうか。

あたしは、再び自分の持っているカードに目を向けた。


(『怒り7』『喜び8』『激怒9』カードの強さはバラバラ。

属性的には、怒り系のカードが2枚存在する。

それよりもまずは、数値勝負だ。やはり激怒9を、ここで選ぶのがセオリーだろうか)

あたしは考えていると、多田は先にカードを置いた。

だけど、あたしはカードをじっと見ていた。


(多田君はそれでも、口に出していた

「ここで決める」と。単なる嘘か、それとも彼の手札の限界か)

いずれにしても、あたしはカードを選ばないといけない。


(まあ、カードを信じるしかない。あたしにはそれしかできないし)

覚悟を決めてあたしは、自分のカードを信じてカードを置いた。


「あたしは、このカードを信じる」

崖っぷちのあたしは、真っ直ぐ前を向いていた。

感情を読み取って表現された、あたしの持っているカードはあたしだ。

あたしが、あたしを信じないでどうする。

あたしのカードが、多田には負けない。


「カードの方はいいか?変更はないか?」

風紀委員の光山が丁寧に、あたしと多田に聞いてきた。


「うん」

私は迷わなかった。多田も今回は変更しない。


そして、私と多田のカードが同時にオープンした。

それは一番弱い数値のカード『怒り7』のカードをあたしは選んだ

対する多田のカードは、『恐れ7』のカードだった。


「これって……」

「対になるカードだ」

「ルール上、今まで出たカードの中で、カードにコンボをつけるわけだけど……」

「あたしがコンボ出来るカードは……『悲観8』かしら」

「僕のコンボは……『激怒10』と『恐怖9』。対に成感情と、同一感情。

つまりは、コンボが出来るカードが僕には無い」

「数値的には15対7。よって勝者は天瀬 雪乃。1ポイント獲得」

テミスの宣言と共に、あたしはようやく1ポイントを獲得した。

思わずあたしはガッツポーズで、喜びを表現した。


「よーっし!やったー」

感情を爆発させて、笑顔に変わったあたし。

それを見て、多田は目をつぶって観念した様子を見せていた。


「なるほど、やるね」

多田は喜ぶあたしを横目で見ながら、冷静な顔を見せてきた。



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