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神々のカードゲーム  作者: 葉月 優奈
二話:バーストイレブン
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三度目のゲームも、オーバー数字の多いあたしからだ。

毎回先攻を選んでいても、プロテクションカードと違って有利を全く感じない。

それでも今回は最初のカードを引いて、あたしは少しだけ安心した。


(『ハートのエース』だ)

出てきたカードを見て、ようやくあたしはほっとした。

今まで最初のカードが、オーバー確定の絵札だったのでこれで一安心だ。

それでも、ほっとした様子を顔には絶対に出さない。


そう、これは初めてのチャンス。

エースは1、つまりゲーム最強のカードを手にした。

このゲームで、何とか勝負を決めないといけない。


あたしの運は、クズ運には悪い意味で自信があった。

つまり、チャンスはそう多くない。

トレードをしてこないあたしを見て、榊原が口を開いた。


「いいカードを、引いたのかしら?」

「さあ、どうでしょう?」あたしはしらを切っていた。

光山から、榊原もすぐにカードを引いてきた。


「バレバレなのよ」と呟きつつも1枚目のカードを、榊原も確認していた。

榊原も、最初はトレードをコールしてこない。


問題は、2枚目のカードだ。

一枚でも絵札が入れば、このゲームは速攻オーバーしてしまう。


だけど、トレードで押しつけることも可能だ。

一発オーバーの絵札の処理こそが、このゲームの鍵になる部分だろう。


現在出ている絵札は、4枚。

山札には、後8枚の絵札が残っていた。

この絵札を引かないようにするしか無いが、こればかりは運だ。

それに、絵札以外にも10とか9もかなり危険な数字もあった。


光山から2枚目のカードを、あたしは引いた。

おそるおそる、あたしはカードを見た。

微妙な数字のカード、『ダイヤの8』を引き当てた。

合計は9、まだオーバーしていないが11まで僅か2までしか余裕が無い。

そのカードを見ながら、あたしは考えた。


(さて、トレードをするか?それとも次のカードで勝負をするか?)

いやおそらく榊原は、ここでトレードをしても乗っからないだろう。

それでも、ここでトレードをする意味があるのだろうか。

あたしは、悩んだ末にトレードをコールしなかった。


2枚目も動かないあたしを見て、最後の1枚は榊原に渡る事が確定した。

強制トレードと、強制レシーブだ。


難しそうな顔で、じっと伏せられたカードを見ていた。

彼女も、順調なのかカードを見ながら悩んでいるの仕草を見せた。

榊原も手札の良さが、それだけでも窺えた。

現在は9、まだ可能性は残っているがかなり厳しい。


そんなあたしの状況を知らずに、榊原は無表情でカードを引いた。

カードを引いて、中身を確認した榊原。

カードをじっと見てる榊原に、首を捻っていた。


(さて、ここでトレードでもするのだろうか?)

あたしは彼女の手札が、分からない。だけど榊原は、考えが長くなっていた。

このゲームのターンには、制限時間が無い。

考えて、悩んでいる間は、次のカードを引くことは出来ない。

三分ほど長く悩んでいた榊原は、ようやく口を開いた。


「トレード」。榊原はコールをしてきた。

『トレード』のコールをした瞬間、緊張感が美術準備室の空気を支配していた。



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