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神々のカードゲーム  作者: 葉月 優奈
三話:ブルチックゲーム
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あたしは、特別教室の廊下を歩いていた。

その隣を歩いていたのは、牛王だ。

フラフラと歩く牛王は、生気が感じられない。

まるでゾンビのような男子生徒が、あたしの隣を歩く。


制服姿のあたしは、カードを持って歩いていた。

テミスに渡されたカードをじっと見ながら、さっきのテミスの言葉を確認していた。

最初のプロテクションカードと同じで、無地のカードを5枚渡されていた。


(今回は、多田君と戦うのか)

あたしは、正直かなり不安だ。


牛王が言うには、多田はカードゲームの天才らしい。

姉の遥乃も負けた相手で、隣の牛王も負けていた。

牛王は、死んだ顔であたしの隣を歩いていた。それは彼が負けたからだ。


「もしもーし」

あたしは、隣の牛王に声をかけていた。

声をかけた瞬間、牛王の目に光が点った。


「はっ」

「牛王君?」

「あっ、天瀬先輩」

後輩の牛王が、意識を取り戻した。

それと同時に、驚いた顔を見せた。


「目が覚めた?」

「うん、ここは?廊下?」

「ええ、多田君と一緒に出てきたわよ」

「ああ、そうか……あの人、相変わらずですね」

頭を抑えながら、牛王は苦しんでいる様子だ。


「でも牛王君は、知り合いだったのね」

「ええ、僕は多田先輩と戦い……負けました。

天瀬生徒会長の前に彼とは戦い、敗れたのです」

「そうなのね」

彼がいろいろゲームについて詳しいのも、納得が出来た。


そんなあたしのカードを見て、牛王は反応した。

「そのカードは?」

「ええ、今度多田君と戦う事になったの。

それで、光山風紀委員から渡されたカード。相変わらずのカードで」

「ねえ、ゲームの日時は分かる?」

「えーと、四日後の金曜日ね」

「そうか……おそらくゲームは『ブルチックゲーム』だ」

「ブルチックゲーム?」首を傾げたあたし。

「ブルチックとは、色によって感情の色が存在する感情の輪を提唱した心理学者の名前。

それを落とし込んだカードゲームという事だよ。

後ろにある四色の円の模様が、感情の輪で……」

「ストップ、『心理学』とかあたしはよくわかんないけど?」

「そこまで難しくないよ。

ルールは簡単、5枚のカードを出してより強い感情のカードを出した方が勝ち。

カードを持っている間に、感情が揺さぶれた瞬間にカードが生み出される。

つまり、このゲームはカードを作るところも大事だと言うことだ」

「このカードが、そんなに不思議なカードなの?」

無地のカードを、あたしはじっと見ていた。


「まあね、僕が負けたゲームだし。

それと気をつけて。多田先輩は、カードゲームの天才だから」

牛王が言う言葉を、今なら理解できた。


ポイント99……彼は99人ものプレイヤーを倒してきていた。

それだけでも、凄い記録だ。

おまけに、牛王君が勝てなかった相手でもあった。


「多田 勢場に、あたしはどうしても勝ちたい。

でも、あの男に勝てるのだろうか?」

弱気な顔で、あたしは呟く。そんな時だった。

あたしの持っていたカードの1枚が、いきなり光った。


「カードが発現したんだよ」

「発現って?」

「そのままの意味」牛王が叫ぶ。

光ったカードは、緑色の光を放つ。

無地だったカードは、緑色に変化して文字が浮かび上がった。


「なにこれ、『恐怖9』だって」

あたしは驚きながら、最初のカードを見ていた。



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