028
あたしの3枚のカード。
『エース』に、『8』に……既にオープンにされたカードは『スペードの2』だ。
対する榊原は4に、表にしていた『ダイヤの6』に3。つまり13でオーバー。
それを見た瞬間、対面にいる榊原の顔が青ざめたのがはっきりと見えた。
そして、光山からはっきりと告げられた。
「11対オーバー13。よって勝者は『天瀬 雪乃』!」
「あたしが……勝った」
それは勝利の達成感より、驚きが強かった。
榊原は目を大きく開いて、小さく体を震わせた。
「どうして、どうしてあのとき『レシーブ』をしたのよ?」
榊原は、あたしに向かって叫んできた。
そのまま榊原は、凄い剣幕であたしに迫ってきた。
あれ、なんだか前にもどこかで見た事あるような光景だ。
榊原は見えない壁に阻まれて、ほぼ真ん中で榊原の動きが止まっていた。
「あなたが、どこか不安そうにしていたから」
「最後の5を引かせた場所。
あれも、探りを入れた……筈なのにあなたは引いてきた」
「そうね、でもあなたは不安そうだった。
あたしのカードを、読むことが出来なかった。
それだけじゃない、二度ともあたしが絵札バーストをしていたのを見て……安心していたのね」
余裕の顔は、あたしが絵札を引いて表にしていたからだ。
だけど、あたしが最初のカードをレシーブしない。
さらには、榊原のカードをレシーブしない。
これこそが、榊原に不安を与えていた。
だから、あのレシーブを仕掛けてきた。あたしを騙そうと、裏の裏を掻いてきた。
「あなたは、考えすぎて策に溺れたのよ。
結局あなたは、回りを伺いながら生きている人間だったって事よ」
「天瀬 雪乃……アンタって人は」
「では、勝者には報酬を……天瀬 雪乃には榊原の階級を与えます」
光山は、どこからともなく現れた剣を掲げた。
それと同時に、あたしのスマホが光った。
スマホの画面を見ると、あたしのメッセージが入っていた。
【『カミアラソイ』の階級がプレミアムになりました】
というメッセージを、あたしはじっと見ていた。
「階級『プレミアム』……ですか。おめでとう」
美術準備室のドアが、突然開いた。
開いた瞬間、あたしは驚いていた。
そこにはあたしが、忘れることも出来ない多田 勢場が姿を見せてきた。
そして、もう一人彼のそばには男子生徒が姿を見せていた。
七三分けの男子生徒は、虚な顔でフラフラと歩いてきた。
牛王の姿は、あまりにも異様な姿であたしは驚きが隠せなかった。




