022
一週間後、あたしはゲームの参加のためにこの場所を訪れていた。
特別教室棟の美術準備室。美術室の隣にある狭い部屋。
いろんなモノが置かれた雑多な部屋に、あたしはやってきた。
(相変わらず、誰もいないじゃん)
スマホ片手に、あたしは美術準備室に入った。
あたしの後ろには、もう一人男子生徒が姿を見せていた。
「ここで、ゲームが行なわれるんだ」
「そういうことね」
あたしの背後には、一人の男子生徒がいた。
七三分けの黒髪男子生徒。彼の名は、牛王 秀太。
落ち着いた牛王は、美術準備室を見ていた。
「でも、こんな場所でゲームをして大丈夫なの?」
「大丈夫よ」
「相手は、演劇部の……」
「そう、マネージャー榊原 鶴望」
これは、彼女が仕掛けたゲームだ。
あたしにとっても、彼女と戦う事は望むところ。
彼女を倒せば、階級が上がるのが間違いない。
このゲームは、勝利数に応じて階級が上がる仕組みだ。
だから、ゲームに参加することは意味があった。
「負けたらどうなるの?相手の望みを、聞くと言うけど」
「それは分からない」
榊原は、あたしに強い恨みが感じられた。
前回戦った烏嶽と、榊原は部員以上に強い関係もあるのが知っていた。
「だけど、あたしの進むべき道は変わらない。
遥乃を救う……そのために多田 勢場に挑める階級になる」
「強い意志を感じるね」
「遥乃は特別で、凄い人だった。
そんな遥乃が、おかしくなってしまって子供になってしまった。
だけど、遥乃は戻ってくるべき人だ。遥乃は特別だから」
「なんでそこまで言うの?」
「あたしは……普通の女子高生よ。
双子であっても、あたしと遥乃は全然違うの」
そんな中、あたしはスマホを見ていた。
「そろそろ時間よ、牛王君」
「うん、僕は一旦帰る」時間は17:58だ。
牛王は、そのまま美術準備室を出て行った。
あたしは、一人きりになって狭い美術準備室で待っていた。
そして、時間は18:00になった瞬間、一人の人間が姿を見せた。
「ようこそ、神々のカードゲームの世界へ」
そして、無表情な風紀委員の光山が静かに姿を見せていた。
相変わらず、突然現れるのはまだ慣れない。
でも、光山はドアを開けてこの美術準備室に入っていない。
光山の登場から遅れること数秒後……美術準備室のドアが開いた。
「やっときたわよ、天瀬 雪乃」
そこには、腕を組んだ長い黒髪の女子……榊原 鶴望が姿を見せていた。




