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神々のカードゲーム  作者: 葉月 優奈
三話:ブルチックゲーム
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最初で出てきたカードは、最高数値の10。

感情が弱い人間が不利、多田は大人しい生徒。

だけど、彼の出した最初のカードはあたしが持っていたどのカードよりも数字が高い。


(なによ、全然強いじゃ無い!)

賀木の言葉も、牛王の言葉も信じられない。

多田のカードは、あたしが持っていない最高値10のカード。

このカードゲームは、2差離れていると感情の優劣は関係ない。


(多田は、最初にエースを使ってきたのだろうか。

それとも、多田のカードは全てが強いのだろうか)

頭の中で、考え抜くしかない。

だけど、あたしはあることを思いだした。


(多田君は、このゲーム初めてじゃ無いんだ)

カードを作るときに、最強のカードを作るコツがあるのかもしれない。

感情を強くすれば、強いカードが作れる事があるのかもしれない。

だとしたら、あたしは簡単には勝てない。

そんなあたしは、持っているカードを見ていた。


(今度はエースを、使った方がいいのだろうか?)

でも、手持ちのカードの最高は9。

恐怖と激怒の9が、あたしの手元にまだ残っていた。

これがあたしのエースだけど、2枚だけ。


(まさか、多田は全てカードが10ってことはないよね?)

そうなれば、あたしには勝ち目が無い。

8以下のカードが3枚アリ、すでに1枚使っていた。


その可能性は、決して否定できない。

手札は、もう二度と変わることは無い。


(次に負けたら、ポイント上では2ポイントで一気に追い込まれてしまう)

あたしは、難しい顔でカードを見ていた。

既に前にいる多田は、カードを選んでいた。


(早いわね。多田は、もう次のカードを決めたって訳ね)

やはり、多田はカードゲームの天才だ。

手札まで強かった彼に、あたしは果たして勝つことが出来るのだろうか。

いやいや、そんな落ち込む所じゃ無い。

どうやって、強い多田に勝つかを考えないといけない。


(ならば、このカードで主導権を取り戻すしか無い)

あたしも1枚のカードを出して、カードを伏せた。

大きくなったカードを見て、目の前の多田を見ていた。

彼の僅かな表情の変化も、見逃さない。

あたしに対して、多田もあたしの顔をじっと見ていた。


「では、カードの変更はないか?」

「変更します」

ここで、先にカードを置いた多田が手を上げた。


彼の前には、置いてあったカードが1枚戻って新しいカードを伏せておいた。

多田は、この仕草でもあたしを揺さぶっているのだろうか。

それとも、彼の中で何らかの作戦があるのだろうか。

多田の考えが分からないし、全く読めない。


(多田は戦術の天才、牛王が言っていた。

だけど、あまり無理に仕掛けてこないとも牛王は言ってきた。

彼の考えは分析済みだ。予習はしてきた)

それでも多田は「いいよ」と、小さく声を出してテミスに告げた。


「もう一度聞く、カードの変更はないか?」

再び光山が、あたしに聞いてきた。

あたしは、首を横に振った。


「ではカードを、オープンする」

あたしが出したカードは、最初に手に入れた『恐怖9』だ。

最高数値の9のカードを出して、多田のカードを見た。


「9……悲観のカード」

「数値は互角だが、悲観は恐怖を上回るので……多田の悲観の数値は10.1。

よって多田が、1ポイント。合計2ポイント」

光山の言葉に、あたしは驚いていた。


「あたしのカードが……負けた」

それは、エースを選択してあたしは勝負を落とした。

そのショックは、計り知れなかった。

それでも表情に出さないで、淡々とした顔を見せたあたし。


(大丈夫だから)あたしは自分に言い聞かせて、大きく息を吐いていた。



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